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2017.11.30 /
第6回:クリスマスナイト
12月になると街はクリスマスソングが流れ、せわしなく年の瀬を感じます。 今年のクリスマスイブは日曜日なのでファミリーやお二人で過ごすには良いですね。 よい子の皆さんはイブのプレゼントが楽しみで、一年で一番ワクワク・ドキドキの、心躍るクリスマスナイトです。 私はクリスマスソングのジャズバージョンを聴きながら、妻と二人でホットワインを頂くのを今から楽しみにしています。 リビングで寛ぐ大人のサイレントナイトになればいいなと思っています。 私の息子たちは別のところでそれぞれに楽しい時を過ごしていることでしょう。 最近は我が家にめっきり帰って来なくなり、クリスマスの夜を親子一緒に過ごしたのも随分昔になりました。 ところで、大人になるとサンタクロースも来なくなりますね。 「ママがサンタにキスをした」というクリスマスソングに秘密は隠されていました。 粋なアレンジのこちらの歌を聴くと、煙突があるお家のほうがいいのかなと思います。 渡邊工務店でお建ていただいたこちらのお家には薪ストーブがあります。 建物が純和風なので和の外観の趣を損なわないよう屋根の煙突を目立たないように工夫されているとのことです。 しかしながら、トナカイのそりに乗って空からやって来るサンタクロースにはすぐわかる事でしょう。 薪ストーブ(施工事例より)☜ココをクリック こちらの住宅は平屋造りの本格和風木造建築ですが素敵な薪ストーブが設えてあります。 ホームページで和風の佇まいとお客様の声を御覧いただければ嬉しく思います。 クリスマスナイトの出来事は、小さなお子様達にとって人生のホンの短い幼き日の思い出になります。 大切にしてあげて下さい。 それではサンタクロースが住んでいるところを紹介しましょう。 世界中にあるようですが、フィンランドのラップランドにあるサンタクロース村は有名です。 北極圏ですね。 ラップランドから愛知までは7,500キロ位で、飛行機でも13時間かかります。 トナカイのそりではかなり疲れもたまると思いますが、煙突のあるお家を見つけると、ホット和むかも知れませんね。 サンタクロースはトナカイのそりで夜空を駆ける長旅となります。 NORAD(北米航空宇宙防衛司令部)がサンタ追跡(NORAD Tracks Santa)を毎年行っています。 クリスマスイブにこちらをご覧いただくとサンタクロースが地球のどのあたりの夜空にいるのか判ります。 そしてよい子の皆様が眠りにつく頃、お家にサンタクロースの到着となるのでしょう。 皆様が心躍るクリスマスナイトを過ごされますことをお祈り申し上げます。 -
2017.11.24 /
第5回:東白川製材協同組合訪問
11月20日の月曜日に東白川製材協同組合に行ってまいりました。 今年一番の寒さの中、工場長に工場を案内していただき、また東濃桧のお話をお聞きして大変有意義なお時間を過ごさせていただきました。 渡邊工務店は天然木で建てる本物志向の家をモットーとしています。 天然木を直接買付、自社で検品し、そしてその木材の特質を見極めながら建物のどこで使用するかの番付を行い木材の適材適所を見極めます。 その木材の仕入れ現場を現地現物主義で行って来ました。 奥の建物が東白川製材協同組合の平屋の事務所です。 地場の17の製材業者、素材業者、森林組合の皆様の方々からなる組合で、東白川村の近在は勿論、下呂や中津川エリアの東濃桧を仕入れて製材されている東濃桧ど真ん中の製材協同組合です。 東白川村は人口がおよそ2400人でその70%が木材関係の仕事に従事され、村の面積の90%が森林で、その70%が戦後に造林された森、30%が天然林とお聞きしました。 かつて造林された桧が切り出しの時期を迎えるようです。 東濃桧は厳しい気候の関係で一人前の桧になるまで60年くらいの時間を要するそうで木目が細かく詰まっています。 白いところが夏の年輪で成長も早く太いです。 濃い線が冬の成長年輪で線のように細いですね。 実は同じ桧でも、四国や九州の桧は温暖な気候の為、年輪の太さが倍ぐらいになり東濃桧の半分の30年位で一人前の桧になるそうです。 ちなみに最近伐採した工場内の杉の木の年輪が、温かいエリアの桧の年輪とよく似ているので参考に見せて頂きました。 