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2021.11.25 /
第83回:夜の京都の紅葉
先日京都へ行き、叡山電鉄(えいざんてつどう)沿線の紅葉を見てきました。 今回の紅葉巡りの目的は、夜の紅葉と寺院の拝観、その中でもリフレクション(反射して映り込む)写真で有名な瑠璃光院(るりこういん)に行って現地を体感し、素人でも本やWEBの紹介と同じような写真が撮れるのか、挑戦したいと思ったからです。 外の景色が部屋の写経机(しゃきょうづくえ)に反射して映り込む瑠璃光院のリフレクション写真が、こんな感じで撮れました。 現地で体感すると、想像していたより実際の写経机が小さくて驚きました。 同じ時刻の同じ部屋ですが、写真を撮る位置と角度を変えると普通の写真になります。 リフレクション写真の挑戦は割と上手くいったように思いますが、同じ条件や素材によっても微妙な差により印象が異なることを体感できたことは、仕事の出来映えにも通じるようで貴重な経験でした。 また、一般の住宅でも和室に漆塗り(うるしぬり)の机があれば、前庭の設えによっては同じようなリフレクション効果を楽しめるのかなとも思いました。 京都は紅葉と寺院建築を楽しめる場所が多くありますね。 こちらの瑠璃光院も大正末から昭和の初めにかけて、1万2千坪の敷地に延240坪に及ぶ数寄屋造りに大改築するとともに、自然を借景(しゃっけい:日本庭園の一様式)とした名庭を造営されたとのことです。 建築にあたった棟梁(とうりょう)は、京数寄屋造りの名人と称された中村外二(なかむらそとじ)、築庭は、佐野藤右衛門(さのとうえもん)によって施されたと伝えられています。 数寄屋造りの在来木造建築に興味がある方は是非訪れていただければと思います。 2階から外を眺める。 こちらの門より紅葉の時期に行われる、夜の瑠璃光院を拝観させていただきました。 夜の漆黒の中にライトアップされた紅葉は幻想的で、年月を重ねた数寄屋建築や日本庭園の中で体感すると、少し耽美(たんび:美を最高の価値と考え、美にひたりふけること)な気持ちになります。 昼の間は叡山電鉄沿線の詩仙堂(しせんどう)や鞍馬(くらま)にも足を延ばしましたが、天候にも恵まれて綺麗な紅葉を楽しむことが出来ました。 コロナ感染者数も収束に向かい、行動規制も緩和されて人流も増えてきたように思います。 今後コロナの感染状況がこのまま終息して、活気ある生活に戻れるように期待しています。 ■最寄りの展示場について詳しくはこちら ■資料請求はこちら -
2021.11.15 /
第82回:匠の技と仕事のマニュアル
以前、渡邊工務店の現場監督と仕事のマニュアルの話をしたことがありました。 若手の社員は施工現場の仕事について、手順や現場の収まりに明確なルール化をして、経験や個人の知識にかかわらず間違いのないマニュアルを作って進めていきます。 速やかな技術の習得に努め、早く一人前の仕事を任せてもらえるようになりたいと話していました。 また、ベテランの監督や渡邊工務店の匠の技と天然木を扱う大工や職人の仕事は、それぞれの現場や、材料ごとに微妙に異なります。 渡邊工務店の現場管理の仕事はマニュアルだけでどこでも同じようにできるものではありません。 そこが分からないようでは本物の現場監督ではないし、大工や職人とも本音のやり取りをできないと言っていたように思います。 どちらも真面目で真剣に仕事に向き合っているからこその話だと思います。 渡邊工務店の家造りで使われている大工道具 現代の一般的な建築現場ではプレハブ住宅(プレファブリケーション住宅:多くの部分を工場で部材生産、加工し、組立を行っておく工法で建てられた住宅)や、ローコスト系ビルダー(リーズナブルな価格を前面に打ち出した規格形注文住宅供給業者)のように徹底的に無駄を排除し、効率を重視して作成された均一な施工マニュアルに従って組み立てれば住宅が完成する工業製品のような作り方が多くなっているように思います。 住宅より価格の低いお寿司などの料理や洋服、家具や自動車でさえも徹底的に効率化を目的として標準化した商品から、匠の技や情緒的(じょうちょてき:人間の感情の変化を表す)な価値観を重視した商品があります。 渡邊工務店は住宅を生涯で一番高額で一度きりの購入商品と考えています。 お求めやすい価格は大切にしていますが、匠の技や情緒的な価値観を重視しているように思います。 渡邊工務店には、先ほどの若い社員の希望とベテランの監督の想いを両立させるための仕組みがあります。 それは「出来映え検査」という制度です。 出来映え検査の様子 渡邊工務店のナレッジ・マネージメント(暗黙知と言われる言語化・数値化できない個人のノウハウを、形式知といわれる言語化・数値化して社員で共有する経営管理)の一環として大切に継続しています。 渡邊工務店は施工管理のシステムとして建築現場の各種検査を他社同様行っています。 それとは別に渡邊工務店独自の制度として、弊社で匠の技を最も理解し、天然木に造詣の深い(ぞうけいのふかい:特定の分野に深い知識や技量を持ち、非常に精通していること)社長の渡辺が、原則として全棟の完成現場を施工担当者、設計、営業、部門責任者と共に実査し、匠の技や114年に渡る渡邊工務店の家造りの想いがどのように現場に反映されているかを確認しています。 