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2026.02.02 /
冬の光を味方にする家
― 木の家と南向き設計の考え方 ―Column008: 2月は、一年でいちばん日差しが貴重に感じられる季節です。 寒さが続く一方で、実は太陽の角度が低く、家の奥まで光が入りやすい時期でもあります。 この「冬の光」をどう取り込むかで、住まいの心地よさは大きく変わります。暖房だけに頼らず、自然の力を上手に生かすこと。「パッシブデザイン」という考え方で、冬でも快適な家づくりの大切なポイントです。 目次 > 冬の太陽は「家を暖める光」 > 「南向き=大きな窓」ではない > 木の家は、光をやわらかく受け止める > 2月は「光の入り方」を体感するベストシーズン 冬の太陽は「家を暖める光」 冬の太陽光は、夏と違って室内の奥まで差し込みます。南向きの窓から入った光は、床や壁をじんわりと温め、その熱がゆっくりと室内に放出されます。 特に、天然木の床や柱は、冷たさを感じにくく、光のぬくもりをやさしく蓄えてくれる素材。光が差し込むだけで、空間の心地よさが変わるのは、木の家ならではの魅力です。こうした光や風、熱の流れを読み取り、設計に活かす考え方を「パッシブデザイン」と呼びます。 特別な設備に頼るのではなく、 🔸冬は光を取り入れ 🔸夏は軒や庇で日差しを遮り 🔸風が抜ける道をつくる といった自然に寄り添う工夫を重ねていくものです。 天然木の家は、湿気や熱をやわらかく受け止める性質があり、この考え方ととても相性が良い素材。だからこそ、私たちは「木」と「設計」の両方を大切にしています。 「南向き=大きな窓」ではない よくある誤解が、「南向きだから窓は大きいほど良い」という考え方です。実際には、光を心地よく取り入れるためには、 🔸窓の位置 🔸窓の高さ 🔸庇(ひさし)の出 🔸周囲の建物や植栽 まで含めて考える必要があります。 木の家づくりでは、必要な分だけ光を取り込み、余計な熱は逃がさない設計が重要です。 冬は光を取り込み、夏は庇や軒で直射日光を遮る。 このバランスが、冷暖房に頼りすぎない暮らしにつながります。 木の家は、光をやわらかく受け止める 無垢材は、光を反射しすぎず、かといって吸収しすぎることもない、自然素材ならではの特性を持っています。そのため同じ南向きの窓から光が差し込んでも、表面が均一な床材や、白いビニールクロスを中心に仕上げた室内とは、光の感じ方が異なります。 光がやわらかく広がり、空間全体が穏やかに包まれるため、目にも心にも負担の少ない、心地よい明るさが生まれます。 2月の低い日差しが、木の床に静かに落ちる光。それだけで「この家、あたたかいな」と感じるのは、数字では測れない心地よさがあるからです。 2月は「光の入り方」を体感するベストシーズン 家づくりを考えている方にとって、2月は実は絶好の見学時期です。 冬の光がどのように室内に入り、どんなふうに空間をあたためてくれるのか。それは、実際にその場に立ってみて初めてわかる心地よさです。 👉2月7日(土)・8日(日) 稲沢市にて完成見学会を開催します。 自然の力を活かした木の住まいを、実際に“感じる”見学会です。 図面や写真では伝わらない「冬の光の入り方」を、ぜひ体感してみてください。 寒い季節だからこそ見えてくる、家の本当の心地よさ。冬の光は、その答えを静かに教えてくれます。 📩 木造建築に関するご相談・お問い合わせはこちらまでどうぞ! -
2026.01.08 /
新年に出会う神社の木
─ご神木が教えてくれる“木と生きる力”Column007: あけましておめでとうございます。渡邊工務店コラム編集部です。 本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。 新しい年の始まりに、神社へ足を運ぶ方も多いのではないでしょうか。皆様も初詣へ出かけられたことと思います。 境内で凛と立つ大木に、思わず背筋が伸びた経験はありませんか。 古くから日本人は、木に“神さまが宿る”と感じ、特別な思いを寄せてきました。今回は、神社の木々の話から、私たちの暮らしに寄り添う木の魅力をご紹介します。 目次 > ご神木とは──神さまの依り代としての特別な木 > 神社に多い木々──杉・檜・楠・松がつくる神域の風景 > ご神木と式年遷宮──桧の命を次代へつなぐ御神木奉迎送の現在 > 住まいに生かされる木──暮らしに取り入れる“木と生きる力” ご神木とは──神さまの依り代としての特別な木 神社でひときわ存在感を放つ大木を「ご神木」と呼びます。ご神木は単に古い木というだけではなく、降り立つ「依り代(よりしろ)」として、古くから人々に敬われてきました。 ご神木には、以下のような特徴があります。 