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2023.02.10 /
第99回:変動金利と固定金利の考察
先日、近くのカフェへ午後のお茶に行ってきました。 苺のプレートとコーヒーをいただきながら、住宅ローンで悩んでいる方とお話をする機会がありましたのでご紹介させていただきます。 その方は既に変動金利で借入をしていて、これから住宅ローンの金利が上がりそうなのが心配で、今のうちに固定金利の住宅ローンに借り換えようかなというご質問でした。 現在の低金利は名目金利(見かけの金利)であって、デフレ下の実質金利(名目金利から物価上昇率を引いた金利)は過去に比べても高くなっており、これから金利が上がるとなると、賃金や諸々の物価上昇を伴って実質金利は下がってくると思います。よってそんなに心配はいらないのではとお話しました。 その理由について述べていきます。 かつて日本の住宅ローンは今より名目金利がずいぶん高い時代がありました。 40年くらい前は住宅金融公庫という公的融資が主流で金利が固定金利の5.5%でした。民間の金融機関の金利は7%~9%くらいでやはり固定金利が主だったように思います。 名目金利は現在よりかなり高いのですが実質金利は現在よりも低く、当時の物価高騰による金利の実質負担は現在より軽かったように思います。 その背景には日本の高成長と賃金も含めた物価上昇がありました。 住宅ローンは一度借りると借りた元本に対して、固定・変動を問わず定められた金利による利息を付けて元金と共に長期で返していきますが、物価上昇時は給料を含めた物価は複利で上がっていきます。 物価上昇により実質金利が名目金利より相対的に低くなれば、ローン借り入れの負担感は年を追うごとに軽くなっていきます。過去には毎年の賃金アップや土地の値上がりによる含み益により、購入資金を貯めて将来買うよりも、今すぐ借りて買った方が給料は毎年上がって返済が楽になるし、買った不動産は必ず価格が上昇し続けるので、「ローンの借得」とか「土地神話」という言葉を生みだす背景にもなりました。 その当時は日本の歴史の中でも人口構成の最大のボリュームを占める団塊の世代が現役バリバリの時代で、エコノミックアニマルと揶揄されるくらいよく働き、消費意欲も旺盛で物もよく売れ、狂乱物価といわれるような状況も経験しました。 住宅着工戸数も1990年には現在の2倍近い年間170万戸を超えました。 この頃は個人も企業も日本の国や行政も成長する為にお金が必要な時代だったと思います。 よってお金を借りる経費としての利息は高くても、成長と物価上昇でそれ以上のリターンがあり、生活水準も一緒に豊かになっていった日本がイケイケの時代だったと思います。 当時欧米の先進国では「ジャパンアズナンバーワン」、東南アジアの新興国は「ルックイースト」といって日本が敗戦国として何も無く、資源も持たないのにGDP(国内総生産)世界第2位まで躍進した理由を探り、そして見習おうというムードがありました。 日本の栄光の時代だったように思うのですが、その後の「失われた30年」を経験した現在の日本の状況と世界の評価は大きく異なるように思います。 下のグラフは長期にわたる世界の主要国の経済活力の推移を示す指標として参考にしている、全世界の国別株式時価総額割合の1900年から2017年までの推移です。1987年の頃の日本は一番だったのに2017年になるとかなり落ち込んで現在は更に減少しています。 ちなみに1900年のイギリス(UK)の一番は歴史を感じますが今は米国一強の時代ですね。 成熟国になった日本の経済の行方を考えると、成長国のような旺盛な資金需要は減少し、今後住宅ローンの上昇があってもかつてのような高金利は起こらないように思います。 日本ではかつて働き盛りだった団塊の世代も75歳以上の後期高齢者となり、今後は少子高齢化で人口が減少していき、成熟化した日本の経済環境下では住宅も含めて旺盛な新規投資というよりも、価値あるものを長く使うサステナブルな落ち着いた社会に変化していくように思うからです。また財政基盤も新興国に比べるとしっかりしているように思います。 最近までの日本の低成長時代の低金利は名目金利ベースであり、「失われた30年」というデフレ時代の日本の実質金利は過去に比べて高かったと考えます。この低成長下の実質金利負担を延滞することなく毎月返済をして乗り越えてきたのなら、今後も変動金利の住宅ローンで低金利のメリットを追求しても大丈夫だと思いますと申し上げました。 ちなみに住宅投資の向かう先は新築から既存住宅のリフォームに移行するようになると思います。これから新築を検討している皆さまは、サステナブルなリフォーム投資に適した高品質な住宅選びが大切になりますね。 しかしながら、今年は久しぶりに賃金のアップが大きな話題となり、ニュースなどでも物価の上昇が大きく取り上げられています。今後、かつて日本がイケイケだった頃のようになるとは思いませんが、諸外国に遅れを取ることのない持続的な経済の成長の兆しとして前向きに捉えたいと思っています。 更に変動金利のリスクをお話をいたします。 固定金利と変動金利の違いは一言でいうと将来の金利上昇のリスクを誰が取るのかということだと思います。結論から言えば固定金利は貸主である金融機関がとり、変動金利はローンの借り手である施主がとります。 それぞれのメリットを考えると、固定金利を選択すると月々の返済額が多くても、将来の不確実な金利上昇による返済額の増額の心配が無く、計画的に返していけるので安心です。 