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2023.08.24 /
第105回:バーチャルウォーターと東濃桧
日本の水は世界の中でも非常に水質が良く、水量ともに安心・安定した水供給がなされています。 雨が豊富で川が豊かなので水のストレスと縁がないように感じられます。 しかしながら、日本は、食料輸入などを通じて多くの世界の水を消費している国です。 丸太や木材、農産物などの生産に水を必要とする物資を輸入している国(消費国)において、仮にその物資を生産するとしたら、どの程度の水が必要かを推定した水の量をバーチャルウォーターといいます。 例として環境省によると、1kgのトウモロコシを生産するために必要な灌漑(かんがい:田畑に必要な水を引き、土地を潤すこと)用水は1,800リットルです。また、牛はこうした穀物を大量に消費しながら育つため、牛肉1kg を生産するには、その約20,000 倍もの水が必要です。 2005年に海外から日本に輸入されたバーチャルウォーター量は約800億㎥であり、その大半は食料に起因しています。これは、日本国内で使用される生活用水、工業用水、農業用水をあわせた年間の総取水量と同程度となっています。 農産物の輸入は、同時にそれを育てた灌漑用水をも輸入していることになり、私たちの社会は外国の土壌や水資源を使用して、生活を享受していることになります。 サトウキビなど製品によっては水不足にひんしている乾燥地帯からの輸入もあり、途上国の木材なども伐採を通じて、自覚することもなくその国の乏しい水状況や環境を悪化させているのかも知れません。 また、旺盛な農産物や木材などの輸入は、日本国内の米などの自国産の消費量の激減につながり、自国の農地や森林の衰退や荒廃にもつながり、その産業自体の衰退を引き起こし、その仕事に携わる人々の雇用や維持されていた自然環境の破壊など様々な問題を引き起こす潜在的な要因となる恐れがあります。 環境白書 環境省編平成22年版 環境・循環型社会・生物多様性白書(PDF版)P112 渡邊工務店の東濃桧に対するこだわりは、建築材としてのすばらしさだけでなく、環境・循環型・生物多様性の考え方からも大切にしたい信条です。 東濃桧の森を守るということは森林資源の活用だけでなく、川上の森が持つ保水の能力が天然のダムとして地域の治水に貢献し、岐阜県東濃地方の林業に携わる人々の雇用を守り、東海エリアの地産地消の良質な木材を供給し、バーチャルウォーター課題の解決に寄与し、東濃桧の特性を理解した大工や職人の技術の伝承を守り続けることに貢献します。 東濃桧などの森林資源の森は植樹してから100年の森に育つまで間伐の作業を要します。 間伐とは、森林の成長に応じて樹木の一部を伐採し、過密となった林内密度を調整する作業です。 間伐を行うと、光が地表に届くようになり、下層植生の発達が促進され森林の持つ多面的機能が増進します。 間伐を行わず過密なままにすると、樹木はお互いの成長を阻害し、形質不良になります。 また、残った樹木が健全に成長することにより木材の価値も高まるため、間伐は大変重要な作業となります。 良質な東濃桧が育つには十分な日光と栄養と時間が必要です。 森林の間伐作業は植樹して間もない小径木の頃から、70年くらいに至るまで継続される作業です。 森に光を入れ、東濃桧が健やかに育つために太い東濃桧も間伐していく為、間伐材も立派な東濃桧の柱として活用されます。 下の東濃桧の丸太写真は直径30㎝の30年物の間伐材です。 写真では判りにくいですが年輪の幅が5mm以下です。 私は実際にこの丸太の年輪を一つずつ数えてみましたが、およそ30の年輪を数えました。 東濃桧は冬の寒さも厳しく高地にあるので他の産地の桧より年輪の幅が狭く、意匠性や材質において高品質の桧になります。 また、東濃桧間伐材の小径木は土木工事の杭やバイオマスの材料とされます。間伐をしても無駄にするところはありません。 渡邊工務店は東濃桧を東白川製材協同組合から直接仕入れ、情報交換を行い、その品質管理は自社責任体制で行っています。 東濃桧に係る林業全般に関心を持ち、バーチャルウォーターを始めとした社会の課題解決に向き合っています。 プレカット工場から入る木材を見ているだけの会社では、判りづらいストーリーですね。 機会があれば皆さまにも東濃桧の森を体感頂ければ幸いです。 ■SDGsの取り組みについて詳しくはこちら ■渡邊工務店の家造りについて詳しくはこちら ■最寄りの展示場について詳しくはこちら ■資料請求はこちら -
2023.08.03 /
第104回:お盆と仏壇と供養