気になるところがあればその場で指示を出して手を加え、良かったところは施工図面に記録し写真を撮り、社内の電子掲示板で全社員が回覧できるようにしています。 また、新たな課題があれば、工事会議や設計会議で更に深堀りして全現場に横展開(広げていく)できるように工夫しています。 このように暗黙知(主観的で言語化できない知識)である匠の技や想いを、形式知(誰が見ても理解できるような形式で表現された客観的な知識)である技術のマニュアルへ変化させていくことに渡邊工務店独自の「出来映え検査」制度は貢献(役立つように尽力すること)していると思います。 他の会社と検討されているときは、是非比較していただきたい住宅の品質に関わる大切なことだと考えております。 ■渡邊工務店の家造りについて詳しくはこちら ■最寄りの展示場について詳しくはこちら ■資料請求はこちら -
2021.10.18 /
第81回:数寄屋の心とモダニズム
現在の数寄屋造り(すきやづくり)というと日本古来の伝統的な建築のように思われます。 しかしながら江戸時代前まで遡ると、当時の武家社会を中心とした伝統的な格式や身分制度を重んじる価値観の書院造りに対するアンチテーゼ(:主張を否定する主義や姿勢)として生まれた、和歌や茶の湯、生け花などを楽しむ茶室を取り入れた住宅様式です。 当時台頭してきた商人や茶人のような文人の中に書院造りのような格式や華美な装飾を嫌い、内面を磨いて客をもてなすという精神を持つ数寄者と呼ばれる人たちが、敢えて粗末な材料や素朴な丸太を好んで使い、軽妙でお洒落な茶室をはじめとした建物が数寄屋と称されたようです。 数寄屋建築というと茶室を思い浮べますが、茶室の設えはシンプルモダンの極みですね。 武士も町人も身分の分け隔てなく同じ作法で平等に執り行われる茶道も同様の価値観が反映されているように思います。 その後の技術や茶室の文化の深堀りは目覚ましく、現代に至っては本格的な数寄屋造りの建物は特別に高価で高度な技術の集積された高級建築となってしまいました。 渡邊工務店は愛知県内の総合住宅展示場に天然木で造る数寄屋造りのモデルハウスを出展していますが、この度小牧市に数寄屋の心を踏襲(とうしゅう:それまでのやり方を受け継いで、その通りにやること)しながらもモダンな天然木の家の展示棟を建設しました。 小牧展示場(リンクにて他の写真や動画もご覧ください) 建築に限らずモダニズム(:近代的)というと、過去の価値観との決別や否定として捉えられるところが多いと思いますが、数寄屋の心の中にはモダン(:今風でしゃれていること)があるように思います。 千利休は当時最も著名な数寄屋の心を持つインフルエンサーだったと思います。 白鳥庭園、清羽亭の建築施工 かつて名古屋で開催された世界デザイン博の迎賓館として建築された茶室「清羽亭」を渡邊工務店は施工し、芸術院賞の栄誉にその技術力を証明いたしました。 小牧展示場では他社の真似のできない数寄屋の心が宿るシンプルモダンを、素材にこだわった天然木と匠の技を活かした出来映えで実現していますので、是非ともご来場の上ご体感ください。 建物の外観やリビングダイニング、キッチン、設備、ストリップ階段等モダンに仕上げていますが数寄屋の心の源泉の和室は原点回帰の設えとしてあります。 松尾芭蕉の言葉に「不易流行(ふえきりゅうこう)」があります。 「不易という永遠に変わらないこと(もの)を忘れず、流行という新みや変化も同様に取り入れて行くこと」で、不易も流行もともに大切であり渡邊工務店の仕事にも通ずることであると理解しています。 小牧展示場のモデルハウスも数寄屋の心とモダンな設えを同じ視線からご覧いただければ幸いに存じます。 ■「天然木の家・快適エコライフ」小牧展示場について詳しくはこちら ■熟練大工の匠の技について詳しくはこちら ■最寄りの展示場について詳しくはこちら ■資料請求はこちら -
2021.10.07 /
第80回:緑化の効用
緑化(緑がない場所に植物を植え、植物の持つ機能を利用しようとするもの)による建物の省エネ効果は、緑のカーテン(屋上や壁面)により、室温が3度以上低下する為、冷房電力の20%~40%が節約できると言われています。 緑化は街づくりにも、個人の家造りにも大切なことだと思います。 緑化を都市で考えるとヒートアイランド現象の緩和(緑の役割は天然のラジエータ<加熱や冷却を行う機器>)として真夏日や熱帯夜の発生を抑えたり、オープンスペースの確保による防災効果があります。 愛知県や県下の各市町村において街の緑は、人々に潤いと安らぎを与えてくれるとともに、環境の改善に資する(しする:役立つ)身近で貴重な自然であり、街の安全性を高め、美しい街づくりを進める上でも重要な役割を果たしているとし、公園緑地の整備や緑地保全・都市緑化の推進を図ってきました。 しかしながら、市街地の多くの部分を占める民有地の緑の減少により緑の全体量は減少しています。そのため街の緑の保全・創出・活用を一層推進したいと考えられています。 そのような背景から交付金対象事業として「あいち森と緑づくり都市緑化推進事業」により、愛知県内の市町村等が行う民有地の緑の活用のための取り組みが行われています。 これは、個人の住宅も同様に考えられると思います。 