変動金利は貸主の金融機関からすれば長期にわたり金利上昇のリスクを負わないで必ず損をしない商売ができ、薄利であっても長期的な経営観点から安心なことだと思います。 よってキャンペーン金利や基準金利よりかなり低い優遇金利で貸出しをしても確実に利益が出る変動金利を、皆様には負担の少ないローンとして勧めることが多くなるのかなと思います。 これからの金利動向は日銀の金融政策によると思いますが、今までは「失われた30年」のデフレ状態を脱却する為、物価上昇率2%を目標に大胆な金融緩和が行われてきました。 その割に日本の資金需要は乏しく日本の経済は活性化しませんでした。 変動金利に連動する短期政策金利はその間マイナスに抑えており、変動金利の上昇のリスクは少ないように思います。 また固定金利に連動する長期金利も日銀が10年物国債などを大量に買い入れて金利を低く抑えていたので固定金利も低金利のままでした。 しかしながら最近は経済にも変化の兆しが見え、日銀の長期金利の政策も緩和を少し行うようになり、マイナス金利を実施している世界の中央銀行も日銀だけとなりました。 今後の物価上昇や日銀総裁の交代人事なども含め、様々な要因により日銀の政策変更も先行き不透明感があるように思いますが、変動金利・固定金利とも金利は少しずつ上昇傾向になってゆくように思います。 次に変動金利上昇リスクのセーフティネットについて考えてみたいと思います。 多くの住宅ローンの変動金利は金利上昇による返済金額の大幅な上昇により日々の生活が破綻しないように、セーフティネットとして「5年間ルール」と「125%ルール」があります。 半年ごとに変動の名の通り金利そのものは見直されますが、日々の暮らしに影響のないように金利の変動があったとしても5年間、返済金額は変わらないという制度が「5年間ルール」です。 そして6年目に返済金額を見直した時に増減分を次の5年間の返済で清算していきます。 しかしながら、金利上昇により月々の返済金額がそれまでの月々の返済金額の125%以上になった場合、月々の返済金額は125%に抑えられるという制度が「125%ルール」です。 金利上昇分の利息負担は軽減されずに先送りされ、次の5年間の返済額に上乗せされるのですが、金利上昇幅が大きいと月々の返済額がほぼ利息に充当されて元金が減らず、更に未払い利息が発生すればその分は翌期に繰越されてローン返済を毎月しているにもかかわらず、総返済金額が増えてしまうリスクが生じます。 変動金利のリスクは金利上昇により月々返済額が天井知らずの上昇になって払えなくなり、生活が破綻するリスクではなく、総返済額が増えてしまうリスクになると思います。 もし心配なら当初の返済額は多くても安心な固定金利の選択になるように思います。 返済額を軽減する対策の一つとして、返済金額の中にはローン借入額を引き当てとした団体信用生命保険の掛け金も含まれているので、現在掛けている一般の生命保険の金額や内容を吟味して既存の生命保険の支払いを減額し、住宅ローン返済の原資に充てることを検討しても良いと思います。 これからは昔のような高金利にはならないと思いますが、許容できるリスクの範囲を「見える化」して対策を打ち、変動金利のメリットをとるか、固定金利の安心をとるか検討した方が良いかもしれません。 久しぶりにじっくり住宅ローン金利の話をした為か、ホットコーヒーとスイーツが美味しく感じました。 この時いただいたプレートは地元の大山寺苺をメインに里芋のガトーショコラ、苺のクラフティ―タルト、苺のパンナコッタ、クルミのハニーグラノーラ、抹茶のシフォンケーキアイスのせでした。 ■渡邊工務店の家造りについて詳しくはこちら ■最寄りの展示場について詳しくはこちら ■資料請求はこちら -
2023.01.20 /
第98回:シックカラーの冬の花
大寒の1月20日から2月4日の立春の頃は冬の寒さを感じる時期ですね。 私が花を育てるのも2年目となり今年の冬はシックカラーの花に挑戦しています。 北欧の涼しいエリアが原産で日本の冬の寒さにも元気に咲くビオラとパンジーです。 12月に苗を植えて写真の感じになり、4月まで花を咲かせ続けて楽しませてくれます。 ビオラは小さめの花を次々と咲かせ、パンジーは大きめの花で長く咲いているようです。花の大きさが違うだけでどちらも同じスミレ科の品種です。 冬のガーデニングの定番で、大手の園芸会社や小さな園芸農家から数多くの品種が開発され、それぞれ開発にまつわるこだわりの品名を付けて発売されています。 冬の季節のビオラとパンジーは、ホームセンターの園芸コーナーや園芸店で多くの売場スペースを占めていて、眺めているだけでも楽しくなります。 こちらは“よく咲くスミレ”という品名のビオラの寄せ植えです。 上の花は“ドラキュラ”という品名、下の花は“ローブ・ドゥ・アントワネット”という品名でどちらも八重咲のパンジーです。 シックカラーの八重咲がフリルのようなパンジーは大人の華やかさを感じます。 冬の庭や玄関は季節感に影響されるのか寂しくなりがちですが、冬に咲く花で彩ると気分も上がるように思います。 私が暮らす住宅は年数を重ねて古くなり、にぎやかだった暮らしもいつしか落ち着いた営みとなって、冬になると敏感に季節を感じるようになりました。 古くなっていく時間の経過を楽しめる住空間もいいものですね。 “クオリティ・オブ・ライフ”という人生の過ごし方の一つとして、花と接する住空間に思いを馳せていただければ幸いです。 ■渡邊工務店の家造りについて詳しくはこちら ■最寄りの展示場について詳しくはこちら ■資料請求はこちら -