樹齢が長く、地域の歴史を見守ってきた大木であること 人々が祈りを捧げてきた象徴であること 境内の中心に近い場所にあり、神社の「気」を整える存在であること 触れると温もりや力を感じる“生命の強さ”をまとっていること 境内に足を踏み入れたときの静けさや、清澄な空気感は、こうした大木が発する香り、湿度、光の遮り方が作用し、私たちの心を自然と整えてくれるからだといわれています。ご神木は、まさに“木の力”を象徴した存在なのです。 神社に多い木々──杉・桧・楠・松がつくる神域の風景 神社を訪れると、参道や境内に多様な木が生い茂り、静かで清らかな空気が漂っています。代表的な木は次のとおりです。 ●杉(すぎ)──まっすぐ伸びる神社の象徴 杉は神社の定番。すっと天に向かって伸びる姿が“天と地をつなぐ木”の象徴とされ、参道の両脇に並ぶ「杉並木」は神社の風景として非常に象徴的です。その清々しい香りは、参拝者の心を落ち着かせてくれます。 ●桧(ひのき)──社殿そのものを形づくる神聖な木 桧は「神に捧げる木」として全国の神社で特別視されてきました。 伊勢神宮の社殿や鳥居、棟木にも使われるように、社寺建築の最高峰を支える素材です。 桧は、香りが清らかで、水や湿気に強く、年月とともに深みある飴色に変化するという特性から、“永く神さまを祀る”場にふさわしいとされてきました。当社の家造りでも構造材に国産桧を採用している理由は、「強さ」「耐久性」「清々しい香り」という、古来から愛されてきたこの性質にあります。 ●楠(くすのき)──ご神木の代表格とも言える大樹 楠は、樹齢千年を超える巨木も多く、全国の神社でご神木に選ばれています。常緑で一年中青々とした葉を持ち、生命力の象徴とされ、人々に大きな安心感を与えます。 ●松(まつ)──縁起と清めのシンボル 「祀る(まつる)」と語源が近いともいわれ、神さまが降りる依り代として昔から信仰されてきました。参道や鳥居周辺によく植えられ、境内の“結界”を示すような役割を持っています。 これらの木々がつくる神社の空間は、光がやわらかく、静かで、香りがあり、“心を整える環境”そのもの。 木の磨き上げられた幹、葉の陰と木漏れ日、静かな風、そして木の香り――それらがあいまって、参拝する人の心を整え、祈りと静けさを生み出します。 ご神木と式年遷宮──桧の命を次代へつなぐ御神木奉迎送の現在 興味深いのは、神社の木が「過去からの贈り物」だけではなく、未来へと受け継がれていく“命の循環”の中にあることです。 たとえば、現在進行中の伊勢神宮「第63回神宮式年遷宮」。これは 20年に一度、社殿と神域を新しくし、清らかな空間を神さまに捧げる壮大な儀式です。 記憶に新しい昨年6月に、ご神木である桧の大木を選び、伐採し、各地で「奉迎送(ほうげいそう)」として運ぶ行事「御神木奉迎送」が行われ、木曽・木曽谷で選ばれた桧が岐阜・愛知・三重を経て、伊勢へと送られました。 沿道では地域住民や奉賛者による歓迎の祭りや旗振りで盛り上がり、まさに「木が神域から神域へと、人々の手でつながれていく」瞬間が地域全体で祝われました。 このように、ご神木は「ただの大木」ではなく、世代を超えて神さまを支え、地域と人をつなぐ“聖なるバトン”のような役割を果たしています。 私たちが神社で木を眺めるとき、その大木は「過去からの祈り」と「未来への願い」を内包している―そんな風に感じられるご神木の存在は、木と暮らす私たちの毎日の住まいにも、深い意味を持ってくれるように思います。 住まいに生かされる木──暮らしに取り入れる“木と生きる力” 神社の境内で感じる清々しさや、木々に包まれる安心感。それは特別な場所だから生まれるものではなく、木そのものがもつ力に由来しています。 杉や桧に触れたときのやわらかさ、ほのかな香り、光をやさしく受け止める質感。そうした木の心地よさは、住まいの中でも自然と人を落ち着かせ、家族の時間を穏やかに整えてくれます。 神社で大切にされてきた木と同じ樹種を日々の暮らしの中で使うことは、ただ素材として優れているだけでなく、“長く寄り添う安心感”や“自然とのつながり”を住まいの中にそっと宿してくれます。 当社が杉や桧などの天然木を大切に使い続けるのは、その木が持つやわらかい強さと、暮らしに寄り添う静かな豊かさを知っているからです。神社で感じるあの凛とした空気は、住まいの中でも確かに息づいています。 木と暮らすということは、ただの素材選びではなく、人と自然、人と歴史、人と心をつなぐ暮らしの在り方だと考えています。 📩 木造建築に関するご相談・お問い合わせはこちらまでどうぞ! -
2025.12.01 /
庭の木をイルミネーションで飾る