緑化のもたらす心理的・生理的な癒し効果やテクノストレス(デジタルデバイスが原因で生じるストレス)の解消はもちろんの事、ご年配の方にとっては日々の健康増進だけでなく、かつての会社生活から距離を置き、ご近所との触れ合いを深めるきっかけとして、ガーデニングや家庭菜園を嗜むことが役に立つように思います。 緑化の効用は、これからのアフターコロナの暮らしに大切になってくると思います。 それぞれお気に入りの樹木や草花の緑化を楽しんで、四季の暮らしのプラスαになればいいですね。 手前がジューンベリーで奥がハナミズキ 9月中旬のある庭です。手前に大きく写っている樹木は落葉樹のジューンベリーです。 春になると新芽が芽吹き、白い花を咲かせて6月に小さな赤い果実が実ります。 その頃は、様々な野鳥が朝早く訪れて赤い実を啄んで(ついばんで:鳥がくちばしでつついて食べる)います。 奥の樹木は落葉樹のハナミズキで、春に葉が出ると同時に開花し秋まで広葉を付けています。 10月になると秋の落葉前の紅葉が綺麗で季節を感じさせてくれます。 冬は葉が落ちた後なので日が差して明るく感じます。 シマトネリコ こちらのシマトネリコは株立ち(一本の茎の根本から茎が分かれて立ち上がっている様子)で、初夏に小さな白い花を咲かせます。 常緑樹で葉も小さく、葉の裏表に濃淡があり、自然の風に揺らぐ姿がひらひらして風情があります。 庭先に植えると木陰を作ってくれて日中は涼しく風も感じ、そして道路や隣家からの視線を遮ってくれます。 サンパチェンス(パッションオレンジとオーキッド) 花の季節が残り少ないサンパチェンスですが、春から秋まで長く花を楽しめます。 季節感を豊かにするために花を咲かせることにもトライしています。 庭植えだけでなく、植木鉢やハンギングバスケットでの栽培も楽しいですね。 次に何を育ててみようかなと考えてホームセンターのガーデニングコーナーに行くと、時間が経つのを忘れてしまいます。 家は建てた時から古くなっていきますが、緑化はその逆で時が経つほど育っていき、手入れを怠らないといつも新鮮で瑞々しいですね。 住宅新築の計画は新居の完成入居で終わりますが、家族の暮らしと緑化活動は新居に入居した時から始まります。 古くなっていく家での暮らしと、家族の成長と育っていく樹木や庭を見守ることは、貴重な体験として思い出の中に残ってゆくと思います。 かつて家を建てたばかりのお客様が、ご自身の子供の頃にカブト虫捕りで遊んだ里山で幼い息子様といっしょに採ってきたドングリを庭に植えて「このドングリの樹が大きくなって、いつかカブト虫が来るような庭になるといいな。」と仰っていました。 ドングリを植えてから大きな樹に育つまで家族で楽しめそうなお話ですし、息子様が結婚していずれお孫様をつれてその家に帰ってきた時、大きく育ったドングリの樹の下で「じいじ」の子供の頃の話や、息子様と一緒に遊んだカブト虫捕りやドングリ拾いをした里山の話などをお孫様と楽しく語れそうですね。 家を考える時に、ご自身の想いを込めたストーリーの緑化を取り入れてご検討いただけたら嬉しく思います。 -
2021.08.19 /
第79回:省エネ空間と快適空間
環境に対する世の中の動きは社会目標としてSDGs(持続可能な開発目標)が掲げられ、企業投資ではESG(環境・社会・ガバナンス)が重視されて、子供たちの未来の為に地球環境に責任を果たそうとしているように思います。 そう考えると私達個人が住まいを考える時、住宅の「省エネ空間」を作る投資も未来の地球に少なからず影響を及ぼす大切な事柄だと思います。 省エネ住宅建築に関する様々な規制と共に、省エネ住宅を促進する優遇税制や融資制度が整備されていることも、子供たちの未来の為の地球環境に対する責任が背景にあるからだと思います。 渡邊工務店も循環型森林資源の活用により二酸化炭素の固定化に寄与し、地域国産材の活用により海外からの木材の輸送コストが環境負荷となるウッドマイレージの観点からも、脱炭素社会の実現に貢献していく所存です。 渡邊工務店はマッハシステムにより「省エネ空間」を「快適空間」へ暮らしの空気品質を高めることにチャレンジしています。 次世代型全館空調マッハシステム図(エアコン1台で建物全室の空気の質を管理) 「省エネ空間」と「快適空間」はイコールではなく、今までの省エネ住宅では暮らしの空気品質については「省エネ空間」は断熱性能を上げることを実現できても、快適と言うには足りないところがあると思います。 住宅の省エネ基準はUA値(外皮平均熱還流率)で客観的に表せます。 これは家の中から外へ逃げる熱の値で、値が小さいほど熱が逃げにくく省エネルギー性能が高いことを示します。 様々な省エネ住宅の断熱性能が冷暖房のエネルギー負荷を抑え、結果的に環境に優しい建物となります。 その建物の作り方のポイントは断熱性と気密性を高めることです。 その目的は熱が伝わりにくい様々な断熱材を使って対流(流体の流れによって熱が伝えられる現象)や熱伝導(静止している物の内部において高温側から低温側へ熱が伝わる現象)が生じないようにし、隙間を無くすことで室内の空気の流出や外気の流入を防ぐことだと思います。 その為には断熱材により細かい空気の部屋を作って空気の動きを閉じ込めて断熱性を高め、確かな施工により高い気密性を保つことが大切になります。 身近な例ではダウンジャケットや羽毛布団なども同様だと思います。 UA値は温度を1度(K:ケルビン)上げ下げするときに1㎡当りにかかる外皮貫流熱量(家の中から外へ逃げる熱の量)で計算します。 