2022.12.23 /
第97回:感性の快適空間
感性としての快適な空間を創造するアイテムに、天然木が重用されます。 例えば高級車の内装材ですが、有名な楽器メーカーなどは伝統のピアノ製造技術で培われた木材加工や塗装技術により、振動や日照・温度環境がシビアな車の移動空間でも天然木の持つ魅力を生かしたカーパーツをつくり、車内全体をコーディネートし斬新かつ華やかな意匠の快適空間を実現しています。 ロールスロイスやベントレーなどの超高級車になると内装用の貴重な木材の在庫を抱えており、お客様の選んだ木材で家具を作るように室内の装飾を作りこんでいくそうです。 一般車にあるプラスチッキーな内装と対極にあるように思います。 車の安全性や走行性と異なる感性としての快適性の追及のひとつであると思います。 感性としての快適性は家具にも見受けられると思います。 ワタナベビレッジにある銘木館の天然木で造るテーブルや、普段お世話になっているカリモク家具の本物の家具は量販店の家具と比べると設置空間の雰囲気が異なると思います。 衣食住の中心であり、睡眠時間まで入れると最も長い時間生活し滞在している住宅においては、いくらローコスト住宅といえども基本的に生涯で一番高く買い換えのない買い物であり、買い換えが可能な車や家具以上に天然木の感性の価値に重きを置いて生活の質にこだわっても良いのかなと思います。 渡邊工務店には規格住宅の「天然木の家・ふたり」という商品があります。 規格住宅で価格にこだわった商品なので、価格的な面からプラスチッキーなローコスト住宅といっしょにされることもありますが、違います。 今回ご紹介する「天然木の家・ふたりVer.2」展示場は少しオプションも含みますがそれもコーディネートとして感性の快適空間をご覧いただき、全ての商品の天然木の感性へのこだわりのコンセプトに思いをはせて頂ければ嬉しく思います。 それでは「天然木の家・ふたりVer.2」の天然木の感性としての快適空間をご案内しましょう。 玄関を上がると、コーディネートされた天然木の下駄箱と棚が目に留まります。 リビングに入ると天井は同質の杉の無垢材で玄関の勾配がそのまま室内の天井につづいています。 その勾配天井は小屋裏スペースまでつながり、小屋裏の手すりから覗くと階下のリビングは木質感にあふれた高天井の広い空間を体感できます。 リビングに入ると奥には太い柱と現し(構造材が見える状態のまま仕上げる方法のこと。)の梁と無垢杉の天井が見えます。 正面に小屋裏スペースの木質の手すりがあり、キッチンに近付くとより雰囲気を感じます。 ちなみに無垢杉の天井は小屋裏スペースの床材です。 太い柱の奥の階段は、 先程ご紹介した写真の小屋裏スペースへの動線です。 渡邊工務店の住宅は、リーズナブルな規格住宅「天然木の家・ふたり」をはじめとしてどの商品も天然木による感性としての快適空間を志向しています。 感性としての快適性を体感していただくために、総合住宅展示場のモデルハウスだけでなくワタナベビレッジの規格住宅「天然木の家・ふたりVer.2」展示場や銘木館をご覧いただければ幸いです。 ■「天然木の家・ふたりVer.2」展示場について詳しくはこちら ■規格住宅「ふたり」シリーズについて詳しくはこちら ■ワタナベビレッジについて詳しくはこちら ■渡邊工務店の家造りについて詳しくはこちら ■最寄りの展示場について詳しくはこちら ■資料請求はこちら -
2022.12.06 /
第96回:室礼(しつらい)
12月になるとクリスマスの飾りつけをし、年末はお正月の準備をするご家庭も多いかと思います。 日本の伝統的な数寄屋の住まいには、天然の無垢の素材を使い、ほぼ無性格な部屋の特徴を背景に室礼(しつらい:飾りや調度をその場にふさわしく整えること)という方法で四季の季節感を醸し出し、お正月のような祭りごとを祝う雰囲気を作っていました。 その機能を最もよく表すのが床の間だと思います。 水屋や広縁を隣接する床の間のある和室 ⇒「天然木の家・我が家の発電所」大府展示場 何気ないように見える床の間ですが、昔からのルールに則って作られていると落ち着きがあります。 例えば落とし掛けの高さは床框(とごかまち)の前より少し下がって座って、床の間の廻り縁が隠れるくらいが程よく、床の間の飾り付けにそこはかとなく趣が出ると言われています。 落とし掛けを高くしすぎると落ち着きがなくなり和室が粗野になるように感じます。 床の間はその家の冠婚葬祭の礼の場を作り、お客様が来られた時には床の間の壁の向釘(むこうくぎ:床の間正面の壁の中央に、掛花入を掛けるために打つ折)に好みの掛花入をかけて季節の花でおもてなしもできます。 好みの掛軸をかけたり、小物を置いたりして自由にアレンジするのも面白いと思います。 それに合わせて家具や座布団なども合わせていくといい雰囲気になりますね。 天然木で建てる百年住み継ぐ家 ⇒ 渡邊工務店施工実績集より 床の間は掛け軸や花を選んだり陶磁器を置いたり、和室の机、座布団などのセッティングと共にシンプルな和室をその時々の用途や雰囲気に合った空間に変えていきます。 床の間のある和室はお客様をもてなす接遇の部屋ですが、客間にもなり家族の祝いの場やだんらんの場にもなります。 床の間の飾りと部屋の室礼で一つの部屋が様々に変化し、色々な季節や場面にその用途を対応させることができますね。 最近の家は、和室が無い家も多く、あっても床の間の無い家も見受けられますが部屋のどこかに室礼のできるスペースを作っておくと、室礼の工夫でプラン上では無駄な空間に見えますが日々の豊かな暮らしを提供してくれるように思います。 