―冬の灯りを楽しむ暮らしColumn006: こんにちは。渡邊工務店コラム編集部です。 12月になると、街も住まいも光に包まれる季節がやってきます。 近年は、家全体を豪華に飾る電飾よりも、庭の木にそっと灯りを添えるイルミネーションが人気に。ソーラーライトの普及で、電源いらずの手軽なライトアップが家庭でもぐっと身近になりました。 暮らしに寄り添う“冬の灯り”が、住まいをあたたかく彩ります。 目次 > 光は量より質へ。暮らしを彩るイルミネーション > 木を引き立てるイルミネーションのコツ > 光がつくる安心とぬくもり > +もう一つの楽しみ方:室内の窓際イルミネーション > 木と光がつくる、冬の家時間 光は量より質へ。暮らしを彩るイルミネーション 12月になると街はきらびやかな光で包まれます。かつては「どれだけ家を派手に光らせるか」という競い合いのような電飾ブームもありましたが、最近はその潮流が変わりつつあります。 今の主流は、控えめに“庭の木を照らす”イルミネーション。住宅全体を飾るのではなく、シンボルツリーや玄関まわりの植栽を温かな光で演出するスタイルが人気です。 背景には、LEDの省エネ化と屋外照明のデザイン性の向上、そしてソーラー充電式ライトの普及があります。電源不要・電気代ゼロ・自動点灯と、手軽さが抜群。価格も抑えめで、設置のハードルがぐっと低くなりました。冬は日照不足で点灯しない日もあるため、太陽光の当たる位置に設置することが大切です。 木を引き立てるイルミネーションのコツ せっかく木を飾るなら、光の選び方や取り付け方にひと工夫を。 まずおすすめは電球色(暖色系)。白色光よりも木の幹や外壁に馴染み、全体が上品にまとまります。 巻き方は、枝先までびっしりではなく、幹から自然に広がるように。 控えめでも陰影が美しく出て、木本来の姿が際立ちます。木をいたわりながら、自然の形をそのまま生かすことがポイントです。 ソーラー式の場合は、照射角度は柔らかく、光源の位置を低くするとより雰囲気が良くなります。 光がつくる安心とぬくもり 暖かみのある光を見ると、人は安心感や幸福感を感じやすくなるといわれています。 帰宅したとき、玄関脇の木がやさしく光っているだけで、「おかえり」と迎えられるような心地がするもの。 日没が早く冷え込む冬こそ、屋外の灯りは家族の気分を明るくしてくれます。 イルミネーションは、飾りではなく“暮らしを照らす小さな灯り”。 木と光があるだけで、家の表情も、住む人の気持ちもやさしく変わります。 +もう一つの楽しみ方:室内の窓際イルミネーション 最近は、庭木のライトアップに加えて、室内の窓際にイルミネーションを飾るスタイルも人気です。 外に向けた派手な電飾ではなく、 ● 電球色の小さなライト ● ガーランド ● ガラス瓶に入れたLED ● 透け感のあるカーテン越しのライト など“家の中で楽しむ灯り”も素敵です。 室内に飾ることで、 ● 冬のリビングがあたたかい雰囲気に ● 外からもほのかな光が見えて優しい景色に ● 子どもも安全に楽しめる 窓際の観葉植物の足元にライトを忍ばせるだけでも、簡単に室内イルミネーション × グリーンの相性の良い空間に仕上がります。 木と光がつくる、冬の家時間 外構計画の段階から植栽と照明をセットで考える家づくりも増えています。 夜の景色までデザインすることで、昼とは違う“もう一つの庭の顔”を楽しむことができます。 常緑樹のオリーブやソヨゴ、落葉樹で冬も枝ぶりが美しいアオダモは、イルミネーションとの相性が抜群。 光が葉や枝に反射し、やわらかな陰影をつくります。 木のぬくもりと光のあたたかさ―。 どちらも、暮らしに「帰りたくなる冬の風景」を添えてくれます。 📩 木造建築に関するご相談・お問い合わせはこちらまでどうぞ! -
2025.11.04 /
『じゃあ、あんたが作ってみろよ』に学ぶ。家づくりで大切なのは「正しさ」より「歩み寄り」
Column005: こんにちは。渡邊工務店コラム編集部です。 今話題のTBSの火曜ドラマ『じゃあ、あんたが作ってみろよ』をきっかけに、家づくりにおける“価値観の違い”と“木のある暮らしの調和”を見つめ直してみませんか? 目次 > 話題のドラマが教えてくれる「価値観のズレ」 > 「合理派」vs「快適派」──よくある家づくりのすれ違い > 木のように「間(あいだ)」をつくる家づくり > 大切なのは“正しさ”よりも“歩み寄り” > 木と暮らす、ということ 話題のドラマが教えてくれる「価値観のズレ」 今、話題になっているドラマ『じゃあ、あんたが作ってみろよ』。 竹内涼真さん演じる勝男は、どこか昔ながらの価値観を引きずる男性。 そんな彼が、夏帆さん演じる恋人鮎美にフラれたことをきっかけに、周囲の人たちとの関わりの中で少しずつ気づきを得て、自分を見つめ直していく物語です。 筆者も毎週楽しみに観ているのですが、このドラマの“価値観のすれ違い”や“気づきの過程”は、家づくりにも通じるものがあると感じます。 「合理派」vs「快適派」──よくある家づくりのすれ違い 家づくりの打ち合わせでよくあるのが、 「動線を短くして効率的にしたい」という合理派と、「デザインや居心地を大事にしたい」という快適派のすれ違い。 どちらも“家族のため”を思っての意見なのに、話しているうちに「どっちが正しいか」という議論になってしまうことがあります。 でも実は、それぞれの考え方にはちゃんと理由と背景があるんです。 合理派は日々の動きをイメージして「使いやすさ」を重視し、快適派は長く暮らす中で感じる「心地よさ」を大切にしている。 