W(ワット)数で表すと1㎡当り1度の温度変化は1Wの熱量が必要であり、それがUA値=1.0です。 計算式: 外皮平均熱貫流率(UA値:W/㎡K)=外皮貫流熱量合計(W/K)÷外皮面積(㎡) 一般的な2階建て40坪(およそ外皮面積350㎡の場合)で検討してみましょう。 UA値=1.0の場合: 350㎡×1.0W/㎡K=350W/K(温度が1度上下変化するに必要な熱量) 2階建て40坪の建物で冬の日の朝5度の室内温度を25度まで上げたい場合。 温度を20度上げるとすると20K×350W/K=7000Wのエネルギーが必要です。 UA値=0.5の場合は同様の計算式なので3,500Wの熱量で足ります。 よってUA値を1.0から0.5に小さくすればエネルギー(電気代)も半分になります。 家庭用ルームエアコン14帖タイプはおよそ4,000W、18帖タイプは5,600Wの能力なので、 UA値=0.5の40坪の住宅では熱量計算だけなら1台のエアコンでクリアできます。 しかしながらUA値=0.5の40坪の住宅レベルでもエアコンを各部屋1台毎に設置して、結果的に外皮貫流熱量(建物が損失する熱量)を大幅に超えるエネルギーを消費してしまう住宅も数多くあります。 ここからは「快適空間」の説明も加えていこうと思います。 一般の住宅では、UA値のみの「省エネ空間」をエアコン1台で家全体の空気を管理し「快適空間」を実現することは難しいと思います。 空気は熱を伝えにくい性質があり、その性質が断熱材や羽毛布団、ダウンジャケットの快適性に繋がるのですが、「快適空間」を作るには空気の長所が逆に障害となり、建物内の温度・湿度・清浄度を一定にするには、空気の流れを人為的に管理する必要が生じます。 一か所の吹き出し口から強制的に風を送っても、空気そのものでは混ざりにくく動きにくく、熱を各部屋の隅々まで万遍なく伝えにくい性質を空気は持っています。 冬でもサーキュレーターが重宝されるのはこのことが理由の一つだと思います。 家の中には玄関、トイレ、洗面所、廊下、階段、寝室、子供部屋等など様々に区切られたスペースが随所にありますが、「省エネ空間」を超えて「快適空間」で暮らすために、結果的に必要なエネルギーを超える複数のエアコンを備え付けざるを得ない住宅が現実としてあります。 どんなにUA値が低い高性能な高気密高断熱住宅も、室内の空気の質を管理しないと折角の省エネ水準が活かせず、過分なエネルギーを加えないと「快適空間」は実現しない恐れがあります。 渡邊工務店としては、断熱性と気密性の高い住宅の「省エネ空間」を、マッハシステムの大風量・小温度差空調で建物全室の空気を動かし空気の質を管理することによって「快適空間」への質的変化を促し、その「快適空間」で実現される建物全室の温度の平準化(へいじゅんか:均一にすること)が、家全体の外皮貫流熱量に見合うだけのエネルギー量の供給をエアコン1台で可能とし、本当の意味での省エネ住宅の普及に繋げたいと考えています。 ■エアコン1台で快適空間について詳しくはこちら ■体感ハウス「マッハ空間」展示場について詳しくはこちら ■最寄りの展示場について詳しくはこちら ■資料請求はこちら -
2021.07.29 /
第78回:丹波篠山市福住を訪ねて
兵庫県にある福住(ふくずみ)は国が指定する重要伝統的建造物群保存地区です。 昭和50年の文化財保護法の改正によって伝統的建造物群保存地区の制度が発足し、城下町、宿場町、門前町など全国各地に残る歴史的な集落・町並みの保存が図られるようになりました。重要伝統的建造物群保存地区はその一つで、我が国にとって価値が高いと判断された地区です。 愛知県も有松と足助が指定されていますが、福住は人影が少なく観光地化もされていなく、昔ながらの田舎の風情をより感じました。 福住を訪れようと思ったのは古い建物と街並みの日本の原風景が残っていることと、築100年を超える住宅を活用した宿泊施設があり宿泊の体験ができること、近くに日本六古窯(にほんろっこよう:日本古来の陶磁器窯の内、中世から現代まで生産が続く代表的な6つの窯の総称)の一つである「丹波立杭焼(たんばたちくいやき:兵庫県波篠山市今田地区付近で焼かれる陶器)」があったことなどです。 ホテル玄関前と街並み(福住宿場町ホテルホームページより) 福住宿場町ホテルはかつての旧家を利用した宿泊施設で、私は蔵を改装した部屋に宿泊しました。 壁の厚さの重厚感が凄く、暫く隣接の茶室と共に部屋の隅々まで観察していました。 重厚感たっぷりの蔵の扉 茶室が隣接しており、竹材などもあしらわれ床柱は桜の柱で網代天井(あじろてんじょう:スギやヒノキ、サワラなどを薄く剥いだ「片板(へぎいた)」を交互に編んだ天井)でした。 待合の梁 構造体は杉と松の柱が使用され、数年前にホテル施設にリフォームされたそうですが、構造体の柱は以前のまま活用されたとのことで、施工にあたった大工さんも当時の施工技術に驚いていたとのことです。 天然木の柱と腕の確かな大工さんの技術があれば、100年以上経っても構造体はびくともしないという証を体感してきました。 こちらの建物は江戸時代からの油問屋(あぶらどんや:江戸時代に油の販売を取り扱った問屋)で地域の名士(めいし:有名な人)の家だったそうです。 私が泊まった蔵以外にも味噌蔵やお祭りの道具を入れるための蔵があり、建築については当時最高の材料と技術が投入されたように思います。 