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2022.10.24 /
第95回:メタバース
秋は行楽のシーズンですが、全国旅行支援制度も始まり旅行を考えるのも楽しみですね。 私は先日の家族旅行で「どこでもドア」を見つけました。 藤子・F・不二雄の漫画ドラえもんに登場するひみつ道具のひとつで、ドアに内蔵されている宇宙地図の範囲で希望の目的地を音声や思念などでお願いして扉を開くと、その扉の先が目的地になる機能があります。 「あれっ」という感じで、この子の願う目的地は扉を開けても無かったようですが、メタバースが発達すると「どこでもドア」の世界が現実になるかもしれません。 メタバースとは、メタ「Meta(超越)」、バース「Universe(世界)」という2つの言葉を組み合わせた造語であり、オンライン上に3次元CGで構築された仮想空間です。 今までの様にユーザーそれぞれが単独で仮想現実を体験するのではなく、複数のユーザーと同時に同じ仮想空間を共有し相互にコミュニケーションを取れるのが特徴です。 現在のスマホの次の世界がメタバースで広がると言われています。 ネットワークの仮想空間なので国境を越え、非日常の世界が広がり世界中の誰とでも交流し、その仮想空間の中で土地を買ったり家を建てたりすることも出来るようになるそうです。 仮想空間も現在のゲームの世界のようなアニメ風のものから、限りなくリアリティのある世界になっていき、ハリウッド映画の「アバター」のような世界にも没入できると思います。 自分のアバターを作り、そこに集う多くの人々のアバターとあたかもそこにいるようなリアル感で、世界中の人と同時空間で同時通訳の機能を使った交流が始まれば、今いる世界の風景は変わっていくように思います。 また、テスラCEOのイーロン・マスクやアマゾンCEOのジェフ・ベゾス達のような投資家が宇宙ビジネスに多くの資金を投資していますが、地球の周りに静止衛星を数千個打ち上げて地上を撮影すると、ほぼリアルタイムの全地球画像が取得できるそうです。 一説によると将来的に25㎝位の解像度になればAI技術で個人もほぼ識別でき、行政や各種カードやポイントカードの他、スマホのアプリで収集される個人情報やSNS上の個人の情報などのビックデータと紐づければ、世界中のどこにいてもどんなところでもリアルタイムで個人の属性も特定されて見つけられ、メタバースの仮想空間の中でいつでもどこでも会うことができ、怖いけれどおもしろい「どこでもドア」ができそうです。 世界最大規模のフェイスブックやインスタグラムなどのSNSの運営元企業フェイスブックが、昨年社名をメタに変更したのもメタバースが次のフロンティア市場として成長し、これから新しい市場を先導していくことを強調する為だといわれています。 そんな時代に渡邊工務店はどんな仕事をしているのか興味があります。 例えばコロナ禍で中止となっている「植林バスツアー」を仮想空間で実施できるかもしれません。 植林の場所は岐阜県の東白川村の山中にありますが、植林を行う森林の衛星写真をAIにより3D画像でリアルに再現し、ご自宅にいる参加者の3次元アバターと衛星で捕捉した現地にいる社員や森林の管理者のアバターを実際の植林作業で同期させることにより、3次元空間のメタバースの中で下の写真のように、あたかも植林バスツアーで現地に行ったのと同じように離れて住んでいる参加者が植林の同時体験ができるかもしれません。 家造りに使用する木材も、宇宙から森林の桧が一本一本認識できますから、お客様の選んだ桧を使って自分の家を建てられる時代になるかもしれません。 また、一本一本年輪や色合いに違いがあることが天然木の良さの一つですが、唯一の材料と確かな技術で、世界に一つの注文建築を現実の世界とは別にメタバースの中に建築できる日が来るかもしれません。 メタバースの中に購入した土地に、渡邊工務店で選んだ材料や職人の技で本格数寄屋建物を建てたり、仮想空間の別荘として非現実のハワイの海辺に建てた和室の縁側から海を眺めて波の音に身を任たり、月に建ててそこから地球を眺めるのも面白いかもしれませんね。 友達のアバターを招いても楽しい時間が過ごせると思います。 ブロックチェーン技術(情報通信ネットワーク上にある端末同士を直接接続して、取引記録を暗号技術を用いて分散的に処理・記録するデータベースの一種)でNFT(代替不可能なデジタルデータ)によりデジタルコンテンツとして所有できるようになり、コピーされることもなく独自の資産として販売できるようになると思います。 メタバースについては素人なので聞きかじりの知識しかありませんが、10年前のスマホ、30年前の携帯電話と現在のスマホの高性能やコンピューター機能の進化の流れを体験してきているだけに、これからやってくるメタバースの世界は楽しみです。 しかしながらそんな未来だからこそ、均質化された工業化住宅や集成材を構造材に使った木造住宅と異なり、天然木の家はリアルな世界に残っていくように思います。 ■渡邊工務店の家造りについて詳しくはこちら ■最寄りの展示場について詳しくはこちら ■資料請求はこちら