方向は違っても、どちらも“良い家にしたい”という思いは同じです。 木のように「間(あいだ)」をつくる家づくり 私たちが扱う天然木の家🌳には、ちょっと不思議な力があります。 木は、硬すぎず柔らかすぎず、ほどよく“間”をつくってくれる素材。 光をやわらげ、空気の湿度を調整し、人と人の距離感まで整えてくれるような存在です。 合理と快適、機能と情緒──。 どちらか一方ではなく、そのあいだをつなぐ“調和”こそが木の魅力なのだと思います。 家づくりの話し合いでも、木のようにお互いをやわらかく受け止める心の余白を持てたら、きっと暮らしの形ももっと豊かになるはずです。 大切なのは“正しさ”よりも“歩み寄り” 勝男が少しずつ変わっていったように、 家づくりでも必要なのは「相手の意見を否定すること」ではなく、「なぜそう考えるのか」を理解しようとする姿勢。 どちらか一方が折れるのではなく、お互いの考えを少しずつ取り入れながら、ふたりにとって本当に心地よい暮らし方を形にしていくことが理想です。 新築住宅の打ち合わせで意見がぶつかっても、それは“合わない”のではなく、より良くするためのチャンス。 住まいづくりは、どちらが勝つかの勝負ではなく、未来を一緒に描く共同作業です。 木と暮らす、ということ 天然木の家は、人の心にも“歩み寄り”を思い出させてくれる家です。 自然素材の温もりに包まれながら暮らすと、不思議と気持ちが穏やかになり、相手の意見を受け止める余裕が生まれます。 今後のドラマの展開も気になりますが(笑)、現実の家づくりでも、木のようにやわらかく、相手への理解と歩み寄りを大切にしたいですね。 当社では、ご家族それぞれの思いやこだわりを丁寧にお聞きし、性能・デザイン・暮らしやすさをバランスよく設計いたします。 名古屋・愛知で新築住宅をお考えの方は、どうぞお気軽にご相談ください。 📩 木造建築に関するご相談・お問い合わせはこちらまでどうぞ! -
2025.10.01 /
木材の色の変化を楽しむ 〜 暮らしの中の経年美 〜
Column004: こんにちは。渡邊工務店コラム編集部です。 秋の訪れとともに、木々が少しずつ色づいていくように、住まいに使われる木材も年月を重ねる中で表情を変えていきます。その移ろいは「劣化」ではなく、むしろ暮らしに豊かさを与えてくれる経年美です。 目次 > 経年変化と劣化の違い > 木が色を変える理由 > 樹種ごとの変化例 > 暮らしの中で楽しむ工夫 > 暮らしを育てる、経年美 経年変化と劣化の違い 🍂 経年変化とは 光や空気、そして日々の暮らしの中での使用によって、木材の色味や質感が少しずつ変化していく現象です。 例えば、日光に当たることで木肌が深みのある色に変わったり、手に触れることで艶が増したりと、木が「育つ」ように表情を変えていきます。これは自然な変化であり、木材が環境と調和しながら個性を帯びていく過程とも言えます。 🛠 劣化とは 一方で、劣化は木材の構造的な強度や機能が損なわれることを指します。 腐朽や割れ、反り、虫害などによって、本来の性能が失われてしまう状態です。これは放置すれば安全性や快適性に影響を及ぼすため、適切なメンテナンスや予防が必要です。 🏡 木の家づくりにおいて大切な視点 木の家をつくるうえで重要なのは、この「経年変化」と「劣化」の違いを正しく理解することです。 経年変化は、木の魅力を引き出し、暮らしに豊かさをもたらしてくれるもの。 劣化は、避けるべき課題であり、早期発見と対処が求められるものです。 この違いを見極めながら、木の持つ自然な変化を楽しむ視点を持つことで、住まいはより愛着のある空間へと育っていきます。 木が色を変える理由 紫外線や日光による酸化 木材に含まれるリグニンやタンニンなどの成分が、太陽光にさらされることで酸化し、色が濃くなったり黄変したりします。 空気や湿気との化学反応 酸素や水分と反応することで、木の表面に微細な変化が起こり、色味が変化します。特に湿度の高い環境では、変化が早まることも。 樹種ごとの特性(変化が強いもの、緩やかなもの) 例えば、チェリー材は赤みが増していく傾向があり、ウォールナットは逆に色が薄くなることがあります。変化のスピードや方向性は樹種によって異なります。 仕上げ方法の違い(オイル仕上げ、透明塗装など) ●オイル仕上げ:木の呼吸を妨げず、自然な経年変化が現れやすい。 ●透明塗装(ウレタンなど):紫外線をある程度遮断するため、色の変化が緩やかになる。 🍂 木材が「育つ」ように変化する これらの要因が複雑に絡み合い、木材は時間とともに深みや個性を帯びていきます。まるで人の肌が日々の暮らしの中で変化するように、木も環境に応じて表情を変えていくのです。 樹種ごとの変化例 🌳 樹種ごとの経年変化の味わい 木材は、樹種によって経年変化の表情が異なります。どの木も、年月を重ねることでしか得られない深みや温もりを帯びていきます。 🌞 パイン材(松系) 明るく柔らかな木肌が特徴のパイン材は、時間とともに飴色へと変化していきます。 