宿泊ホテルの前に日本家屋の篠山暮らしお試し住宅「福住 わだ家」があります。 「福住 わだ家」は移住定住を考えていて、一定期間お試しで暮らしてみたい方や長期間の滞在で農業体験など田舎暮らしをしてみたい方の為の施設で、町おこしに一役かっています。 渡邊工務店もお試し住宅として体感ハウス「マッハ空間」 展示場をご用意しております。百聞は一見に如かず、百見は一行に如かずと申しまして、一つの体験に勝るものはないと思いますのでご興味のある方は是非ご利用お願いいたします。 宿泊ホテルの少し先にある日本家屋を再利用した介護施設です。 このように福住は伝統的建物群保存地区で、日本の古い建物や街並みに興味がある方にとっては、日本の原風景が楽しめるところとしてご紹介できると思います。 温故知新(おんこちしん:昔の事をたずね求めて、そこから新しい知識・見解を導くこと)の如く木造建築の素材・技術・伝統に興味があってこれから新築をご検討の皆様には、近くの重要伝統的建造物群保存地区を見学し、宿泊体験することも良いかもしれません。 ところで最近気になるCMがありました。 マクドナルドの50周年記念で「僕がここにいる理由」という、家族をテーマにした1分間のCMです。62才の宮崎美子さんご本人の演じる中学生は驚きの一言です。 CMの音楽は「もしも私が家を建てたなら、小さな家を建てたでしょう。大きな窓と小さなドアと、部屋には古い暖炉があるのよ」で始まる1970年代にヒットした「あなた」という曲です。 手嶌葵さんのカバー曲と宮崎美子さんの演技が秀逸で、自分自身の1970年代当時の思い出が蘇り、タイムスリップしたような懐かしさを感じました。 その後の50年後の孫と祖父母のシーンも、同じシニア世代の為かほっこりしました。 ビックマックを恋で食べられなくて、愛で頬張れるのは現代でも変わらないのかな。 50年前のオープン当時にデートでマクドナルドにいらしたお客さまの実際の思い出に基づいて制作されたとのことで、50年経ってもお孫さんやご家族と一緒に来ていただけるよう、これからもずっと訪れられる素敵な場所でありたいとの願いが込められているそうです。 渡邊工務店もご入居されたお客様から頂くお手紙で、素敵なご家族のストーリーを拝見させて頂く機会がありました。 創業以来114年でおよそ8,000棟を超える建物のお引渡しをさせて頂いていますが、それぞれのご家族の素敵な物語の舞台をお届けさせて頂けたことに深い感慨を覚えます。 これからもご家族の素敵な物語を紡いでいく舞台となる住宅をお届けできるよう精進してまいりますので宜しくお願い致します。 ■渡邊工務店の家造りについて詳しくはこちら ■体感ハウス「マッハ空間」展示場について詳しくはこちら ■最寄りの展示場について詳しくはこちら ■資料請求はこちら -
2021.07.20 /
第77回:住宅展示場の歩き方
現在はコロナ禍で海外旅行を楽しむこともままならないですが、個人の旅行でパックツアーではなくオーダーメイドの旅行を企画したいとき、「地球の歩き方」という本を参考にされた皆様も多かったと思います。 「地球の歩き方」に倣って、国産天然木による本格木造建築の注文住宅を得意としている渡邊工務店の住宅展示場に「住宅展示場の歩き方」というテーマでアプローチしてみたいと思います。 住宅展示場はこれから新居を建てようとご検討されている皆様にとって、最良の情報源となっていると思います。 百聞は一見に如かずの如く体験に勝るものはありませんし、住宅会社の社員に触れることで会社の雰囲気や相性、そして体感で得られるその会社の哲学も感じられると思います。 またホームページやSNSで様々な住宅の情報を収集し、住宅情報のアドバイス店舗のカウンターで相談されることもあるかと思いますが、近年は、ある程度検討する住宅会社を絞った段階で住宅展示場を見ながらお打ち合わせをするケースが多いように思います。 渡邊工務店は、来る9月5日(日) 小牧市にロードサイドの単独モデルハウスをグランドオープン致します。 現在、住宅各社が競う4か所の総合展示場にそれぞれタイプの異なるモデルハウスと、大府市内にある木造住宅専門の総合住宅展示場「ウッドビレッジ」に平屋を含めた3棟のモデルハウスを構えています。 また渡邊工務店が独自で木造住宅情報発信基地として運営している施設「ワタナベビレッジ」に2棟のモデルハウスがあります。 9月5日(日)オープンの小牧展示場を含め、7か所全10棟のモデルハウスで皆様のお役に立てるよう運営しております。 1.大きなモデルハウス6棟の見所(小牧新展示場、ウッドビレッジ含む) 総合住宅展示場のモデルハウスはどの会社も建物規模が大きく内装も華美で、実際に建てるには大きすぎて贅沢で参考とならないというお声を頂くこともあります。 平屋の建物について、弊社ではシンプルな平屋から展示場の規模やグレードを超える建物の平屋も手掛けさせて頂いていますが、どのような建物も渡邊工務店の実売レベルの施工力で対応させて頂いています。 施工の大工、職人も当社専属でお客様の建物を日常ご担当させて頂いています。 天然木素材の多くもワタナベビレッジ内の銘木館でご確認いただき、リーズナブルな価格でお求めいただけます。 このように渡邊工務店の総合展示場のモデルハウスの見どころは、実際に購入できる天然木の材料と、大工・職人の技能、仕事振りをご確認いただけることだと考えています。 (渡邊工務店平屋施工実例) (渡邊工務店平屋施工実例) モデルハウスにご満足いただければ、天然木の素材も施工の出来映えも、お客様の建物にしっかりモデルハウスの再現性を実現することができると考えております。 このことは、弊社ホームページの施工実績や、イベント情報でご案内しているお引渡し前の建物の完成現場見学会でご確認いただけると思います。 どんなに素晴らしい素材や施工技術を駆使したモデルハウスでも、会社が日常の仕事で再現できなければそのモデルハウスを参考にご自宅を検討する意味はなくなると思います。 モデルハウスとご自宅の建物の再現性のレベルを是非ご確認ください。 2.ワタナベビレッジ及びウッドビレッジの実邸規模モデルハウス(28坪~41坪の大きさ) こちらは、空間的広さと実際の動線、価格のイメージをご理解いただけるモデルハウスです。 お引渡し前の施工現場はお客様の価値観が反映された注文住宅なので、皆様の我が家のテイストに置き換える作業が必要ですが、普遍的なモデルハウスの方が判りやすいと思います。 価格のお話についてもモデルハウスをベースにご検討いただくと、判りやすく深堀りできると思います。 大きな見どころとして、渡邊工務店は他社が真似のできない小温度差・大風量の全館空調マッハシステムでウィルスや飛沫対策に驚きの効果がある室内環境を実現しております! ワタナベビレッジ内の体感ハウス「マッハ空間」は、全館空調マッハシステムを採用しており宿泊体験が可能ですので是非ご体感ください。 他社のモデルハウスを見て感じたところ。 省エネ全館空調を売りにしているにもかかわらず、モデルハウスの裏手を見ると業務用の大きな室外機や、家庭用の室外機が何台も並べてあるところが気になりました。 モデルハウスは会社のショールームでお客様に対して最も気を使って管理されていると思っていますが、雑草が庭に生えたままや、勝手口回りが雑然としていた会社がありました。 いくら会社は全国的に立派でも、その事業所の現場施工の管理を心配してしまいます。 他にもありますが、弊社も教訓とするところもありこの辺りにとどめます。 皆様も総合展示場で様々な角度から各所を比較頂ければと思います。 ■最寄りの展示場について詳しくはこちら ■「天然木の家・快適エコライフ」小牧展示場について詳しくはこちら ■渡邊工務店の家造りについて詳しくはこちら ■エアコン1台で快適空間「マッハシステム」について詳しくはこちら -
2021.06.29 /
第76回:紫陽花と庭
渡邊工務店が施工に携わった、自然素材を活かした本格的な数寄屋造りの茶室「清羽亭」がある白鳥庭園は本格的な日本庭園で、今は紫陽花が見頃と白鳥庭園のホームページで案内されていました。 私は先日、梅雨時の晴れ間に、近くの紫陽花園に行ってきました。 こちらも今が盛りでとても奇麗に咲いていました。 私の好きな正岡子規の俳句に「紫陽花や 昨日の誠 今日の嘘」という一句があります。 日々、薄紫から濃い紫色へと少しずつ変化する紫陽花の様子を擬人化して表現しているのと同時に、「人の心も花の色のように移ろいやすいもの」という気持ちが込められているとのことですが、年を重ねるほどに様々な人達との交流を思い浮べてしんみりする俳句です。 紫陽花の花言葉は花の色が変化することから「変節(へんせつ:自分の信念を時流などにこびて変えること)」「移り気」「浮気」という花言葉が有名ですが、イメージがよくありませんね。 しかしながら多くの西洋紫陽花は、小さな花がひしめき合って咲いているように見えることから「団らん」「和気あいあい」「家族」という花言葉もあります。 そして、日本原産の額紫陽花(がくあじさい)には、「謙虚」という意味の花言葉があります。 額紫陽花は、西洋紫陽花のような華やかさはなく、少し控えめで可憐な雰囲気の紫陽花です。そのイメージから「謙虚」という花言葉がつけられたといわれています。 こちらの花言葉はお気に入りです。 額紫陽花は小ぶりに整えると、小さな自宅の庭にも謙虚に収まりいい感じです。 実は紫陽花は日本原産の植物ですが、江戸時代に長崎の出島にドイツ人医師として来日したシーボルトによってヨーロッパに持ち出され、ヨーロッパの人々にも親しまれ現在はヨーロッパで品種改良された艶やかな紫陽花が逆輸入されるほどになりました。 そんなわけで紫陽花は本格的な数寄屋の建物がある日本庭園や、シンプルモダンの洋風の建物のガーデニングにもよく似合い、梅雨時にぴったりの庭の設えになると思います。 また花の色は紫陽花の性質だけでなく育つ土壌のpH(ペーハー:液体が酸性なのか、アルカリ性なのかを表す尺度のこと)によっても変わります。 植木鉢で奇麗なブルーの紫陽花を育てていて、庭に植え替えると別の色の紫陽花の花が咲いてしまうことは紫陽花あるあるです。 逆に土壌をコントロールすることで紫陽花の花の色を楽しめる事ができると思います。 日本の四季の中で梅雨時はじめじめして鬱陶しく思われがちですが、美しい紫陽花を庭に植えて梅雨時を楽しんでみることもいいと思います。 そのような梅雨時でも次世代全館空調「マッハシステム」なら建物の中を高原のリゾートのような爽やかな空気にしてくれます。 マッハシステム搭載の住宅展示場をご体感頂ければ嬉しく思います。 こちらから来場予約頂くと、紫陽花が見頃の「白鳥庭園」入園券と茶寮「汐入」呈茶セットのペアチケットをプレゼントいたします! この機会に是非ご来場ください。 スタッフ一同、心よりお待ちしています。 ■渡邊工務店の家造りについて詳しくはこちら ■エアコン1台で快適空間「マッハシステム」について詳しくはこちら ■最寄りの展示場について詳しくはこちら ■資料請求はこちら -