室礼のできる家は暮らしていくうえで価値のある家のように思います。 シンプルモダンの家にこそ数寄屋の心で床の間のような機能のスペースを作って季節の彩りやおもてなしの工夫をするのも良いのかなと思います。 下記はシンプルモダンの部屋ですが室礼に習って小物でクリスマスを設えてみました。 我が家では小さな子との共同作業です。 家族だけの事なので極めてフランクですがモダンな空間との対比が面白いです。 左側のマッキントッシュのハイバックチェアは座る為のものではなく、寝室の室礼としてモダンな佇まいを醸し出すために作られたといわれています。 床の間に似たところがありますね。 右は黒御影のカウンターで普段は物を置く場所というより、壁に掛けた小物の絵や布をピクチャーライトで照らして楽しんでいます。 本格和室のような佇まいには及びませんが室内を綺麗に片づけたモダンな空間に5%位を遊び心で設えると気分はクリスマスの室礼になりました。 渡邊工務店は数寄屋の心で本格和室の室礼やシンプルモダンの造作を実現できる職人の技量と素材を見る目を持っています。 大府展示場を含め渡邊工務店の各住宅展示場で室礼をご体感いただければ嬉しく思います。 ■渡邊工務店の家造りについて詳しくはこちら ■最寄りの展示場について詳しくはこちら ■資料請求はこちら -
2022.10.24 /
第95回:メタバース
秋は行楽のシーズンですが、全国旅行支援制度も始まり旅行を考えるのも楽しみですね。 私は先日の家族旅行で「どこでもドア」を見つけました。 藤子・F・不二雄の漫画ドラえもんに登場するひみつ道具のひとつで、ドアに内蔵されている宇宙地図の範囲で希望の目的地を音声や思念などでお願いして扉を開くと、その扉の先が目的地になる機能があります。 「あれっ」という感じで、この子の願う目的地は扉を開けても無かったようですが、メタバースが発達すると「どこでもドア」の世界が現実になるかもしれません。 メタバースとは、メタ「Meta(超越)」、バース「Universe(世界)」という2つの言葉を組み合わせた造語であり、オンライン上に3次元CGで構築された仮想空間です。 今までの様にユーザーそれぞれが単独で仮想現実を体験するのではなく、複数のユーザーと同時に同じ仮想空間を共有し相互にコミュニケーションを取れるのが特徴です。 現在のスマホの次の世界がメタバースで広がると言われています。 ネットワークの仮想空間なので国境を越え、非日常の世界が広がり世界中の誰とでも交流し、その仮想空間の中で土地を買ったり家を建てたりすることも出来るようになるそうです。 仮想空間も現在のゲームの世界のようなアニメ風のものから、限りなくリアリティのある世界になっていき、ハリウッド映画の「アバター」のような世界にも没入できると思います。 自分のアバターを作り、そこに集う多くの人々のアバターとあたかもそこにいるようなリアル感で、世界中の人と同時空間で同時通訳の機能を使った交流が始まれば、今いる世界の風景は変わっていくように思います。 また、テスラCEOのイーロン・マスクやアマゾンCEOのジェフ・ベゾス達のような投資家が宇宙ビジネスに多くの資金を投資していますが、地球の周りに静止衛星を数千個打ち上げて地上を撮影すると、ほぼリアルタイムの全地球画像が取得できるそうです。 一説によると将来的に25㎝位の解像度になればAI技術で個人もほぼ識別でき、行政や各種カードやポイントカードの他、スマホのアプリで収集される個人情報やSNS上の個人の情報などのビックデータと紐づければ、世界中のどこにいてもどんなところでもリアルタイムで個人の属性も特定されて見つけられ、メタバースの仮想空間の中でいつでもどこでも会うことができ、怖いけれどおもしろい「どこでもドア」ができそうです。 世界最大規模のフェイスブックやインスタグラムなどのSNSの運営元企業フェイスブックが、昨年社名をメタに変更したのもメタバースが次のフロンティア市場として成長し、これから新しい市場を先導していくことを強調する為だといわれています。 そんな時代に渡邊工務店はどんな仕事をしているのか興味があります。 例えばコロナ禍で中止となっている「植林バスツアー」を仮想空間で実施できるかもしれません。 植林の場所は岐阜県の東白川村の山中にありますが、植林を行う森林の衛星写真をAIにより3D画像でリアルに再現し、ご自宅にいる参加者の3次元アバターと衛星で捕捉した現地にいる社員や森林の管理者のアバターを実際の植林作業で同期させることにより、3次元空間のメタバースの中で下の写真のように、あたかも植林バスツアーで現地に行ったのと同じように離れて住んでいる参加者が植林の同時体験ができるかもしれません。 家造りに使用する木材も、宇宙から森林の桧が一本一本認識できますから、お客様の選んだ桧を使って自分の家を建てられる時代になるかもしれません。 また、一本一本年輪や色合いに違いがあることが天然木の良さの一つですが、唯一の材料と確かな技術で、世界に一つの注文建築を現実の世界とは別にメタバースの中に建築できる日が来るかもしれません。 メタバースの中に購入した土地に、渡邊工務店で選んだ材料や職人の技で本格数寄屋建物を建てたり、仮想空間の別荘として非現実のハワイの海辺に建てた和室の縁側から海を眺めて波の音に身を任たり、月に建ててそこから地球を眺めるのも面白いかもしれませんね。 友達のアバターを招いても楽しい時間が過ごせると思います。 