2021.11.25 /
第83回:夜の京都の紅葉
先日京都へ行き、叡山電鉄(えいざんてつどう)沿線の紅葉を見てきました。
今回の紅葉巡りの目的は、夜の紅葉と寺院の拝観、その中でもリフレクション(反射して映り込む)写真で有名な瑠璃光院(るりこういん)に行って現地を体感し、素人でも本やWEBの紹介と同じような写真が撮れるのか、挑戦したいと思ったからです。
外の景色が部屋の写経机(しゃきょうづくえ)に反射して映り込む瑠璃光院のリフレクション写真が、こんな感じで撮れました。
現地で体感すると、想像していたより実際の写経机が小さくて驚きました。
同じ時刻の同じ部屋ですが、写真を撮る位置と角度を変えると普通の写真になります。
リフレクション写真の挑戦は割と上手くいったように思いますが、同じ条件や素材によっても微妙な差により印象が異なることを体感できたことは、仕事の出来映えにも通じるようで貴重な経験でした。
また、一般の住宅でも和室に漆塗り(うるしぬり)の机があれば、前庭の設えによっては同じようなリフレクション効果を楽しめるのかなとも思いました。
京都は紅葉と寺院建築を楽しめる場所が多くありますね。
こちらの瑠璃光院も大正末から昭和の初めにかけて、1万2千坪の敷地に延240坪に及ぶ数寄屋造りに大改築するとともに、自然を借景(しゃっけい:日本庭園の一様式)とした名庭を造営されたとのことです。
建築にあたった棟梁(とうりょう)は、京数寄屋造りの名人と称された中村外二(なかむらそとじ)、築庭は、佐野藤右衛門(さのとうえもん)によって施されたと伝えられています。
数寄屋造りの在来木造建築に興味がある方は是非訪れていただければと思います。
2階から外を眺める。
こちらの門より紅葉の時期に行われる、夜の瑠璃光院を拝観させていただきました。
夜の漆黒の中にライトアップされた紅葉は幻想的で、年月を重ねた数寄屋建築や日本庭園の中で体感すると、少し耽美(たんび:美を最高の価値と考え、美にひたりふけること)な気持ちになります。
昼の間は叡山電鉄沿線の詩仙堂(しせんどう)や鞍馬(くらま)にも足を延ばしましたが、天候にも恵まれて綺麗な紅葉を楽しむことが出来ました。
コロナ感染者数も収束に向かい、行動規制も緩和されて人流も増えてきたように思います。
今後コロナの感染状況がこのまま終息して、活気ある生活に戻れるように期待しています。