この変化は、まるで陽だまりのようなぬくもりを空間にもたらし、素朴で親しみやすい雰囲気に。 🍒 チェリー材・ナラ材(オーク) チェリーやナラは、使い込むほどに色味が濃くなり、温かみが増していく樹種です。 特にチェリー材は赤みが深まり、ナラ材は落ち着いたブラウンへと変化し、重厚感と品格が漂います。 🌲 杉・桧 日本の伝統的な木材である杉や桧は、経年による変化が控えめながら、徐々に落ち着きを帯びていきます。 香りや肌触りの良さも相まって、静かな美しさが際立ちます。 🕰 木とともに時を重ねる どの樹種も、年月を経て初めて感じられる味わいがあります。 それは単なる色の変化ではなく、暮らしの記憶や空間の空気感と結びついた、木材ならではの“表情”です。 木の家づくりや家具選びでは、こうした変化を楽しむ視点を持つことで、より豊かな時間が育まれていきます。 暮らしの中で楽しむ工夫 木材の経年変化は、ただ時間が経つだけで起こるものではありません。 住まいの設計や日々の暮らし方によって、その表情は大きく変わります。 ここでは、木とともに暮らすためのちょっとした工夫をご紹介します。 🌞 採光や窓の配置を工夫し、変化の出方をコントロール 紫外線や日光が木材に与える影響は大きく、色味や風合いの変化に直結します。 窓の位置やサイズ、方角を工夫することで、光の入り方を調整し、木の変化を意図的にデザインすることができます。 例えば、床材に日差しが差し込むように設計すれば、時間とともに生まれる陰影が空間に深みを与えてくれます。 🎨 塗装や仕上げを用途に合わせて選ぶ 木材の仕上げ方法によって、経年変化のスピードや表情は大きく異なります。 オイル仕上げは木の呼吸を妨げず、自然な変化を楽しめる一方、透明塗装は紫外線をある程度遮断し、色の変化を緩やかにします。 使う場所や目的に応じて、仕上げを選ぶことで、木の魅力を最大限に引き出すことができます。 🧴 日々の手入れで表情を長く保つ 木材は生きている素材。乾拭きや定期的なオイル塗布など、ちょっとした手入れを続けることで、木の艶や質感を長く保つことができます。 手をかけるほどに、木は応えてくれる——そんな関係性が、暮らしに豊かさをもたらしてくれます。 ✨ 経年美は、設計や住まい方によってより引き立つ 木の変化は、設計の工夫と日々の暮らしの積み重ねによって、より美しく育っていきます。 経年美を楽しむという視点を持つことで、住まいは単なる「建物」から、「時間とともに育つ場所」へと変わっていくのです。 暮らしを育てる、経年美 木の家は「完成した瞬間が一番きれい」ではありません。時間とともに少しずつ色づき、深みを増していくからこそ、暮らしとともに成長する存在になります。 変化を恐れず、年月を重ねていくほどに愛着が増す――そんな住まいを楽しんでいただければと思います。 📩 木造建築に関するご相談・お問い合わせはこちらまでどうぞ! -
2025.09.02 /
湿気と木の家
Column003: こんにちは。渡邊工務店コラム編集部です。 夏の蒸し暑さが落ち着き、空気が少しずつ澄んでくる9月。 けれど、木の家にとっては「夏に溜まった湿気」がじわじわと影響を残す時期でもあります。木の家は湿気に弱いと思われがちですが、実はきちんと設計・施工された木造住宅こそ、湿気に強く、健康的な暮らしを支える住まいでもあるのです。 今回は、木と暮らすうえで大切な「湿気対策」についてご紹介します。 目次 > 木の家は呼吸する? > 湿気がこもるとどうなる? > 木造住宅の湿気対策のポイント > 木と自然の力で、健やかな暮らしを 木の家は呼吸する? 木は伐られたあとも、空気中の湿気を吸ったり吐いたりしながら呼吸するように生き続けています。 これを「調湿性(ちょうしつせい)」といいます。 たとえば無垢の床材や天井材は、室内の湿気が多いときには吸い取り、乾燥してくると放出して、室内環境をゆるやかに整えてくれるのです。 エアコンや除湿機にはできない、やさしい調湿作用が木の家の特徴です。 湿気がこもるとどうなる? どんなに木が湿気を吸ってくれるとはいえ、建物の構造にまで湿気がこもると、下記のような問題が起こる可能性があります。 カビの発生 構造材の腐朽 断熱性能の低下 ダニや害虫の温床になる とくに、床下・壁の中・天井裏など、ふだん目に見えない場所に湿気がたまりやすいのが注意点です。 木造住宅の湿気対策のポイント 湿気対策には、建物の構造そのものに工夫が求められます。主な対策には以下のようなものがあります。 ① 基礎の床下通気 基礎の床下に空気が流れるよう設計し、地面からの湿気を滞留させずに排出します。 ② 壁内の通気層 壁の中にも空気が流れる「通気層」を設けることで、結露やカビの発生を防ぎます。 ③ 天井裏の換気 屋根裏にこもりがちな熱気や湿気も、換気口を通じて外へ逃がします。 ④ 自然素材の力を活かす 木や漆喰、珪藻土などの自然素材は、湿気を吸ったり吐いたりする“調湿”の働きがあり、室内の湿度を穏やかに保つ役割を果たします。 木と自然の力で、健やかな暮らしを 木の家には、自然素材ならではのぬくもりと調湿性があります。さらに設計段階からの湿気対策、そして「マッハシステム」のような全館空調の力を組み合わせることで、カビや結露に強く、健やかで快適な住まいが実現します。 四季のある日本に住むからこそ、自然と調和した家造りを大切にしたい。 そんな想いで、これからも木とともに暮らす住まいをご提案してまいります。 📩 木造建築に関するご相談・お問い合わせはこちらまでどうぞ! -