ブロックチェーン技術(情報通信ネットワーク上にある端末同士を直接接続して、取引記録を暗号技術を用いて分散的に処理・記録するデータベースの一種)でNFT(代替不可能なデジタルデータ)によりデジタルコンテンツとして所有できるようになり、コピーされることもなく独自の資産として販売できるようになると思います。 メタバースについては素人なので聞きかじりの知識しかありませんが、10年前のスマホ、30年前の携帯電話と現在のスマホの高性能やコンピューター機能の進化の流れを体験してきているだけに、これからやってくるメタバースの世界は楽しみです。 しかしながらそんな未来だからこそ、均質化された工業化住宅や集成材を構造材に使った木造住宅と異なり、天然木の家はリアルな世界に残っていくように思います。 ■渡邊工務店の家造りについて詳しくはこちら ■最寄りの展示場について詳しくはこちら ■資料請求はこちら -
2022.09.30 /
第94回:夢かなう
秋の気配を感じるようになるとバラの季節になりますね。 華やかな春のバラと異なりますが、気温の関係なのか香りや色合いが鮮やかで、一輪一輪の艶やかさを感じます。 先日キッチンカウンターにバラを飾りました。手前のブルーのバラの青はフェイクです。 後ろに見えるホワイトのバラをブルーの色素の花瓶に一晩挿しておくと、バラの茎の道管が吸い上げてバラの花弁をブルーに染め上げます。 青いバラは現実には存在しなくて花言葉は「不可能」でしたが、ある企業の努力で青いバラが完成し、花言葉は「夢かなう」となりました。 但し、その青はアンティークカラーのようでコバルトブルーの鮮やかさではありません。 皆さまの夢をかなえたいと思ったときに、青いバラを飾ってみてはいかがですか。 渡邊工務店はお客様の持ち家の夢をかなえるお手伝いを担っていると思っています。 ところで日本人の持ち家の夢は注文建築がメインブランドで、規格住宅や建売住宅、ましてや中古住宅はセカンドブランドの様に扱われています。 中古住宅の資産価値は新築に比べて極端に低く20年も経つと半分以下になります。 このことは、日本では常識ですが世界では非常識であることをご存じですか。 少し古いデータですがその傾向は今も同様で、住宅投資と住宅流通の中身が日本と随分異なるからです。 国力の大きいアメリカは新築住宅も多く見られますが、ほとんどが建売住宅でその間取りも規格住宅の組み合わせです。 世帯当たりの住宅購入負担は注文住宅に比較して低くなるように思います。 しかし、アメリカの一般的な分譲地は美しくて住みやすいように思いますね。 スーモジャナールより引用 日本のローコスト住宅のたたずまいとは異なるように思います。 建売の規格住宅だからこそ、ファサードのデザイン(建物の正面のデザイン)を大切にしているように思います。 欧米の常識はフロンティア精神(開拓者精神)に富み、生涯に何回も引っ越しをして人生を切り拓いていく国民性で育まれ、日本の様に農耕民族として土着志向が強く結果的に持ち家を終の棲家と考える価値観は違いがあり、複数回の転居を前提としているので住宅を大切な資産として守り、居住している建物に更に付加価値を付けて市場の商品として将来高く転売する意識があるように思います。 結果的に、住んでいる家族も毎日快適な暮らしを過ごせることになると思います。 毎年の投資額は低くてもインテリアはアップグレードされ、建物の日常の維持管理やエクステリア、ガーデニングも美しく保たれ、中古住宅の価格が新築時を上回ることは当たり前で住宅の平均寿命も結果的に長くなります。 アメリカの地域住民は分譲地の維持管理意識が高く、分譲地の芝生が綺麗に整えられ、庭木が剪定(せんてい:樹木の枝を切り形を整えたり風通しを良くすること)されて、美しい理由は公徳心(社会の一員としての自覚に基づき、公共のマナーや利益を守ろうとする心)が高いからだけではありません。 管理されていない家があれば、その事実が地域全体の不動産価値を低下させることになり自分の不動産の資産価値を毀損(きそん:利益・体面などをそこなうこと)するからともいわれ、芝を刈らないでほったらかしていると訴訟になることすらあるようです。 渡邊工務店では規格住宅、天然木の家「ふたり」シリーズを販売しています。 こちらの天然木の家「ふたり」はグローバルスタンダードの家と考えています。 天然木の家「ふたり」は、多くの住宅メーカーが注文住宅のセカンドブランドとして一部間取や仕様変更等をできるようにし、注文住宅のワンランク下の価格戦略を中心に販売している住宅とは異なります。 天然木をふんだんに使い、渡邊工務店の職人の技術で建てる高品質な住宅です。 普段の暮らしに天然木の安らぎを感じながらも、インテリアや暮らしの工夫に自分らしさを出して毎日を楽しんでいただけると思います。 欧米の様に価格戦略を追求する為には材料や間取りを規格化しなければなりません、 規格化の基準が本物志向なのか、注文住宅をメインブランドとしたセカンドブランド的な低価格狙いなのかで住宅の質に大きな違いが生まれると思います。 注文住宅のセカンドブランドで持ち家の夢をかなえても少し寂しいようにも思います。 天然木の家「ふたり」は若い世代からシニアまでの時間軸を考えてプランを作りこんだ住宅なので、住宅初期投資と様々なライフサイクルコストを考えると注文住宅以上の暮らしの付加価値を、最適なバランスで生涯を通して得ることができると考えています。 規格住宅と注文住宅では住まいの文化が異なるのだから、間取りの変更や仕様の変更を認めるような注文住宅に寄った甘い企画住宅的要素は、後々せっかく建てた住宅の価値を下げることになるように思います。 