こんな感じで太いですね。 和牛なら松坂牛、マグロなら大間のマグロ、桧なら東濃桧というところでしょうか? また東濃の土壌の特性もあり、東濃桧は香りの元となるフットンチッドも豊富に含まれる為、部屋中にいい香りがします。 愛知県で桧づくりを建てるなら東濃桧ですね。 また、東濃桧品質管理規定が厳格に定められ、適合検査に合格した東濃桧にJASマーク(日本農林規格)が付与されます。 自然に育まれた農産物として扱われています。 ちなみに集成材(エンジニアリングウッド)はJIS規格で認定を受けます。 JIS規格(日本工業規格)は工業標準化法で定められ工業化製品が対象です。 よって、木を見るとか適材適所などという考え方とは遠いところにあると思います。 また製材した材木を機械乾燥するのですが、高温乾燥と中温乾燥の2パターンあるそうです。 中温乾燥は60度~70度で1週間位時間をかけてゆっくり乾燥する方法。 ほぼ天然の状態を保ちます。 高温乾燥は120度位で12時間~20時間かけて乾燥する方法です。 中温乾燥は手間がかかる分、木の性質に天然の趣を残しているので、木材にも生きている証で背割りを入れ、フットンチッドも残っているので桧のいい香りがします。 高温乾燥では少し赤身変化し、香りも無くなっていました。 木材に背割りをすることなく使用でき、ある意味で工業製品のような感じに思えます。 実際の建築現場でも中温乾燥の背割り木材は生きているので胴縁を渡して木自体が呼吸して出来る微妙な収縮に対応します。 高温乾燥材は工業製品のようなので、そのようなひずみもなく直貼りで内装工事をしても不陸や内装材の切れなどの心配はありません。 中温乾燥材は手間が掛かりますが、昔ながらの活きている桧の家として末永く住んで頂けるとお思います。 渡邊工務店の注文住宅の建物はすべて中温乾燥材を使用しています。 但し、一部規格住宅に高温乾燥の桧材を使用しています。 上の段の背割り入りの桧材が中温乾燥材で桧の香りも白い木肌も自然な感じです。 下の段の同じ桧でも赤身のある桧材が高温乾燥材です。 本当に木を知るには山に入り、山の人たちがどんな気持ちで仕事をしているかを知り、実際に現地にきて現物の木を吟味することが大切だと思いますが、最近は難しいこととなったのかなと思います。 直接仕入れている工務店では渡邊工務店が断トツの仕入れ高で、ほとんどの住宅会社ではプレカット業者が卸して、そこで加工された木材を購入されるようです。 4月には渡邊工務店のお客様を対象に、実際の植林の体験や東白川製材組合の工場見学のバスツアーも企画させていただいているので、機会があればぜひご参加ください。 徹底した木材管理はこちら 森づくりの活動はこちら -
2017.11.14 /
第4回:生の額縁で紅葉狩り+ボジョレー
紅葉狩りの季節ですね。 朝晩の冷え込みが厳しくなると、紅葉が楽しみになります。 ボジョレー・ヌーボの解禁日、11月16日の木曜日頃が見頃になるのでしょうか? 実は、生の額縁や生の掛け軸があれば、日本の四季を家の中から楽しめます。 絵画のように楽しむなら、四季の中でも紅葉の季節が一番ですね。 ボジョレーを開けて、居ながらにして紅葉狩りでもしてみたい皆様へお知らせです。 島根県にある足立美術館の日本庭園をご存知ですか? アメリカの日本庭園専門誌『ジャーナル・オブ・ジャパニーズ・ガーデニング』が、日本の900ヶ所以上の名所旧跡を対象に実施している日本庭園ランキングにおいて、2016年に第一位に選ばれました。 それ以前も14年連続で日本一に選ばれている名園です。 ちなみに2016年度ランキング第2位は京都の桂離宮でした。 その足立美術館の日本庭園の見処の一つに、生の額縁と生の掛け軸があります。 生の額縁は家の中から季節の移ろいを感じられ、よく手入れされた植栽や庭が絵画のように見えるように設えられた窓の仕掛けです。 (足立美術館の生の額縁) 生の掛け軸は、床の間の壁をくり抜いて、建物の向こう側にある白砂青松の庭が山水画の掛け軸のように見える仕掛けです。 こちらは、現地に赴き、生でご観覧いただければ嬉しく思います。 住宅の窓のプランを考えるときに参考になりますね。 実は、渡邊工務店は来年の2月25日(日曜日)オープンを目指して、総合住宅展示場ナゴヤハウジングセンター春日井会場で新展示場を建築中です。 