2025.08.01 /
大阪・関西万博「大屋根リング」-未来を包む構造の挑戦
Column002: こんにちは。渡邊工務店コラム編集部です。 現在開催中の大阪・関西万博。皆さんはもう行かれましたか? テレビやネットで話題になっている会場の様子、実際に体験された方も多いのではないでしょうか。 その象徴的存在となっているのが、夢洲会場を囲うように設計された「大屋根リング」です。2025年3月「最大の木造建築物」としてギネス世界記録に認定されています。一見すると未来都市のスカイラインを思わせるこの構造物は、建築技術の結晶であり、思想的なメッセージも込められています。 今回は、建築・構造の視点から、この壮大なリングの構造的意義と設計思想に迫ってみたいと思います。 目次 > 大屋根リングとは何か? > 構造的挑戦:2kmのリングをどう支えるか? > リングが空間をどう変えるのか? > 環境との対話:再生可能エネルギーと木の利用 > 終わりに-未来を支える「水平の思想」 大屋根リングとは何か? 「大屋根リング」とは、万博会場の中心部を円形に囲うように設置された、全長約2km、高さ20mを超える巨大なリング状構造物です。屋根という名の通り、一部は実際に太陽光パネルや木陰を提供する庇のような機能を持ちますが、その本質は「都市を包む水平のランドマーク」としての存在感にあります。 このリングは「地球の命を包む」「自然と共生する」ことをテーマに掲げ、来場者に空と風と緑を感じさせる空間体験を創出します。 構造的挑戦:2kmのリングをどう支えるか? 建築的に見ると、全長2kmに及ぶこのリングは、従来の屋根のスケールを遥かに超えたインフラ級構造物です。以下の要素が特筆すべき技術的特徴です。 ◆軽量化設計:鋼構造を主体としつつも、必要な部分にはCLT(Cross Laminated Timber)やアルミを組み合わせ、全体重量を抑えています。 ◆支持方式:地上からの支柱と吊り構造のハイブリッド。場所によっては空間の開放性を保つために、キャンチレバー状の張り出しも設けられています。 ◆基礎構造:埋立地である夢洲において、地盤の不同沈下を考慮した基礎構造が重要。マイクロパイルや杭基礎によって支持されています。 このような複雑な構造を、環境負荷を抑えつつ建設することは、まさに現代建築の技術と知恵の結晶です。 リングが空間をどう変えるのか? 都市空間において、垂直性と水平性は常に対比される設計要素です。高層ビル群が空へと向かう「垂直の建築」であるのに対し、大屋根リングは「水平のランドマーク」として都市の境界と秩序を示します。 このリングがもたらす効果は、以下の3点に集約されます。 1. スケール感の統一:巨大な会場空間を視覚的にまとめ、来場者に「包まれている」感覚を与えます。 2. 動線の誘導:リングに沿った回遊動線が自然と人の流れを制御します。 3. 象徴性の創出:「都市の天蓋」として、万博の象徴的存在として記憶に残る風景を形成。 環境との対話:再生可能エネルギーと木の利用 このリングは、単なる構造物ではありません。持続可能性をテーマに掲げる大阪・関西万博において、再生可能エネルギーの発電源としても活用されます。 ●太陽光パネルの搭載により、会場の一部電力を供給 ●木材(国産材)を積極的に使用し、炭素固定を促進 ●雨水の再利用や日射調整機能も設計に組み込まれている 建築が環境技術と融合することで、未来の都市空間における持続可能性の実験場ともなっています。 終わりに──未来を支える「水平の思想」 大屋根リングは、構造工学的には困難の連続でありながら、同時に建築思想としても深いメッセージを内包しています。それは「中央集権的な塔」ではなく、「多様性を包む水平の輪」としての都市のあり方。 大阪・関西万博が目指すのは、未来技術の展示だけでなく、人類の共生や地球とのつながりを体験する場。その中心に、このリングが象徴として存在することは、極めて建築的に意味深いものです。 万博の開催は10月13日まで。いよいよ折り返し地点を過ぎ、残り2ヶ月あまりとなりました。まだの方も、もう一度行きたいという方も、今しか味わえないこの機会をぜひ楽しんでください。そして大屋根リングから現代建築の技術力を感じてみてください。 誰もが魅了される木造建築を実現するのは、先人たちから脈々と受け継がれてきた匠の技があってこそ。 日本の誇りともいうべき建築技術を、社寺建築や美しい数寄屋造りにも活かしてきました。 渡邊工務店の匠の技は、まさに先人からの貴重な財産。 私たちは伝統を活かすだけでなく、後世にこの素晴らしい技術を引き継いで伝えていくことにも尽力しています。 飛島村にあるワタナベビレッジでは、私たちの建築へのこだわりを存分にご体感いただけます。 ぜひお気軽にご来場ください。 \ 渡邊工務店創業の地で、本物を見て、体感できる / ワタナベビレッジ 住所 :海部郡飛島村元起三丁目55番地 電話番号:0567-55-7005 営業時間:10:00~18:00 定休日:毎週水曜日(祝日を除く) 📩 木造建築に関するご相談・お問い合わせはこちらまでどうぞ! -