最初の見た目の価格が安いからと言って、当初の規格の意図を減殺して小さな変更で注文住宅の様に造るなら、最初から注文住宅で造る方が価格的にも使いやすさもベターだと考えます。 規格住宅「ふたり」がグローバルスタンダードの世界の家として、皆さまに価値を認められ、日本でも欧米と同じように資産価値が増していく世界基準の家として認められていくようになれば嬉しく思います。 住宅取得の選択肢として規格住宅をご検討いただければと思います。 当社ワタナベビレッジに規格住宅、天然木の家「ふたり」のモデルハウスが展示されていますので機会があれば是非内覧していただければ有難く存じます。 ■「天然木の家・ふたりVer.2」展示場について詳しくはこちら ■渡邊工務店の家造りについて詳しくはこちら ■最寄りの展示場について詳しくはこちら ■資料請求はこちら -
2022.09.08 /
第93回:住まいは巣まい
ひと夏の出来事ですが、野鳥のヒヨドリが我が家の庭のハナミズキに巣をつくり、四羽のひな鳥と子育てを終えた親鳥が巣立っていきました。 一度だけ驚かさないようにして、ヒヨドリの巣の写真を撮らせて貰いました。 巣作りの施工力は驚くほど丁寧で、半円状の巣の中にひな鳥が大人しくしていました。 外敵に気づかれず身を守る為なのか、ひな鳥の鳴き声を聴いたことはありませんでした。 綺麗な巣ですが子育てが終わると使うことも無く、翌年の再利用もされないようです。 勿体ないですね。 ヒヨドリがオスとメスのつがいで巣作りをするのは子育ての為です。 ネコやヘビやカラスなどの外敵に見つからないよう2.5m位の高さの木陰にお椀型に巣を作りましたが、その理由は卵やひな鳥の安全を全方位から守るためらしいです。 ところで住まいという言葉は、古くは鳥の巣に由来があるそうです。 古い時代には人間も夫婦で住まいをつくるのは、育児や子育ての為だったと思います。 住まいは巣まいですね。 リスクの高い出産や育児の時に外敵から家族を守るシェルターとしての役割は、ヒヨドリの巣と同じように人の住まいにも必要だったのかなと思います。 昔に比べて人は長生きになり、社会の変化や世帯の意味合いも多様化し、子育て以外にも様々な価値観が家造りに付与されるようになってきました。 ヒヨドリはひと夏の出来事として巣立ちますが、人は社会で生き抜くために長い時間をかけて幼少期から青年期を学びの為に過ごすので、暮らしの本拠となる住まいの環境がその後の人生に大きく影響を与えていくように思います。 立派に振舞う人達やリーダーシップを発揮する人達も、赤ん坊や子どもの時には両親に守られて育ってきた住まいでの暮らしがあったと思います。 幼少期から青年期に家族や人を想う心、そして世界を考える心を育むような住まいで暮らしていれば、大人になってからきっと貴重な経験として人生の財産になるように思います。 時が経過し家具や家屋が古くなった時に、安価で簡単に作られたものは長く使い続けることも修復して直すこともなかなか出来ないように思います。 ただ古いだけではアンティークとしての価値も、心の想いとして記憶に残すことも難しいように思います。 ヒヨドリは何千年の歴史の中で巣作りの技術を遺伝子に伝えてきたと思いますが、人の住まいも確かな材料と、それを活かす技術、そしてその伝承が大切なことと思います。 渡邊工務店の確かな技量と経験で建てられた天然木の家で、家族の歴史を肌で感じ、住まいの空間に心を宿すような愛着が芽生えることによって、成長期に形成される情操(じょそう:美しいものやすぐれたものに触れることで素直に感動することのできる豊かな心。また、その心の働き。)や世界観に少しでも寄与できたなら嬉しく思います。 ■渡邊工務店の家造りについて詳しくはこちら ■最寄りの展示場について詳しくはこちら ■資料請求はこちら -
2022.07.29 /
第92回:オクラの花
菜園で育てている赤オクラの花が咲きました。 赤オクラの栽培は初めての挑戦ですが、こんなに花が可憐(かれん)だとは意外に感じました。 スーパーの野菜売り場で見慣れている青いオクラでなく赤オクラを育てようと思ったのは、オクラは色に関係なく栄養価が高い野菜ですが、赤オクラの赤い色素に含まれるアントシアニンが抗酸化作用をもち、免疫力を高め、眼精疲労の回復として期待できるため、シニア世代はもちろんスマホを離せない世代にも魅力的な食材だと思ったからです。 但し、アントシアニンは熱に弱く、加熱すると独特の赤色も消えてなくなるので料理のレシピには工夫が必要です。 一例をご紹介すると赤オクラの莢(さや)をそのままディップで食べるレシピや、赤オクラをスライスし、コンパニオンプランツ(:育てたい野菜や花のそばに植えることで、良い影響をもたらす植物)として一緒に育てているバジルと和えて、レモン・ツナ・黒コショウ・オリーブオイルで調理したスパゲティはワインによく合う料理でした。 しばらくは、我が家の食卓は赤オクラ三昧の料理があふれることになりそうです。 こちらの赤オクラの菜園は私と同じ世代の男女のグループで育てています。 いろいろなご縁があって性別や職業や環境の違う人々が集まると、仕事をしていた時のビジネスを通じて得た交流とは違う楽しさがあります。 人生百年時代を考えると、人は生まれて20年位は成長や学びの時期で、見守る親と共に大変なりにも楽しい時間を過ごします。 20才を越えて大人になって仕事に就き、伴侶に巡り合い、子育てを経験して40年位過ごして60代となります。 