8月は夏休みやお盆に帰省するご家族や、親戚を迎え、にぎやかに過ごすご家族も多いと思います。 年に一度顔を合わせる親戚や友人とも会えて楽しみな季節です。 お盆にはご先祖様のお墓参りをしますが、一般的にはそのお寺のご本尊にお参りしご先祖さまへの供養をすると思います。 お家の仏壇には一番高い所にご本尊を祀り、その下にご先祖様の位牌を安置します。 このようなことは古くは貴族社会の習わしだったそうですが、その後庶民にも広まっていったようです。 宗派により異なるところもあると思いますが、仏壇や仏間は家の中の小さなお寺になるので住まいの聖域として特別な設えをされることが多いと思います。 渡邊工務店 施工実績「窓から四季が感じられる平屋」 現代のシンプルモダンやミニマルモダンの住宅には以下でご紹介するグッドデザイン賞を獲得したコンパクトな仏壇を選ぶことも選択肢に入ると思います。 日本人の心を大切にしながらも新しい生活様式にマッチした仏壇も良いと思います。 2017年グッドデザイン賞受賞 製品名:HK シェルフレックス はせがわとカリモク家具の共同開発 <グッドデザイン賞審査員の評価> 日本のライフスタイルが年々変化しても先祖への感謝の気持ちは変わることがないが、仏壇を置くことのできる環境は変わってきた。この製品は、居住環境の変化に対応する、コンパクトでインテリアに溶け込む美しいデザインである。先祖を敬うものに相応しい、高品質な素材を使いながら、細部のディテールにも拘り、モダンに仕上げられている。 2012年グッドデザイン賞受賞 製品名:いのりのおうち 株式会社インブルームス <グッドデザイン賞審査員の評価> 仏間はもちろん和室すらなくなっている現代の住居において、故人の御霊をどのように奉るかというのは、新たな課題である。できれば、それがインテリアの新たな魅力ポイントの一つになるとよい。この家具は、単に仏壇をミニチュア化したものではなく、新たな祈りの場のかたちを提案しようとしている。家を暗示させる形や、後ろ面が透けていることにより広がり感を感じさせるなど、新しい提案が見られる。故人が「千の風」となって宿り来たるような爽やかさを感じさせるデザインである。 仏壇に手を合わせてご先祖様に家族の近況をお知らせすることや、仏間で久しぶりに会う家族・親戚との交流はなによりの供養になると思います。 供養について調べてみました。 供養とは亡くなったご先祖に対して冥福を祈る全ての行為のことだと言われています。 仏壇に手を合わせる。読経する。お供えをする。故人との懐かしい思い出を語るなどです。 元々は神様や仏様、故人や祖先を敬い今生きている人達との交流の場を作る為、神様や仏様、故人の好きな食べ物や品物を捧げ、音楽や踊りでその場の雰囲気を演出したようです。 8月のお祭りや盆踊りもそんな背景があるのかもしれません。 地元の祭りの夜店で子供たちが賑やかに集い、大人も子供も一緒になって盆踊りを踊る風景は良い供養になっているように思います。 暑さはまだまだ続くようですが、皆様におかれましては楽しく思い出に残る夏休みを過ごされるよう祈念いたします。 ■渡邊工務店の家造りについて詳しくはこちら ■最寄りの展示場について詳しくはこちら ■資料請求はこちら -
2023.07.04 /
第103回:コーストFIREと新NISA
FIREとはFinancial Independence, Retire Earlyの頭文字をとったもので、経済的自立と早期リタイアを意味しています。 最近注目されている考え方で人生に影響の及ぼすお金の制約から早く自由になって、自分の人生を自分自身で自由に決めたいという欲求から生まれてきた考え方のようです。 大人が自由になる為の考え方の一つだと思います。 しかしながら、完全なFIREを目指すには億を超えるお金が必要になり、その為に頑張っている人たちもいますが、普段の生活を貯蓄と投資の為に捧げ人生の楽しみを犠牲にするストイックな生き方もなんだかなという気もします。 また、実際に早期リタイアした人たちの中には、仕事を通じての社会とのかかわりの大切さや生きがいを再認識して、経済的自由を確保した後も働く人も多くいるようです。 私が良いなと思うFIREは「コーストFIRE」です。 コーストとは「楽に進む」というような意味で無理なくFIREを達成し、老後のための貯蓄をこれ以上続けなくて良い状態に到達することを目的とし、従来のFIREは収入がなくても退職できる状態を指すのに対し、コーストFIREは支出を賄うための収入や現在の子育て費用や住宅ローンはまだ必要だが、老後のための貯金の心配はもう要らない状態にして老後の不安を無くし、余裕のできた収入を全振りで今を楽しむことに使うようにすることです。 具体的には将来の年金の受取金額を算定し、それに加算する費用を用意することです。 仮に、将来の年金が夫婦で月20万円、年間240万円の場合、年間プラス160万円あると年間400万円の生活資金ができて月33.3万円の生活費が確保できます。 