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2019.09.19 /
第38回:音楽と天然木
芸術の秋になると色々なところで音楽を聴く機会が多くなりますね。 私はジャズが好きで車の移動中よく聴いています。 ところでスターバックスのようなカフェで流れている音楽は、ジャズと呼ぶより環境音楽であると、某映画の中で語られていました。 ジャズは演奏者自身の人生の本物の音(ライト・ノート)の追求をするものと言われるように、同じ曲でも演奏者それぞれが固有の音を追求しています。 その為、同じ曲でも演奏者が異なると全く違う曲のように聴こえ、同じ演奏者でもその日の気分、天気によって演奏する度に感じが異なります。 本物の家を追求する家造りにも通じるところがあるように思います。 そんなところから人生に照らしあわせて、歴史をたどってきた大人達がお酒を飲みながら一人でバーに居るという情景がジャズと似合うように思います。 バーでお酒が入ると格好を付けた感じに酔って、何かを語ってしまいますね。 たまにはハードボイルドを気取って、バーボン片手にしんみりとするのも楽しいと思います。 先日訪れた神戸のジャズのライブバーベイズンストリートでひと時を過ごし、そんな思いを致しました。 その時の演奏風景です。 音が無いのが残念です。 (ボーカル中川さつき ピアノ片岡ゆき ベース三原脩 ドラム平山惠勇の皆さん) 自宅にオーディオルームを設え、バーコーナーを造るようなオーダーをお客様から頂くことがあります。 そんな時はライブバーにいって、本物を体感してみると参考になるかもしれません。 天然木の建物は音にも優しくてプロの演奏者からも高評価を頂いています。 オーディオ環境としてのシアタールームやリビングルームにマッチすると思います。 春日井展示場のオープンライブの時に、展示場のリビングルームでクラッシックのピアノトリオ Trio Luce(トリオ・ルーチェ)の皆さんにジャズのスタンダードナンバー、You'd Be So Nice To Come Home Toを演奏していただきました。 クラッシックベースなので、いつものジャズの雰囲気と少し違っていましたが、それも良かったです。 春日井展示場紹介動画の後半に演奏して頂いていますのでご覧いただければ幸いです。 (トリオルーチェの春日井展示場リビングでの演奏会) 「天然木の家・快適エコライフ」春日井展示場について詳しくはこちら 天然木で建てる家の効果についてはこちら -
2019.09.10 /
第37回:百年住み継ぐ家
9月に入り、秋の気配を感じるといよいよ行楽の季節ですね。 皆様におかれましてはどこかお出かけの計画は決まりましたか? もし、これからご検討されるのなら、犬山市にある博物館明治村もその候補に入れていただければ嬉しく思います。 明治村の案内を読むと、「明治時代は、我が国が門戸を世界に開いて欧米の文物と制度を取り入れ、それを同化して近代日本の基盤を築いた時代で、明治建築も従って江戸時代から継承した優れた木造建築の伝統と蓄積の上に、新たに欧米の様式・技術・材料を取り入れ、石造・煉瓦造の洋風建築を導入し、産業革命の進行に伴って鉄・セメント・ガラスを用いる近代建築の素地を築いた。」そうです。 帝国ホテル中央玄関などの歴史的建造物や様々な建物の中には、100年以上たった木造住宅で、メンテナンスがしっかりされている住宅が建っていました。 外観は趣があって、新しい設備を施せば今でも快適に住めるように感じました。 少しマイナーなのかもしれませんが、私の好きな建物のベスト3を紹介いたします。 それぞれの建物にまつわるストーリーが建物をより感慨深くさせてくれます。 紹介しきれない建物は、実際に明治村を訪れて体感していただければ嬉しく思います。 ナンバー1(2階建):神戸山手西洋人住居 1887年頃(132年前) 当時神戸が横浜と並んで貿易港として発展しており、建物にも洗練されたものが求められたために西洋風のお洒落な建物が建てられたと考えられるようです。 現在の神戸は港の見えるハーバーランドのモザイク、その向かいにある海に浮かんだようなメリケンパークオリエンタルホテル近辺が多くの人達を楽しませているように思います。 神戸はスイーツやパンは美味しくて、小粋なレストラン巡りも楽しめます。 夜になると路地裏のジャズバーの灯りが港町の異国情緒を醸し出します。 こちらの建物をそばで眺めてみると100年前の昔からそんな感じなのかなと思いました。 ナンバー2(平屋):森鴎外・夏目漱石住宅 1887年(132年前) 森鴎外・夏目漱石がそれぞれ借家として住んでいた家だそうです。 この家で鴎外の「文づかひ」や漱石の「吾輩は猫である」が執筆されたそうです。 ナンバー3(3階建):東松家住宅 1901年(118年前) 名古屋の中心部堀川沿いにあった商家とのことで、三階建ての木造建築です。 江戸時代にはいかに富裕でも武家以外のものが三階建ての建物を造ることは許されず、慶応時代になって許されたとのことでした。 中に入ると当時の商家の面影が偲ばれます。 写真は、町家中庭の三階までの吹き抜けです。 これから建てられる皆様の建物も様々なストーリーを育んでいくことと思います。 ところで、弊社は今年で業歴112年となります。 渡邉工務店は今年から新しく60年長期保証システムを採り入れました。 このシステムは、「百年住み継ぐ家」となるような、長くお付き合いしていく為の信頼の証として、外部の機関と連携を取り、業歴のおよそ半分の60年を保証期間としています。 どの様な想いからこのような取り組みに至ったのかを、中日新聞にて掲載された「百年住み継ぐ家」に対する弊社社長の対談記事からご理解頂ければ幸いに存じます。 本来建物は人が暮らしていないと朽ちていきますが、明治村の建物をみると、多くの人が訪れ、メンテナンスもしっかりされているのでエイジングが利いた、良い雰囲気で建っていました。 博物館の建物なので当時のままの状態で大切に維持されていますが、これから新しく建てる天然木の建物も、大工や職人のしっかりとした技量と、定期的に新しい設備や機能を付加し、メンテナンスを欠かさなければ、暮らし易い「百年住み継ぐ家」になるのかなとも思いました。 伝統技法で建てられたしっかりとした建物であるならば、5年毎にチェックして、経過年数に合わせてリフォームをしていけば、天然木の建物だからこそ、60年経っても、佇まいと風合いに満ちた愛着のある住宅として住み継がれていくように思います。 渡邊工務店の60年長期保証システム 「百年住み継ぐ家」に対する弊社社長の対談記事