2021.06.17 /
第75回:陰翳礼讃
先日、ある番組を見ていると、欧米の方が日本家屋の照明は昼光色(ちゅうこうしょく:他の色と比べて白っぽく青みがかった最も明るい色)のLEDや蛍光灯を多用していて、夜でも昼間のように明るく白すぎて落ち着かないと仰っていました。 このようなご指摘はライティングデザインとして、日本の中でも多くの方からご指摘されるところになっています。 そういえば欧米の家屋のリビングや寝室は電球色のLEDや電球を薄暗く配したり、キャンドルや暖炉の火を使ったりして暖色の薄明な空間をつくるケースが多いと思います。 天井シーリングライトがなく、灯りはスタンドで設えられている客室のホテルはよく目にします。 同じようにホテルのラウンジバーやレストランも照明は落ち着いた感じです。 恐らく、折角の夜を昼間のように明るくしないで、豊かな大人の夜の時間を過ごしてほしいとのことだと思います。 海外の映画やテレビの海外旅行記でみるナイトライフを垣間見ると羨ましくもあります。 ところで昭和初期に文豪の谷崎潤一郎が「陰翳礼賛」(いんえいらいさん)という随筆で、こちらの欧米の方と同様なことを仰っています。 近代化して電灯などで明るくなり、便利な電化製品が日常の暮らしに取り入れられる中、室内の設えや日本古来のライティングに対する想いを語ってらっしゃいます。 近代化と共に欧米に憧れ影響を受けてきた日本の新築住宅は、現在でも可能な限り部屋の隅々まで明るくして、陰翳(いんえい:光の当たらない暗い部分)を消す事に執着する傾向が少し残っているように思いますが、それ以前の日本ではむしろ陰翳を認めるところに、日本古来の美意識・美学の特徴があると主張されているように思います。 こうした主張のもと、建築、照明、紙、食器、食べ物、化粧、能や衣装の色彩など、多岐にわたって陰翳の考察がなされていて、海外でも翻訳されていてデザイン論としても評価が高いようです。 渡邊工務店施工事例より1 欧米の方も谷崎潤一郎も日本や海外のライティングに対して、相手方を真逆な立場として捉えて同様なことを言っているようで不思議な感じです。 渡邊工務店施工事例より2 陰翳礼賛の例えとして、白塗りの舞妓さんは白昼や蛍光灯の下では違和感がありますが、夜の和室で行燈(あんどん: ろうそくや油脂を燃料とした炎を光源とする照明器具)の揺らめく灯りに照らされた姿は妖艶そのものです。 同じように、金屏風や螺鈿(らでん:夜光貝その他の貝類を彫刻して漆地や木地などにはめこむ技法)細工、金蒔絵(きんまきえ:漆器の表面に金箔を細かくした消粉で絵や文様、文字などを描き、器面に定着させたもの)や真っ赤な漆器も、蛍光灯の下や昼間にそれだけを見ると少し悪趣味かなと思うところもありますが、老舗旅館や料亭でそれなりの薄明のライティングと設えで見ると、違和感なく艶めかしく受け入れられます。 家の内装やインテリア、照明を考える時に、大壁工法で白い壁クロスを張り、明るいライティングにすることも良いとは思いますが、成熟化した世の中になり、家で過ごす時間を大切にする事も多くなってくると思うと、陰翳礼讃に習う事も考えてみてはどうでしょうか。 渡邊工務店は本格木造軸組工法を基本としていて、柱だけでなく内装に杉や桧の天然木の素材を活かす工夫もしています。 「マッハ空間」-Cube-大府展示場より 暖色系のライティングとの相性が良く、生成色(きなりいろ:ごく淡い灰色がかった黄褐色)の壁材と共に和室の障子や畳では、ライティングの映しだけでなく、トワイライトの日が差し込む障子紙ともマッチすると思います。 量産型の工業化住宅やプレハブ工法だとなかなか困難だと思いますが、日々の暮らしに日本人が古くから持っていた趣味や美意識を取り入れてみるのも良いのかなと思います。 「天然木の家・快適エコライフ」春日井展示場より ■施工実績について詳しくはこちら ■渡邊工務店の家造りについて詳しくはこちら ■最寄りの展示場について詳しくはこちら ■資料請求はこちら -
2021.06.03 /
第74回:ウッドショックとSDGs
コロナ禍を発端とした需給ギャプによる、木材の高騰による建築現場の混乱は終息の気配を見せませんが少し変化の兆しもあります。 アメリカの木材の価格が5月初旬の高騰時より20%近く下落している状況です。 トレーディングエコノミックスより このような木材価格の変化はアメリカの建築現場にもまだ影響が少ないようですが、年率換算のアメリカ新築着工は4月には3月より予想に反して減少となりました。 そして過熱気味のアメリカ証券・金融市場では、年後半に金融緩和縮小やインフレ懸念による金利上昇によって、現在のアメリカの住宅ブームも落ち着くこともあるとも言われています。 そうなると現在のウッドショックの様相も変化するかもしれません。 ウッドショックについては、この一年間の短期的な対応と長期的な対策を考えないといけないように思います。 