来年から始まる新NISAへの投資で資金を作る手立てを検討します。 新NISAは2024年より登場する新制度で、今までのNISAの投資額や投資期間、投資方法を大きく緩和してより活用のしやすい仕組みになりました。 参考:金融庁ホームぺージ 新NISAとは また、65歳以上の年金生活の場合、所得の算定方法も変わるので各種税金や保険料の負担も軽くなり、もちろん年金はもらう側で支払うこともなくなります。 年間プラスの160万円の収入を別途新NISAで用意すれば、投資の利益に税金はかかりませんので、同じ400万円の年間収入でも現役の会社員の時と年金生活の老後では負担が随分軽くなると思います。 年間160万円の収入を「全世界株式」で運用して確保する方法を考えたいと思います。 参考:日本最大ファンド eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー) 全世界株式の平均利回りは、過去20年間投資した場合は「約6%」の実績です。 ただし、この実績は過去のデータなので、今後も同じ結果になるとは限りません。 840万円の元金を新NISAに投資して20年間6%で運用すると2,690万円になります。 ちなみに、新NISAでなく通常の口座で運用すると運用利益に所得税が約20%かかるのでその場合の実質運用利回りは6%×(1-0.2)≒4.8%となります。 長期投資をする場合のこの差は大きくて、新NISAの価値が理解できると思います。 参考:Keisan 複利計算(元利合計) その2,690万円を年6%で取崩すと年160万円となります。 利回りと取崩率を同じ6%にすると2,690円の元金があればその先ずっと安心ですね。 新NISAなので運用利益には所得税が課税されず取崩金は全額生活費に組み入れ出来ます。 よって、840万円を45歳までに用意することが出来れば、こちらのライフプランにおいて、その後は老後に資金の心配はいらなくなりコーストFIREが達成されたこととなります。 840万円の45才までの作り方ですが、新NISAで全世界株式ファンドを毎月1.8万円20年積み立てることができればほぼ貯めることが可能です。 参考:金融庁ホームページ 資産運用シミュレーション 25歳の若い方の事例ですが積立は早く、長期に取り組む方が有利だと思います。 上記シミュレーションを活用してご自身のケースも検討されると良いと思います。 自己資金があれば「コーストFIRE」はもっと早く実現できると思います。 将来不安の老後の心配を無くし、今を生きる暮らしを充実する為にお金を使うことに不安がなくなれば人生も楽しくなるように思います。 住宅資金にも安心して取り組むことが出来るようになりますね。 年間生活資金400万円は事例なので、皆様の状況に合わせて様々なケースをシミュレーションしていただければ幸いです。 ■渡邊工務店の家造りについて詳しくはこちら ■最寄りの展示場について詳しくはこちら ■資料請求はこちら -
2023.05.15 /
第102回:インテリアとしてのピクチャーウィンドウ
家の窓は採光の役割があり、建築基準法においても健康的な生活の為に一定の大きさで採光を取ることが定められています。 しかしながら窓は採光の役割だけでなく家の中から外を眺める機能も大切であり、窓の設えで外の景色を室内に取り込んで、暮らしを彩るインテリアのような設備にすることもできると思います。 室内から外の眺めを窓枠で額縁のように切り取って絵画のように楽しめる設えですね。 そんな風景をインテリアにできる素敵な窓がピクチャーウィンドウです。 下記の写真のピクチャーウィンドウは足立美術館の「生の額絵」で世界的に有名な日本庭園を屋内から額絵の様に眺める工夫です。 足立美術館ホームページより引用 他にもこの庭園の和室では同様な工夫で「生の掛け軸」が設えられています。 ピクチャーウィンドウは基本的にフィックス窓にすることが多いようですが、換気の為の開閉式の窓でも楽しむことができると思います。 但しこれから検討されるならサッシの桟が窓の中心にくると折角のインテリアが台無しになるのでサッシ選びは重要です。 カーテンで電線や隣家の景色、道路からの視線をなるべく隠し限定する工夫で絵画や写真のような額縁効果のある景色が切り取れインテリアになると思います。 四季の変化や天候の移り変わりと向き合い、外の眺めを活かした住まい造りに役立つ、ピクチャーウィンドウに興味を持っていただけたら幸いです。 下記写真のようなピクチャーウィンドウは玄関の雰囲気を上質にすると思います。 渡邊工務店ホームページ施工実績より玄関ホールから小さな庭を望むフィックス窓 下記の写真は窓サッシの両サイドを開閉式にしてピクチャーウィンドウにしたケース。 窓の中央のフィックス窓をシンボルツリーが眺められるピクチャーウィンドウにし、サッシ桟やクレセント錠、両サイドの開閉窓の網戸はレースのカーテンで隠しています。 両サイドの開閉窓で光と風を取り入れながらもレースのカーテンとブラインドカーテンで左右上下の外の景色を限定しています。 家造りで窓やカーテンを選ぶときの参考になれば幸いです。 ピクチャーウィンドウの設えをインテリアコーディネーターに聞いてみるのも良いかもしれません。 ■渡邊工務店の家造りについて詳しくはこちら ■最寄りの展示場について詳しくはこちら ■資料請求はこちら -