2025.07.16 /
【世界最大の木造建築】
時代を超えて受け継がれる木の壮大な構造美Column001: はじめまして。私たち渡邊工務店は、木を知り、木を活かし、木とともに暮らすことを大切にしている会社です。日々「木」という素材の持つ魅力と向き合いながら、より良い空間づくりを目指しています。 このたび、コラム「木と暮らす」を始めることになりました。 自然素材としての木の魅力や、建築に関するお話、木の家での心地よい暮らし、住まいに取り入れるアイデアなどをお届けしていきます。 木には、人の心と体を癒やし、空間にあたたかさを与えてくれる不思議な力があります。 このコラムが、皆さまの暮らしに木のぬくもりを取り入れるきっかけとなれば嬉しいです。 どうぞ、末長くお付き合いください。 記念すべき第1回は、木造建築のスケールの限界を押し広げてきた「世界最大の木造建築」について、歴代の建物をピックアップしてご紹介いたします。 世界最大の木造建築は、古代から現代に至るまで多くの人々を魅了してきました。これらの建物は、その壮大なスケールと美しいデザインで知られていますが、それ以上に持続可能性や環境への配慮という点でも注目されています。木造建築には長い歴史があり、技術革新と共に進化し続けています。 木のぬくもりと構造美が融合する、壮大な世界をご堪能ください。 歴代「世界最大の木造建築」 1. 【8世紀~】東大寺 大仏殿(奈良・日本) 完成:752年(初建)、現建物は1709年再建 規模: 幅:約57.5m 奥行:約50.5m 高さ:約46.4m 特徴: 奈良の大仏(盧舎那仏)を安置。 再建により初期の3分の2の大きさになりましたが、それでも長らく世界最大の木造建築とされていました。 備考: UNESCO世界遺産 東大寺は8世紀に建立され、その歴史的背景と文化的重要性から多くの訪問者を魅了しています。特筆すべきは、大仏殿が持つ圧倒的なスケールであり、古代日本の技術力と美意識が結集されています。 2. 【1997年完成】大館樹海ドーム(秋田・日本) 完成:1997年 規模: 直径:約178m(木造ドームとしては世界最大級のスパン) 高さ:約52m 特徴: 秋田杉2万5000本を使用 スポーツ・イベント用多目的ドーム 備考: 構造の一部に鉄骨併用だが、屋根は木造 3. 【2007年完成】アヴァディーン大学図書館・センター(ノルウェー)など 傾向:2000年代から欧州・北米でも大型の近代木造建築が増加 特徴:集成材(CLTなど)と鉄やコンクリートの複合構造 4. 【2025年完成】大屋根リング(大阪万博会場) 完成:2025年3月 規模: 面積:約61,000㎡ 直径:約615m 高さ:約20m 特徴: 世界最大の木造屋根構造物としてギネス世界記録に認定 使用木材:約70%が国産杉・桧 設計:藤本壮介 歩道「スカイウォーク」(全長2,025m)付き 備考: 万博終了後は一部保存が決定 そしてついに登場するのが、2025年大阪・関西万博の象徴「大屋根リング」。このリング型の大屋根は、「世界最大級の木造建築構造」として、歴代の記録を塗り替えるスケールで、ギネス世界記録にも認定されました。全国の森林から供給された木材を用い、「日本全国から集まった木が人々をつなぐ」ことを象徴するデザインです。 世界中から集まる人々を包み込むように広がる大屋根は、環境建築・伝統技術・最先端工学の結晶といえるでしょう。 木造建築の未来 気候変動への対応が世界的な課題となる中、再生可能で低炭素な素材である「木」は、今後ますます重要な役割を担っていきます。 「大屋根リング」や「木造高層ビル」のような構造が現実となった今、木造建築は単なる「伝統建築」から「未来をつくる技術」へと進化を遂げつつあります。木造建築は、過去から現在、そして未来へとつながる建築文化の柱です。 社寺建築から巨大ドーム、高層ビル、そして大屋根リングへ── 木という素材の限界に挑む、人間の知恵と技術の軌跡を、ぜひ感じてみてください。 私たち渡邊工務店も、未来に誇れる木造建築を皆さまと共に創造していきたいと考えています。 👉 次回の記事では、2025年「最大の木造建築物」としてギネス世界記録に認定された、大阪万博のシンボルである大屋根リングについてご紹介します。 📩 木造建築に関するご相談・お問い合わせはこちらまでどうぞ! -