先日、上棟が終わったところです。 天然木は迫力があって秋空に美しく映えています。 玄関の脇に生の額縁のような風情のある窓を設えたのでオープンを楽しみにして下さい。 但し、外の景色はイメージです。 ところで総合住宅展示場巡りをするときには、窓に注目してみると楽しいです。 各社のモデルハウスの良いところ、面白いところ、工夫の技を探してみてください。 例えば、遠く山々や風景が見渡せるところでは生の額縁のように窓を工夫して、室内に四季を取り込むこともできます。 壁面にフレームがかかることにより、外の風景が絵画のようなインテリアになります。 しかしながら、隣家や道路、電柱、電線が視界に入ると少し興ざめですね。 その為の工夫として、 窓を無くして視線を足元に向けるように地窓を作り、照明や枯山水で異空間設計を取り入れたり、壁や生垣で囲い込んだ坪庭で四季の小宇宙を創り、はめ殺し窓で鑑賞したり。 そうです、窓の設計は暮らしの彩りに大切だと思います。 しかし、よくある引き違いサッシ窓だと真ん中に窓枠建具(クレセントがある部位)が邪魔で、どんなに綺麗な景色でも残念ですが絵画のようなインテリアになりません。 こんな窓はいかがですか? はめ殺し窓:おっと物騒な名前ですね。 FIX窓と呼ばせていただきます。 額縁のように綺麗に風景を切り取れますが、窓が開かないので掃除に苦労しますね。 そんな時には窓の真ん中をFIXにして、サイドに開口サッシを付けた窓も有ります。 サイドにカーテンをかけると窓枠建具をオシャレに隠すこともできます。 ピクチャーウィンドゥ: お気に入りの風景を絵画のように切り取って壁面の自由な位置に取り付ける窓です。 四角い窓だけでなく丸窓や変形窓でアクセントをつけてもおもしろいですね。 例えば風になびく樹木の梢と背景の空と雲をリビングから窓越しに眺めたり、お月見専用の窓を設定される方もいらっしゃいます。 その他にも、フルオープンの折れ戸窓、海外でよく見かけるケースメント・ウィンドゥ、オーニング・ウィンドゥ、ダブルハング・ウィンドゥなど、多彩な窓があります。 これらの窓は雰囲気がありますね。 窓を使って絵画のように、インテリアとして風景を取り込む設計も楽しいです。 これからの季節は、窓から見える紅葉があるといいと思います。 四季を感じるには、植栽がポイントかもしれません。 例えばお多福南天の紅葉は、今頃の鮮やかな赤から冷え込むほどに渋いダークレッドに染まります。 これから家を建てるなら、四季を取り込む窓の工夫はいかがですか。 -
2017.11.08 /
第3回:上野天満宮晴明殿の竣工と遷座祭に想う
渡邊工務店は本格木造建築を得意にしています。 先日も名古屋千種区の受験の神様でも有名な上野天満宮の晴明殿の新築工事をさせていただき、その竣工と遷座祭が斎行されました。 この時の式典に列席された設計事務所の先生方がその匠の技と出来映えに感心されて、「渡邊工務店はこちらの棟梁や大工さんを、今回どこから集めてこられたのか?」と問われました。 実は、晴明殿は渡邊工務店の専属の棟梁や大工で規格住宅のふたりなど、請負金額の多寡にかかわらず、普段展示場やお問い合わせ頂いて、ご契約いただいた皆様の建物を担当している渡邊工務店の仲間たちです。 今回の施工のために特別に用立てた棟梁や大工ではありません。 同様に日本芸術院賞受賞の白鳥庭園「清羽亭」の施工や地域の皆様の拠り所となる神社仏閣も数多く手がけさせていただいておりますが、渡邊工務店の専属の棟梁や大工で施工を任せていただいています。 このような実績や技量を見積書に反映させて数字に置き換えることや、他社と比較することは困難で信頼の証となるブランドとして評価いただければ有難く存じます。 そして、渡邊工務店のホームページの施工実績をご覧頂くと天然木で建てたモダンな洋風住宅も数多くあるとご理解いただけると思います。 茶道や茶室に通ずる数寄屋の歴史や心を思いやると、シンプルモダンと通じるところもあり、私の好きなフランクロイドライトが落水荘を施主に説明するときに、浮世絵の北斎の作品の「木曽海道小野ノ瀑布」を見せてコンセプトの理解を求めたといわれています。 同じように渡邊工務店も110年に及ぶ業歴・実績や、社内に蓄えた本格木造建築の施工技術力で、近代的な洋風建築も出来ることを皆様にアピール出来たら嬉しく思います。