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2023.03.27 /
第100回:大黒柱と心情
大黒柱というと家の中心で建物を支える太い柱であり、その形態から家族観としても一家を支えるお父さんのイメージが強かったのですが、働き方の在り方や子育てなどの変化によって育まれた新しい家族観により、意味合いも少し変わってきているかもしれません。 しかしながら大黒柱のような太い柱は心情的にある種の精神性を感じてしまうところもあり、日本人として大切にしたい文化だと思います。 宗教的にも古くから柱の行いはあって、伊勢神宮の心の御柱(しんのみはしら)は、伊勢神宮の正殿、床下中央部分に建てられる柱をいい、日本の神は、木や柱を依り代(よりしろ)とするため、神が依り憑く神籬 (ひもろぎ)としたという話や、諏訪大社の御柱の神事などをみても神様を祀るときに柱を建てて神様の降臨を仰ぐという形が多く見られます。 古の昔にはこのように柱を神様の依り代としていたことから、民間の間でも建物内の大黒柱などの太い柱は大切にされるようになったのではないかと思います。 ちなみに神様の数え方の単位は柱というのもこの依り代からきていると思います。 春日井展示場の大黒柱の佇まい。 一般の住宅においても大黒柱は棟持柱(むなもちばしら:棟木を支える柱)として見た目にも構造的にも太くて丈夫な現しの柱で、強さの象徴として捉えられ、また棟持柱でなくて現しの太い柱はその存在感から大黒柱の精神性を受け継ぎ日々の暮らしを健やかに彩ってくれていると思います。 規格住宅「天然木の家・ふたりVer.2」に太い柱使用(規格定価内標準仕様)。 大黒柱の呼び名の由来は諸説ありますが、七福神で有名な富貴栄達・財運金運・出世開運・商売繁盛・五穀豊穣のご利益のある大黒様である大黒天をこの棟持柱に祀ったことが由来ではないかともいわれています。 元々の大黒天は荒ぶる神様のようでしたが七福神に祀られてからは温和なイメージになられたようですね。 更にこの柱が大切にされるのは、家を訪れたお客様が最初に目に入る柱として招き入れる家人が立派な材木を使っていることもあると思います。 大黒柱は他の柱より圧倒的に太く、年月を経た建物に大切にされ念入りに磨かれて黒光りしている柱を見ると思わず見入ってしまいます。 こちらは渡邊工務店飛島村本社吹抜けロビーにある杉柱です。 高さは10mくらいあり渡邊工務店の象徴です。 当社ホームぺージ内の施工実績には大黒柱を配した数々の施工事例が掲載されています。 また、ワタナベビレッジ内の銘木館には大黒柱に使われる太い東濃桧の柱なども展示されていますのでご参考にご覧いただければ幸いです。 ■渡邊工務店の家造りについて詳しくはこちら ■最寄りの展示場について詳しくはこちら ■資料請求はこちら