暮らしに平和を

2020.05.11 /

第49回:ウッドマイレージ

マイレージと言うと、空の旅で航空会社が自社路線の利用者に対して搭乗距離の増加に応じて様々な特典が与えられるシステムが有名です。
マイルを楽しみに飛行機に乗られる方も多いかと思います。

ところで、木材の世界にもウッドマイレージというマイルがあります。
建築材としての木材は生産・伐採地から建築地までの輸送に石油等の化石燃料を使用しているので、大気中に温室効果ガス(二酸化炭素)を排出しながら運ばれてきます。
運ばれる木材の量が多い程、運搬の距離が長い程、輸送の為の燃料の量は増大し環境に対する負荷は大きくなります。
そこで「木材輸送量×輸送距離」を「ウッドマイレージ」として環境負荷を表し、環境についての課題を検討する数値的な指標としています。
こちらのマイルは貯まらないほうが環境に優しいように思います。

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森林林業・林業学習館」のホームページより参照

日本の森林資源は国土の7割近くを占めているのに実際は多くの外国産材を輸入している為、アメリカやドイツに比べてもウッドマイレージが非常に高くなっています。
木造住宅といっても多くの量産型プレハブメーカーや地域ビルダーによっては、プレカット会社から仕入れる集成加工部材を建築現場で組み立てるだけにして大工・職人の技量にかかわらず短期間に均質化された住宅を供給できるような仕組みを作り、工業化製品の様に住宅を手掛けるようになりました。
木材プレカット会社は仕入れた大量の外国産材をその工場で集成材に成型し、その集成材を建物各部位に加工した集成製品を建築資材として住宅会社に供給しているケースが多くなりました。但し、集成材の大量生産や工業化による費用低減効果がウッドマイレージで減殺されるのは残念なことだと思います。

目を向けて頂きたいことは、ウッドマイレージの負担だけでなく昨今の国際情勢と日本の木材産業の環境が外国産材と国産材の価格差を縮小してきていることです。
そう考えると、ウッドマイレージの負担分がない国産材、それも評価の高い地域の東濃桧や長良杉の天然木で建築を検討することは価値のあることだと思います。

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しかしながら東濃桧や長良杉の東海地方の地域国産材は天然木を扱う大工・職人の技量が無いとその良さを活かすことができないので、その建築は誰でも扱える仕事ではないと思います。
そして、国産天然木の良さを活かした住宅は工業化製品の集成材で作られた住宅とは違った趣を感じて頂けると思います。

新型コロナウイルス感染症終息後の世界がどうなるのかを考えたときに、まだまだ大変な時ですが、こと環境問題においてはインドや中国で空や空気が清々しくなり、ベネチアの海がきれいになったニュースを見聞きし、ステイホームやリモートワークで家族の価値観や働き方の変化が起こるかもしれないと考えると、
地域材住宅会社としての渡邊工務店は森を守る活動に加え、技量のある大工・職人の仕事やウッドマイレージを通して世の中に貢献していけるのかなと思います。

 

一日も早い新型コロナウイルス感染症の終息を祈念いたします。


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