木と暮らす

2025.07.16 /

【世界最大の木造建築】
時代を超えて受け継がれる木の壮大な構造美

Column001:
はじめまして。私たち渡邊工務店は、木を知り、木を活かし、木とともに暮らすことを大切にしている会社です。日々「木」という素材の持つ魅力と向き合いながら、より良い空間づくりを目指しています。

このたび、コラム「木と暮らす」を始めることになりました。
自然素材としての木の魅力や、建築に関するお話、木の家での心地よい暮らし、住まいに取り入れるアイデアなどをお届けしていきます。

木には、人の心と体を癒やし、空間にあたたかさを与えてくれる不思議な力があります。
このコラムが、皆さまの暮らしに木のぬくもりを取り入れるきっかけとなれば嬉しいです。

どうぞ、末長くお付き合いください。

記念すべき第1回は、木造建築のスケールの限界を押し広げてきた「世界最大の木造建築」について、歴代の建物をピックアップしてご紹介いたします。
世界最大の木造建築は、古代から現代に至るまで多くの人々を魅了してきました。これらの建物は、その壮大なスケールと美しいデザインで知られていますが、それ以上に持続可能性や環境への配慮という点でも注目されています。木造建築には長い歴史があり、技術革新と共に進化し続けています。

木のぬくもりと構造美が融合する、壮大な世界をご堪能ください。


歴代「世界最大の木造建築」



1. 【8世紀~】東大寺 大仏殿(奈良・日本)


完成:752年(初建)、現建物は1709年再建
規模:
幅:約57.5m
奥行:約50.5m
高さ:約46.4m
特徴:
奈良の大仏(盧舎那仏)を安置。
再建により初期の3分の2の大きさになりましたが、それでも長らく世界最大の木造建築とされていました。
備考:
UNESCO世界遺産

東大寺は8世紀に建立され、その歴史的背景と文化的重要性から多くの訪問者を魅了しています。特筆すべきは、大仏殿が持つ圧倒的なスケールであり、古代日本の技術力と美意識が結集されています。



2. 【1997年完成】大館樹海ドーム(秋田・日本)


完成:1997年
規模:
直径:約178m(木造ドームとしては世界最大級のスパン)
高さ:約52m
特徴:
秋田杉2万5000本を使用
スポーツ・イベント用多目的ドーム
備考:
構造の一部に鉄骨併用だが、屋根は木造



3. 【2007年完成】アヴァディーン大学図書館・センター(ノルウェー)など

傾向:2000年代から欧州・北米でも大型の近代木造建築が増加
特徴:集成材(CLTなど)と鉄やコンクリートの複合構造



4. 【2025年完成】大屋根リング(大阪万博会場)


完成:2025年3月
規模:
面積:約61,000㎡
直径:約615m
高さ:約20m
特徴:
世界最大の木造屋根構造物としてギネス世界記録に認定
使用木材:約70%が国産杉・桧
設計:藤本壮介
歩道「スカイウォーク」(全長2,025m)付き
備考:
万博終了後は一部保存が決定

そしてついに登場するのが、2025年大阪・関西万博の象徴「大屋根リング」。このリング型の大屋根は、「世界最大級の木造建築構造」として、歴代の記録を塗り替えるスケールで、ギネス世界記録にも認定されました。全国の森林から供給された木材を用い、「日本全国から集まった木が人々をつなぐ」ことを象徴するデザインです。

世界中から集まる人々を包み込むように広がる大屋根は、環境建築・伝統技術・最先端工学の結晶といえるでしょう。

 


木造建築の未来


 

気候変動への対応が世界的な課題となる中、再生可能で低炭素な素材である「木」は、今後ますます重要な役割を担っていきます。

「大屋根リング」や「木造高層ビル」のような構造が現実となった今、木造建築は単なる「伝統建築」から「未来をつくる技術」へと進化を遂げつつあります。木造建築は、過去から現在、そして未来へとつながる建築文化の柱です。
社寺建築から巨大ドーム、高層ビル、そして大屋根リングへ──

木という素材の限界に挑む、人間の知恵と技術の軌跡を、ぜひ感じてみてください。

私たち渡邊工務店も、未来に誇れる木造建築を皆さまと共に創造していきたいと考えています。

 


👉 次回の記事では、2025年「最大の木造建築物」としてギネス世界記録に認定された、大阪万博のシンボルである大屋根リングについてご紹介します。

📩 木造建築に関するご相談・お問い合わせはこちらまでどうぞ!

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