2023.04.28 /
第101回:縁側と庇とカバードポーチ他
5月になると庭やテラスといった室外や、室内と外を繋ぐ縁側に出ると気持ちがいいですね。 縁側があると気軽に日向ぼっこをしたり、庭の手入れをした後にお茶を飲んだりできます。 近所の方々と話し込んだりする社交の場にもなります。 そこに庇があれば日射も遮られて暑くもなく、ずっとのんびりしていられますね。 縁側は、古には生活様式としての建物の外周の通路や座って作業をする実用的空間でした。 高床式住居の頃から建物に実装されていた実用的なスペースで、現在でも古民家農家では深い庇の下の縁側で、農作業をしていた歴史を刻む建物を多く見ることができます。 しかしながら、神社や寺院建築の発展や、洗練されていく日本建築の進化に伴い、縁側は美意識や文化の側面を持ち始めたのかなと思います。室外(庭)と室内の境界をあいまいにする空間が外界と内界をぼかすというような空間の美意識に繋がっていったように思います。 京都のお寺巡りをするとその風情が良く理解できると思います。 渡邊工務店の施工事例や展示場の縁側を取りいれた建物など参考にして頂ければ幸いです。 下記写真は「天然木の家・快適エコライフ」大府平屋展示場の縁側です。 縁側の心情は日本だけでなく海外の建物でも同じようにあるように思います。 海外の映画に見られる郊外の家や西部劇に出てくるカバードポーチ(屋根に覆われたポーチやデッキ)です。 庭や道路に面してカバードポーチのロッキングチェアでゆったりくつろぐ姿は日本の縁側に通じるものがあると思います。 下記写真の建物は三重県の桑名市にある六華苑で、南面にカバードポーチがあります。 文明開化のシンボルである鹿鳴館を設計したジョサイア・コンドルの設計で、一般公開されていますので機会があれば是非ご覧ください。 六華苑ホームぺージより。 洋風の庇の無い家でもオーニングを取り付ければ縁側の雰囲気が味わえます。 オーニングはテント布地などの丈夫な布で日差しや雨を遮る可動式の布製の庇のようなものです。イタリアンテイストでカフェスタイルが似合いそうな雰囲気を醸し出します。 下記写真はオーニングをフェンスにかけて設置したところです。 その下の写真はオーニングを巻き戻して仕舞った後の写真で空がきれいに見えています。 紫外線を80%~90%くらいカットし雨除けにもなるので重宝します。 テーブルや椅子を出して自宅でカフェテラスの雰囲気も楽しめます。 リフォームとして後付けで施工できるので既にお住まいの方もご参考になれば幸いです。 ■天然木と暮らすリフォーム&リノベーションについて詳しくはこちら ■渡邊工務店の家造りについて詳しくはこちら ■最寄りの展示場について詳しくはこちら ■資料請求はこちら -
2023.03.27 /
第100回:大黒柱と心情
大黒柱というと家の中心で建物を支える太い柱であり、その形態から家族観としても一家を支えるお父さんのイメージが強かったのですが、働き方の在り方や子育てなどの変化によって育まれた新しい家族観により、意味合いも少し変わってきているかもしれません。 しかしながら大黒柱のような太い柱は心情的にある種の精神性を感じてしまうところもあり、日本人として大切にしたい文化だと思います。 宗教的にも古くから柱の行いはあって、伊勢神宮の心の御柱(しんのみはしら)は、伊勢神宮の正殿、床下中央部分に建てられる柱をいい、日本の神は、木や柱を依り代(よりしろ)とするため、神が依り憑く神籬 (ひもろぎ)としたという話や、諏訪大社の御柱の神事などをみても神様を祀るときに柱を建てて神様の降臨を仰ぐという形が多く見られます。 古の昔にはこのように柱を神様の依り代としていたことから、民間の間でも建物内の大黒柱などの太い柱は大切にされるようになったのではないかと思います。 ちなみに神様の数え方の単位は柱というのもこの依り代からきていると思います。 春日井展示場の大黒柱の佇まい。 一般の住宅においても大黒柱は棟持柱(むなもちばしら:棟木を支える柱)として見た目にも構造的にも太くて丈夫な現しの柱で、強さの象徴として捉えられ、また棟持柱でなくて現しの太い柱はその存在感から大黒柱の精神性を受け継ぎ日々の暮らしを健やかに彩ってくれていると思います。 