リタイアしてしばらくは夫婦ふたりの暮らしを送り、いずれ1人になる40年間を過ごすことになるケースが多いのかなと、私自身を振り返ると思います。 このように考えると定年退職した後の人生は、人生のマラソンの折り返し地点を曲がったばかりで、ゴールはまだあと半分の先の方にあるように思います。 もしそんな人生をマラソンの様にリアルに思い描くなら、ゴールまでのプランを若い時代の走り始めたころから考えてみることも如何でしょうか。 ゴールまでのイメージがあればそれまでの苦しい事や悲しいことも乗り越える力となり、楽しい事や嬉しいことは思い出として先々に楽しむことができるようになると思います。 マラソンランナーも入賞者はゴールまでのプランを描いて完走されているようです。 各ライフステージの思い描く具体的なイベントは、様々な生活シーンにあると思います。 今回の菜園や以前ご紹介したガーデニング、日々の料理やそれを楽しむ仲間達や家族と一緒の生活シーンは楽しいものだと思います。 旅行や外食の様にお金は使いませんが、我が家を中心に生活時間を使い、若い夫婦でもシニア世代でも誰かを頼りにお金を払って時間消費をすることから解放され、自分たちで何かに取り組んで自由時間の自給自足を行うことが実現します。 そんなにお金が無くても人生のゴールまで楽しく充実した人生を送るプランニングのポイントが、自由時間の自給自足ができる家かもしれません。 そんなライフスタイルに共感頂ける皆さまには、渡邊工務店のモットーである「天然木で建てる百年住み継ぐ家」のような日々の暮らしを通して我が家への愛着が増し、早く帰りたくなる家、休日は家族や仲間たちと楽しく暮らす家がお役に立てるように思います。 ■渡邊工務店の家造りについて詳しくはこちら ■最寄りの展示場について詳しくはこちら ■資料請求はこちら -
2022.07.07 /
第91回:センテナリアン
玄関に夏の花のカリブラコワが咲いています。 カリブラコア カメレオン ダブルピンクイエローという品種で、咲き初めの蕾はイエローですが、花が開くに従い花びらがグラデーションのようにピンクに変化していきます。 少し離れて眺めると、一品種ですが様々な花の寄せ植えの様に華やかな感じになります。 今回はセンテナリアンのお話をさせていただきます。未来のセンテナリアンになっていく、若い人達にとっても大切な話題だと思います。 センテナリアンとは、百歳以上の長寿者を指す言葉で「一世紀以上を生き抜いた」という意味があります。 老人福祉法が制定された1963年は日本の百歳以上は153人でしたが2020年には80,450人となり、およそ30年後の2050年には50万人を超えるといわれています。 現在70歳前後のシニアの方々は、30年後に多くの方が50万人のセンテナリアンの仲間入りとなり、現在30歳前後の世代では将来もっと多くのセンテナリアンが誕生しそうです。 渡邊工務店のホームページに掲載している「お客様の声」の中に、幼子のスナップ写真を拝見させていただくことがありますが、渡邊工務店のモットーである「天然木で建てる百年住み継ぐ家」は、そのお子様にとって「百年住み続ける家」になりますね。 ご参考:お客様の声より リンク先:兵庫県健康財団 リンク先:日経電子版 日本の総人口は減少傾向ですがセンテナリアンは増えていきます。 センテナリアンに対する啓発(けいはつ:人を教え導き高い知性や理解を与えること、一般の人が気づかないような点について専門の観点から教えること)活動が盛んに行われるようになってきたことが背景にあると思います。 <センテナリアンの3つのリスク対策とは> 1、健康的に日常生活を過ごす為のフレイル対策 フレイルとは、健常から要介護へ移行する中間の段階と言われ「加齢により心身が老い衰えた状態」のことで、早く対策を行えば元の健常な状態に戻る可能性がありますが、放置すると生活の質を落とすだけでなく、さまざまな合併症も引き起こす危険があります。 できるだけ長い期間、健康で生活の質を落とさず快適に暮らすための予防効果として、軽度のストレッチや運動を継続的に行うことを生活習慣に取り入れるといいですね。 2、認知症対策 認知症は様々な要因がありますが、加齢による認知症は誰も避けて通れない問題です。 高齢になれば認知症になるという前提で、住宅のバリアフリー化や介護設備、介護制度、施設の活用をすることも考慮に入れ、認知症対応の将来に備え、本人も家族も平穏な時を過ごすために、健常の時より家族とあらかじめお話をすることが大切なことだと思います。 3、百歳までの暮らしを支える金融資産の長寿リスク対策 金融資産の長寿リスクとは、長生きすることによって、定年後の生活費や医療費、介護費用などの負担により、老後生活に備えた資金が足りなくなり生活が経済的に困窮する事態になることです。 百歳は祝うべきことですが、経済的な側面において長生きすることにより、老後資産が足らなくなる「長寿リスク」も考えておく必要があります。 対策:例えば積立ニーサで長期の資産形成のシミュレーションをしてみましょう。 ご参考:ニーサとは:(金融庁NISA特設ウェブサイトより) 夫婦二人で40歳からの長期投資において、株価低迷で価格が低いときには購入量(口数)が多くなるドルコスト平均法により20年間60歳まで、二人の口座で月々積立48,658円を行うと、12ヵ月×20年≒1,168万円の積立総額となりますが、分散投資リスク対応の高い、全世界の経済成長と連動する全世界株式のインデックスファンドで積立投資をしてみます。 