渡邊工務店は東濃エリアの地域材を製材組合と直接取引しているので、世界的なウッドショックにより木材の仕入れが出来なくて建築現場が止まるようなことはないと思います。 価格についても買い手良し、売り手良し、世間良し、の三方良し、を基本にしていたからこその114年間の事業継続があったと思います。 それでも全体の市場の価格変化に影響を受けることは否めませんが、今まで価格重視で安く買いたたいてきたローコスト系住宅会社や建売会社が、高い値付けをして木材を仕入れたくても調達できなくて建築現場が困るようなことにはならないと思われますし、弊社としては同じような扱いを受けるようには思いません。 そして、今回のウッドショックは木材資源の特殊性と大切さを再認識させてくれました。 木材は天然資源で苗木を植えてから伐採して使用できるまで、桧柱の12㎝角(3m)で最低でも50年くらい、杉は40年くらい掛かります。 困ったからと言ってすぐに対応できるような資源や産業ではありません。 北米の大きな木材会社は北海道と同じ位の面積の森林を保有しているそうですが、毎年森林の2%を計画的に伐採し、植林をしているそうです。 2%の伐採・植林だと全体の森林を50年で一回りすることになるので永続的に循環して森林事業が営むことが可能です。 また、樹木の二酸化炭素を取り込む力は育つ力の強い若木から壮年木が強く老年木になると衰えていくようです。 よって、50年単位で計画的に営まれる森林事業はカーボンニュートラル(カーボンニュートラル:温室効果ガスの排出を全体としてゼロにすること)にも貢献する事業であると思います。 かつて南米アマゾンや東南アジアの無法伐採が環境破壊を引き起こしてしまいましたが、元に戻るまでは大変な時間と労力がかかります。 その影響は気候変動だけでなく海洋漁業や近隣の農業にも深く影響があるそうです。 2015年9月の国連サミットで加盟国の全会一致で採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に記載された,2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標としてのSDGsの考え方でウッドショックを見直してみると、持続可能な林業の育成が住宅建築業だけでなく地球環境にも大切なように思います。 私たちの日本においてもSDGsの発想で林産業を振興しカーボンニュートラルに貢献できるように思います。 日本の国土の約7割は森林といわれていますが、今回のウッドショックが森林の価値を見直し更に活かす契機になればと思います。 海に囲まれて四季のある恵まれた森林国土を大切な資源として活かしていく工夫が試されると思います。 森林が荒れると気候だけでなく天然のダムとしての治水や沿岸の漁業にも影響を及ぼします。 また、循環型の森林資源の管理は木の成長育成を通じて二酸化炭素の固定化を促進し、カーボンニュートラルの実現に寄与すると思います。 そして私達のような木材を加工する側の建築会社の役割も大きくなると思います。 東濃桧のような地域に根差した高品質で美しい天然木素材、その素材を活かして魅力的な木造建築を作る技術、その技術の証とした長い業歴・歴史が必須の条件になると思います。 そのように造られる100年住み継がれていく家は、欧米のような長寿命の循環型の社会資産としての不動産の役割と共に、長期にわたる二酸化炭素の固定化機能としての役割でカーボンニュートラルにも貢献するように思います。 先日、渡邊工務店で17年前に建築いただいたお客様からお手紙を頂きました。 訳あってご自宅を売却されるにあたって、下記のような内容のお礼のお手紙でした。 当時生まれたばかりのお子様は高校生となり、現在は中学生のお子様もいらっしゃるとのことです。 新築から17年間のこの家での暮らしが、ご家族としての青春の1ページに深く刻み込まれ、仲良く幸せに暮らせた家でしたとのお礼を頂いた次第です。 また新しいオーナー様は当初は建替え予定で、新しい家を建築するご予定でお客様の敷地をご購入されたそうですが、実際に渡邊工務店の建物を見て壊すには勿体ないと、そのまま住み続けて頂くことになったとお手紙でお知らせいただきました。 渡邊工務店として有難いお言葉とエピソードを頂き感謝の念に堪えません。 社内で共有し、これからも同じようなお話を頂けるように精進していく所存です。 社長の渡辺も、こつこつとプライドを持って技術を活かし真面目に長年やってきて良かったと、専属率100%の各職方にもこのお施主様のお言葉を伝えると、感激して申しておりました。 渡邊工務店で建築した木造建物が子々孫々に引き継がれるだけでなく、社会資本としてまだ見ぬ新しいオーナーへ引き継がれていき、持続可能な社会とカーボンニュートラルな世の中の実現にお役に立てるよう願っています。 外務省のJAPAN SDGs Action PlatformにてSDGsの説明や日本政府の取り組み、そして各団体の取り組み事例が紹介されています。 各団体の中の企業取り組み事例では、渡邊工務店の取り組み事例も紹介されていますので、外務省のJAPAN SDGs Action Platformと共にご覧いただければ幸いです。 紹介事例より抜粋 ■SDGsの取り組みについて詳しくはこちら ■森づくりの活動について詳しくはこちら ■渡邊工務店の家造りについて詳しくはこちら ■最寄りの展示場について詳しくはこちら ■資料請求はこちら