規格住宅「天然木の家・ふたりVer.2」に太い柱使用(規格定価内標準仕様)。 大黒柱の呼び名の由来は諸説ありますが、七福神で有名な富貴栄達・財運金運・出世開運・商売繁盛・五穀豊穣のご利益のある大黒様である大黒天をこの棟持柱に祀ったことが由来ではないかともいわれています。 元々の大黒天は荒ぶる神様のようでしたが七福神に祀られてからは温和なイメージになられたようですね。 更にこの柱が大切にされるのは、家を訪れたお客様が最初に目に入る柱として招き入れる家人が立派な材木を使っていることもあると思います。 大黒柱は他の柱より圧倒的に太く、年月を経た建物に大切にされ念入りに磨かれて黒光りしている柱を見ると思わず見入ってしまいます。 こちらは渡邊工務店飛島村本社吹抜けロビーにある杉柱です。 高さは10mくらいあり渡邊工務店の象徴です。 当社ホームぺージ内の施工実績には大黒柱を配した数々の施工事例が掲載されています。 また、ワタナベビレッジ内の銘木館には大黒柱に使われる太い東濃桧の柱なども展示されていますのでご参考にご覧いただければ幸いです。 ■渡邊工務店の家造りについて詳しくはこちら ■最寄りの展示場について詳しくはこちら ■資料請求はこちら -
2023.02.10 /
第99回:変動金利と固定金利の考察
先日、近くのカフェへ午後のお茶に行ってきました。 苺のプレートとコーヒーをいただきながら、住宅ローンで悩んでいる方とお話をする機会がありましたのでご紹介させていただきます。 その方は既に変動金利で借入をしていて、これから住宅ローンの金利が上がりそうなのが心配で、今のうちに固定金利の住宅ローンに借り換えようかなというご質問でした。 現在の低金利は名目金利(見かけの金利)であって、デフレ下の実質金利(名目金利から物価上昇率を引いた金利)は過去に比べても高くなっており、これから金利が上がるとなると、賃金や諸々の物価上昇を伴って実質金利は下がってくると思います。よってそんなに心配はいらないのではとお話しました。 その理由について述べていきます。 かつて日本の住宅ローンは今より名目金利がずいぶん高い時代がありました。 40年くらい前は住宅金融公庫という公的融資が主流で金利が固定金利の5.5%でした。民間の金融機関の金利は7%~9%くらいでやはり固定金利が主だったように思います。 名目金利は現在よりかなり高いのですが実質金利は現在よりも低く、当時の物価高騰による金利の実質負担は現在より軽かったように思います。 その背景には日本の高成長と賃金も含めた物価上昇がありました。 住宅ローンは一度借りると借りた元本に対して、固定・変動を問わず定められた金利による利息を付けて元金と共に長期で返していきますが、物価上昇時は給料を含めた物価は複利で上がっていきます。 物価上昇により実質金利が名目金利より相対的に低くなれば、ローン借り入れの負担感は年を追うごとに軽くなっていきます。過去には毎年の賃金アップや土地の値上がりによる含み益により、購入資金を貯めて将来買うよりも、今すぐ借りて買った方が給料は毎年上がって返済が楽になるし、買った不動産は必ず価格が上昇し続けるので、「ローンの借得」とか「土地神話」という言葉を生みだす背景にもなりました。 その当時は日本の歴史の中でも人口構成の最大のボリュームを占める団塊の世代が現役バリバリの時代で、エコノミックアニマルと揶揄されるくらいよく働き、消費意欲も旺盛で物もよく売れ、狂乱物価といわれるような状況も経験しました。 住宅着工戸数も1990年には現在の2倍近い年間170万戸を超えました。 この頃は個人も企業も日本の国や行政も成長する為にお金が必要な時代だったと思います。 よってお金を借りる経費としての利息は高くても、成長と物価上昇でそれ以上のリターンがあり、生活水準も一緒に豊かになっていった日本がイケイケの時代だったと思います。 当時欧米の先進国では「ジャパンアズナンバーワン」、東南アジアの新興国は「ルックイースト」といって日本が敗戦国として何も無く、資源も持たないのにGDP(国内総生産)世界第2位まで躍進した理由を探り、そして見習おうというムードがありました。 日本の栄光の時代だったように思うのですが、その後の「失われた30年」を経験した現在の日本の状況と世界の評価は大きく異なるように思います。 下のグラフは長期にわたる世界の主要国の経済活力の推移を示す指標として参考にしている、全世界の国別株式時価総額割合の1900年から2017年までの推移です。1987年の頃の日本は一番だったのに2017年になるとかなり落ち込んで現在は更に減少しています。 ちなみに1900年のイギリス(UK)の一番は歴史を感じますが今は米国一強の時代ですね。 