2024.07.23 /
最終回:住まいのコラム
暑さ極まる季節となりましたが、皆さまはいかがお過ごしですか? 我が家の家庭菜園では、暑さの大好きなオクラの花が毎朝可憐な花を咲かせています。 ところで「住まいのコラム」の1回目は平成29年10月でした。 今年で7年目、115回目のコラムになりますが、今回で最終回とさせていただきます。 振り返ってみるとかなりのボリュームになっていて感慨深い思いがあります。 私の住まいにかかわる仕事人生のほとんどは、最初にお客様と接点を持つ営業の仕事でした。 若い頃は、お客様との打ち合わせの中で苦労したり失敗したり、たまに喜んでもらえたりして嬉しかったことや、住宅の企画や事業の戦略を考えていく頃になると、いつも悩んでいましたが、深く考える過程で仕事の枠を超えた多くの学びを得ることも出来ました。 また、プライベートでは一息ついて楽しかったことが多くありましたが、そこで目にしたことや耳にしたことを、気付かぬうちに仕事と関連づけて考えてしまうこともありました。 そんな経験から得られたことを思いつくまま、長きにわたり皆様のご厚情に甘えて話し言葉で書いてきたコラムでしたが、最近は時の移ろいを感じることも多くなり、今年の夏の盛りを機会に「住まいコラム」を閉じさせていただこうという思いに至りました。 素人の駄文にもかかわらず、長きにわたり「住まいのコラム」を読んでいただいた皆様、そしてこのようなコラム発表の場を作っていただいた渡邊工務店の皆さまに深く感謝申し上げます。 最後に、「住まいのコラム」を読んでいただいた皆さま、渡邊工務店の皆さまのご健勝と益々の発展を祈念いたしまして私の感謝とご挨拶とさせていただきます。 長きにわたり誠に有難うございました。 令和6年7月23日 本橋平和 ■施工実績について詳しくはこちら ■渡邊工務店の家造りについて詳しくはこちら ■最寄りの展示場について詳しくはこちら ■資料請求はこちら -
2024.07.04 /
第114回:モダンと和風
モダンを直訳すれば“現代的な”という意味になり、建築でいうと洗練されていてシンプルなデザインの中に特徴があることだと思います。 シンプルモダンの家は様々な住宅会社が提案されていますね。 モダンの対義語はクラッシックで“古典的な”という意味で、デザインの傾向としては装飾が華美になり、その目的はデザインで権威や階層を明認させたように思います。 建築においてはそれに疑問を持った建築家たちが、建物本来の合理性や実用性を追求すべく作り出したのが、無駄を極力排除したモダン建築です。 ところで、現在は伝統的な数寄屋造りも、誕生当初はそれまでの武家の伝統的な書院造りに対して、当時の先進的な商人や利休のようなインフルエンサーとしての茶人が作り出したモダン建築でしたが、歴史の中で伝統的、古典的な建築になっていったのかなと思います。 クラッシックのイメージの強い和風建築にもモダンテイストを加えることで、現代的な心地よい空間を作ることが出来ると思います。 モダン和風の建物やモダンテイストの空間設定を考えてみたいと思います。 ◇ 現代アートを取り入れた和の平屋 渡邊工務店の施工実績より 和テイストですが、玄関ホールの壁全体にモダンなオブジェが飾ってあって象徴的です。 対比的に和テイストの室内や京都の竜安寺石庭のようなお庭がモダンに感じられます。 ◇ 照明器具でモダンな空間に“アルテトラ”のご紹介 和風モダンな照明器具は数多くありますが、和風モダンな照明は器具の造形だけでなく、夜の照明効果によって余分なものを視覚から遠ざけつつ、非日常の光の空間を作り出します。そのため、モダンな和風空間作りが可能になると思います。 ここでは一例として、以前訪れた小豆島オリーブ園内のイサム・ノグチの照明器具や家具などをコレクションしたミュージアム“アルテトラ”をご紹介いたします。 “1951年、イサム・ノグチは岐阜県長良川の鵜飼を訪ねました。その際、宵闇に光を放つ提灯に目を奪われます。代表作「AKARI」シリーズは、和紙や竹、木でつくられたその提灯にインスパイアされ誕生しました。 「光の彫刻」とも呼ばれるにふさわしく、美しさと使いやすさを極めており、光は和紙を通してほどよく分散され、部屋全体を柔らかな光で包み込みます。” 小豆島オリーブ園 光のアートギャラリーアルテトラ ホームページより引用 ◇ 障子紙とふすまの張替え事例 費用が掛からないようにする工夫として、障子やふすまなどの建具を変えるのではなく、障子紙やふすまの張替えをDIYでモダンに設えて室内の雰囲気を変えてもいいですね。 伝統的な和風の建物も工夫次第でモダンテイストの暮らしが実現できると思います。 皆様の生活スタイルが広がる機会が増えれば嬉しく思います。 ■施工実績について詳しくはこちら ■渡邊工務店の家造りについて詳しくはこちら ■最寄りの展示場について詳しくはこちら ■資料請求はこちら