全世界株式平均利回りの過去20~30年の平均利回りは6~7%位ですが、今回は平均利回り5%で投資結果を計算してみました。そうすると20年後の60歳の時に総資産額は2,000万円となります。 ご参考:積立投資 シミュレーション (金融庁) また30歳から30年間、同様の投資商品を利回り5%で月々積立24,031円の積立を続けると、60才の時の総資産額は2,000万円になり、月々の積立負担は先程の一人分位です。 若い人達の資産形成のポイントは、少額でも時間を味方に早めの積立が良いと思います。 複利の長期投資の場合、長期にわたる投資資産の増え方は「雪だるま」に例えられます。 過去30年の世界経済は長期では成長していますが、景気低迷による株安や為替変動も経験し、資産形成は長期期間の積立継続と分散投資によるリスク対策が肝心だと思います。 そして高齢期の課題は、投資で築いた2,000万円の資産の長期に渡る取崩し方です。例えば60歳から年の利回りと同率の5%で2,000万円の資産を取崩すと毎年100万円になりますが、年の利回り率と取崩し率が同率なので百歳になっても資産は減ることなく2000万円の資産を守りながら、年100万円の収益の自己年金が得られることとなります。 但し、投資の未来は不確実なので自己責任と言われていることもお知りおきください。 また、株式投資一辺倒にならないよう預金や保険などのポートフォリオ(各種金融資産の組み合わせ)を預金は今必要なお金、投資は将来必要なお金、保険は万が一に必要なお金として見直して、現在から老後の資産形成のリスクを考えることが重要です。あとは夫婦二人でライフステージに合わせた働き方を計画し、収入を増やすことも考え家族の将来の具体的な老後の収支計画と管理方針を立ててみるのも良いと思います。 こうしてみるとセンテナリアンのリスクは住宅の寿命と似たところがあると思います。 フレイル(高齢者が健常な状態から要介護状態になるまでの中間の段階)のようなことを起こさない為、厳選された素材、卓越した技術で家を造り、60年長期保証システムをベースにメンテナンスに万全を図り、設備機器の改修や外壁等の修繕の為の積立金の準備を怠らないようにすることなどです。 なにより渡邊工務店はスーパーセンテナリアン(百十歳以上の長寿)の歴史のある会社なので、皆さまの家守としてずっとこれからも支えて続けていくことへの安心感も大切な事柄だと思います。 上記の図は2015年総務省の国勢調査によります。 リンク先:公益財団法人長寿科学振興財団(あいち健康の森健康科学総合センター内) ■渡邊工務店の家造りについて詳しくはこちら ■最寄りの展示場について詳しくはこちら ■資料請求はこちら -
2022.06.13 /
第90回:アップサイクル
SDGsの達成やカーボンニュートラル(温室効果ガスの排出量と吸収量を均衡にさせること)の実現に向けた取り組みは企業にとっても今や当たり前で、渡邊工務店も様々な取り組みを行っています。 そのような取り組みの中にアップサイクルがあります。 アップサイクルとは、使われなくなったモノに新しい価値を与えることで、元より価値の高いモノへと生まれ変わらせる取り組みのことです。 ちなみに、古着やタオルを掃除用の雑巾にする場合は、価値が低くなるためアップサイクルに対してダウンサイクルと呼ばれます。 再利用という点ではリサイクルと同じように見えますが、アップサイクルは製品がもたらす「価値」に着目し”新たな価値を生み出すこと”を最大の目的としています。 例えば、以前このコラムでも紹介した古民家をリノベーションして宿泊施設やカフェに再生したケースがアップサイクルになると思います。 “第78回:丹波篠山市福住を訪ねて” 古民家→宿泊施設 福住宿場町ホテル(ホームページよりホテル玄関前と街並み) “第51回:古民家カフェの杉柱” 古民家→カフェ RAWZEN FARMS CAFE(インスタグラムより杉柱の店内) 築120年の古民家を再利用し、現在神戸で大人気のカフェです。 アップサイクルは、廃棄を前提としないサステナブル(持続可能)な経済モデルを実現するアクションであり、アップサイクルで生み出される付加価値によって環境負荷の削減をすることはSDGsに繋がる重要な活動だと思います。 アップサイクルのポイントは、新たな価値を生むためにアイデアやデザインの力が大きく働いていることだと思います。 渡邊工務店はモダンデザインにも通じる数寄屋の心や、他社に真似できない歴史・匠の技そして素材を活かす工務店としてアップサイクルに挑戦しています。 最近の取り組みの一つに天然木を活用したマンションリノベーションがあります。 天然木が心地よい築20年のマンションリノベーション(渡邊工務店ホームページ施工実績より) 機能性が高く、コンクリートのイメージが強い、ややもすると無機質的なマンション空間を、天然木の風合いでリノベーションを行い暮らしの質をアップさせました。 そして古民家再生やリノベーションだけでなく、新築の場合においても、旧家にあった柱や欄間、建具を活用し、新たな意匠や役割を変えて新築工事に再利用しお施主様の想いをのせて趣のある上質な空間にアップさせるケースもあります。 古材を活かしたビルトインガレージのある混構造住宅(渡邊工務店ホームページ施工実績より) このような考え方や施工実績を備えた渡邊工務店でリフォーム・リノベーション、建替工事、新築工事をご検討いただけたら嬉しく思います。 ■渡邊工務店の家造りについて詳しくはこちら ■最寄りの展示場について詳しくはこちら ■資料請求はこちら