成熟国になった日本の経済の行方を考えると、成長国のような旺盛な資金需要は減少し、今後住宅ローンの上昇があってもかつてのような高金利は起こらないように思います。 日本ではかつて働き盛りだった団塊の世代も75歳以上の後期高齢者となり、今後は少子高齢化で人口が減少していき、成熟化した日本の経済環境下では住宅も含めて旺盛な新規投資というよりも、価値あるものを長く使うサステナブルな落ち着いた社会に変化していくように思うからです。また財政基盤も新興国に比べるとしっかりしているように思います。 最近までの日本の低成長時代の低金利は名目金利ベースであり、「失われた30年」というデフレ時代の日本の実質金利は過去に比べて高かったと考えます。この低成長下の実質金利負担を延滞することなく毎月返済をして乗り越えてきたのなら、今後も変動金利の住宅ローンで低金利のメリットを追求しても大丈夫だと思いますと申し上げました。 ちなみに住宅投資の向かう先は新築から既存住宅のリフォームに移行するようになると思います。これから新築を検討している皆さまは、サステナブルなリフォーム投資に適した高品質な住宅選びが大切になりますね。 しかしながら、今年は久しぶりに賃金のアップが大きな話題となり、ニュースなどでも物価の上昇が大きく取り上げられています。今後、かつて日本がイケイケだった頃のようになるとは思いませんが、諸外国に遅れを取ることのない持続的な経済の成長の兆しとして前向きに捉えたいと思っています。 更に変動金利のリスクをお話をいたします。 固定金利と変動金利の違いは一言でいうと将来の金利上昇のリスクを誰が取るのかということだと思います。結論から言えば固定金利は貸主である金融機関がとり、変動金利はローンの借り手である施主がとります。 それぞれのメリットを考えると、固定金利を選択すると月々の返済額が多くても、将来の不確実な金利上昇による返済額の増額の心配が無く、計画的に返していけるので安心です。 変動金利は貸主の金融機関からすれば長期にわたり金利上昇のリスクを負わないで必ず損をしない商売ができ、薄利であっても長期的な経営観点から安心なことだと思います。 よってキャンペーン金利や基準金利よりかなり低い優遇金利で貸出しをしても確実に利益が出る変動金利を、皆様には負担の少ないローンとして勧めることが多くなるのかなと思います。 これからの金利動向は日銀の金融政策によると思いますが、今までは「失われた30年」のデフレ状態を脱却する為、物価上昇率2%を目標に大胆な金融緩和が行われてきました。 その割に日本の資金需要は乏しく日本の経済は活性化しませんでした。 変動金利に連動する短期政策金利はその間マイナスに抑えており、変動金利の上昇のリスクは少ないように思います。 また固定金利に連動する長期金利も日銀が10年物国債などを大量に買い入れて金利を低く抑えていたので固定金利も低金利のままでした。 しかしながら最近は経済にも変化の兆しが見え、日銀の長期金利の政策も緩和を少し行うようになり、マイナス金利を実施している世界の中央銀行も日銀だけとなりました。 今後の物価上昇や日銀総裁の交代人事なども含め、様々な要因により日銀の政策変更も先行き不透明感があるように思いますが、変動金利・固定金利とも金利は少しずつ上昇傾向になってゆくように思います。 次に変動金利上昇リスクのセーフティネットについて考えてみたいと思います。 多くの住宅ローンの変動金利は金利上昇による返済金額の大幅な上昇により日々の生活が破綻しないように、セーフティネットとして「5年間ルール」と「125%ルール」があります。 半年ごとに変動の名の通り金利そのものは見直されますが、日々の暮らしに影響のないように金利の変動があったとしても5年間、返済金額は変わらないという制度が「5年間ルール」です。 そして6年目に返済金額を見直した時に増減分を次の5年間の返済で清算していきます。 しかしながら、金利上昇により月々の返済金額がそれまでの月々の返済金額の125%以上になった場合、月々の返済金額は125%に抑えられるという制度が「125%ルール」です。 金利上昇分の利息負担は軽減されずに先送りされ、次の5年間の返済額に上乗せされるのですが、金利上昇幅が大きいと月々の返済額がほぼ利息に充当されて元金が減らず、更に未払い利息が発生すればその分は翌期に繰越されてローン返済を毎月しているにもかかわらず、総返済金額が増えてしまうリスクが生じます。 変動金利のリスクは金利上昇により月々返済額が天井知らずの上昇になって払えなくなり、生活が破綻するリスクではなく、総返済額が増えてしまうリスクになると思います。 もし心配なら当初の返済額は多くても安心な固定金利の選択になるように思います。 返済額を軽減する対策の一つとして、返済金額の中にはローン借入額を引き当てとした団体信用生命保険の掛け金も含まれているので、現在掛けている一般の生命保険の金額や内容を吟味して既存の生命保険の支払いを減額し、住宅ローン返済の原資に充てることを検討しても良いと思います。 これからは昔のような高金利にはならないと思いますが、許容できるリスクの範囲を「見える化」して対策を打ち、変動金利のメリットをとるか、固定金利の安心をとるか検討した方が良いかもしれません。 久しぶりにじっくり住宅ローン金利の話をした為か、ホットコーヒーとスイーツが美味しく感じました。 この時いただいたプレートは地元の大山寺苺をメインに里芋のガトーショコラ、苺のクラフティ―タルト、苺のパンナコッタ、クルミのハニーグラノーラ、抹茶のシフォンケーキアイスのせでした。 ■渡邊工務店の家造りについて詳しくはこちら ■最寄りの展示場について詳しくはこちら ■資料請求はこちら -
2023.01.20 /
第98回:シックカラーの冬の花
大寒の1月20日から2月4日の立春の頃は冬の寒さを感じる時期ですね。 私が花を育てるのも2年目となり今年の冬はシックカラーの花に挑戦しています。 北欧の涼しいエリアが原産で日本の冬の寒さにも元気に咲くビオラとパンジーです。 12月に苗を植えて写真の感じになり、4月まで花を咲かせ続けて楽しませてくれます。 ビオラは小さめの花を次々と咲かせ、パンジーは大きめの花で長く咲いているようです。花の大きさが違うだけでどちらも同じスミレ科の品種です。 冬のガーデニングの定番で、大手の園芸会社や小さな園芸農家から数多くの品種が開発され、それぞれ開発にまつわるこだわりの品名を付けて発売されています。 冬の季節のビオラとパンジーは、ホームセンターの園芸コーナーや園芸店で多くの売場スペースを占めていて、眺めているだけでも楽しくなります。 こちらは“よく咲くスミレ”という品名のビオラの寄せ植えです。 上の花は“ドラキュラ”という品名、下の花は“ローブ・ドゥ・アントワネット”という品名でどちらも八重咲のパンジーです。 シックカラーの八重咲がフリルのようなパンジーは大人の華やかさを感じます。 冬の庭や玄関は季節感に影響されるのか寂しくなりがちですが、冬に咲く花で彩ると気分も上がるように思います。 私が暮らす住宅は年数を重ねて古くなり、にぎやかだった暮らしもいつしか落ち着いた営みとなって、冬になると敏感に季節を感じるようになりました。 古くなっていく時間の経過を楽しめる住空間もいいものですね。 “クオリティ・オブ・ライフ”という人生の過ごし方の一つとして、花と接する住空間に思いを馳せていただければ幸いです。 ■渡邊工務店の家造りについて詳しくはこちら ■最寄りの展示場について詳しくはこちら ■資料請求はこちら -
2022.12.23 /
第97回:感性の快適空間
感性としての快適な空間を創造するアイテムに、天然木が重用されます。 例えば高級車の内装材ですが、有名な楽器メーカーなどは伝統のピアノ製造技術で培われた木材加工や塗装技術により、振動や日照・温度環境がシビアな車の移動空間でも天然木の持つ魅力を生かしたカーパーツをつくり、車内全体をコーディネートし斬新かつ華やかな意匠の快適空間を実現しています。 ロールスロイスやベントレーなどの超高級車になると内装用の貴重な木材の在庫を抱えており、お客様の選んだ木材で家具を作るように室内の装飾を作りこんでいくそうです。 一般車にあるプラスチッキーな内装と対極にあるように思います。 車の安全性や走行性と異なる感性としての快適性の追及のひとつであると思います。 感性としての快適性は家具にも見受けられると思います。 ワタナベビレッジにある銘木館の天然木で造るテーブルや、普段お世話になっているカリモク家具の本物の家具は量販店の家具と比べると設置空間の雰囲気が異なると思います。 衣食住の中心であり、睡眠時間まで入れると最も長い時間生活し滞在している住宅においては、いくらローコスト住宅といえども基本的に生涯で一番高く買い換えのない買い物であり、買い換えが可能な車や家具以上に天然木の感性の価値に重きを置いて生活の質にこだわっても良いのかなと思います。 渡邊工務店には規格住宅の「天然木の家・ふたり」という商品があります。 規格住宅で価格にこだわった商品なので、価格的な面からプラスチッキーなローコスト住宅といっしょにされることもありますが、違います。 今回ご紹介する「天然木の家・ふたりVer.2」展示場は少しオプションも含みますがそれもコーディネートとして感性の快適空間をご覧いただき、全ての商品の天然木の感性へのこだわりのコンセプトに思いをはせて頂ければ嬉しく思います。 それでは「天然木の家・ふたりVer.2」の天然木の感性としての快適空間をご案内しましょう。 玄関を上がると、コーディネートされた天然木の下駄箱と棚が目に留まります。 リビングに入ると天井は同質の杉の無垢材で玄関の勾配がそのまま室内の天井につづいています。 その勾配天井は小屋裏スペースまでつながり、小屋裏の手すりから覗くと階下のリビングは木質感にあふれた高天井の広い空間を体感できます。 リビングに入ると奥には太い柱と現し(構造材が見える状態のまま仕上げる方法のこと。)の梁と無垢杉の天井が見えます。 正面に小屋裏スペースの木質の手すりがあり、キッチンに近付くとより雰囲気を感じます。 ちなみに無垢杉の天井は小屋裏スペースの床材です。 太い柱の奥の階段は、 先程ご紹介した写真の小屋裏スペースへの動線です。 渡邊工務店の住宅は、リーズナブルな規格住宅「天然木の家・ふたり」をはじめとしてどの商品も天然木による感性としての快適空間を志向しています。 感性としての快適性を体感していただくために、総合住宅展示場のモデルハウスだけでなくワタナベビレッジの規格住宅「天然木の家・ふたりVer.2」展示場や銘木館をご覧いただければ幸いです。 ■「天然木の家・ふたりVer.2」展示場について詳しくはこちら ■規格住宅「ふたり」シリーズについて詳しくはこちら ■ワタナベビレッジについて詳しくはこちら ■渡邊工務店の家造りについて詳しくはこちら ■最寄りの展示場について詳しくはこちら ■資料請求はこちら -
2022.12.06 /
第96回:室礼(しつらい)
12月になるとクリスマスの飾りつけをし、年末はお正月の準備をするご家庭も多いかと思います。 日本の伝統的な数寄屋の住まいには、天然の無垢の素材を使い、ほぼ無性格な部屋の特徴を背景に室礼(しつらい:飾りや調度をその場にふさわしく整えること)という方法で四季の季節感を醸し出し、お正月のような祭りごとを祝う雰囲気を作っていました。 その機能を最もよく表すのが床の間だと思います。 水屋や広縁を隣接する床の間のある和室 ⇒「天然木の家・我が家の発電所」大府展示場 何気ないように見える床の間ですが、昔からのルールに則って作られていると落ち着きがあります。 例えば落とし掛けの高さは床框(とごかまち)の前より少し下がって座って、床の間の廻り縁が隠れるくらいが程よく、床の間の飾り付けにそこはかとなく趣が出ると言われています。 落とし掛けを高くしすぎると落ち着きがなくなり和室が粗野になるように感じます。 床の間はその家の冠婚葬祭の礼の場を作り、お客様が来られた時には床の間の壁の向釘(むこうくぎ:床の間正面の壁の中央に、掛花入を掛けるために打つ折)に好みの掛花入をかけて季節の花でおもてなしもできます。 好みの掛軸をかけたり、小物を置いたりして自由にアレンジするのも面白いと思います。 それに合わせて家具や座布団なども合わせていくといい雰囲気になりますね。 天然木で建てる百年住み継ぐ家 ⇒ 渡邊工務店施工実績集より 床の間は掛け軸や花を選んだり陶磁器を置いたり、和室の机、座布団などのセッティングと共にシンプルな和室をその時々の用途や雰囲気に合った空間に変えていきます。 床の間のある和室はお客様をもてなす接遇の部屋ですが、客間にもなり家族の祝いの場やだんらんの場にもなります。 床の間の飾りと部屋の室礼で一つの部屋が様々に変化し、色々な季節や場面にその用途を対応させることができますね。 最近の家は、和室が無い家も多く、あっても床の間の無い家も見受けられますが部屋のどこかに室礼のできるスペースを作っておくと、室礼の工夫でプラン上では無駄な空間に見えますが日々の豊かな暮らしを提供してくれるように思います。 室礼のできる家は暮らしていくうえで価値のある家のように思います。 シンプルモダンの家にこそ数寄屋の心で床の間のような機能のスペースを作って季節の彩りやおもてなしの工夫をするのも良いのかなと思います。 下記はシンプルモダンの部屋ですが室礼に習って小物でクリスマスを設えてみました。 我が家では小さな子との共同作業です。 家族だけの事なので極めてフランクですがモダンな空間との対比が面白いです。 左側のマッキントッシュのハイバックチェアは座る為のものではなく、寝室の室礼としてモダンな佇まいを醸し出すために作られたといわれています。 床の間に似たところがありますね。 右は黒御影のカウンターで普段は物を置く場所というより、壁に掛けた小物の絵や布をピクチャーライトで照らして楽しんでいます。 本格和室のような佇まいには及びませんが室内を綺麗に片づけたモダンな空間に5%位を遊び心で設えると気分はクリスマスの室礼になりました。 渡邊工務店は数寄屋の心で本格和室の室礼やシンプルモダンの造作を実現できる職人の技量と素材を見る目を持っています。 大府展示場を含め渡邊工務店の各住宅展示場で室礼をご体感いただければ嬉しく思います。 ■渡邊工務店の家造りについて詳しくはこちら ■最寄りの展示場について詳しくはこちら ■資料請求はこちら