2020.06.17 /
こちらは渡邊工務店飛島本社吹抜けロビーにある杉柱です。
高さは10mくらいで3階建ての高さです。存在感があり渡邊工務店の象徴です。
本社にご来訪の際はご覧いただければ嬉しく思います。
この杉柱の産地は長良杉で、岐阜県長良川の川上エリア郡上郡の地域産材です。長良杉は、その木目の美しさに定評があります。
白身と赤身が混在したものは、源氏と平家の旗色にちなみ「源平」と呼ばれ、その美しさも長良杉の魅力で手触りはきめ細かで柔らかです。最近では大府平屋展示場で源平杉を使用していますので展示場で体感頂ければ幸いです。
ところで先日、神戸の山里にある古民家薬膳カフェにランチに行きました。築120年の農家を薬膳カフェの為にリフォームされたとのことです。
その建物は屋久杉の柱で建築された古民家でした。
ローゼン ファームズ カフェ (RAWZEN FARMS CAFE)(食べログ)
開店間もないようですが、趣のある古民家の造作や什器備品の数々は、オーナーのセンスとマッチして素敵なカフェ空間を醸し出していました。
屋久杉は屋久島の標高500m以上の栄養の少ない花崗岩山地に自生し、通常の杉の樹齢は500年と言われているなか、樹齢1,000年以上の杉のみが名のることのできるプレミアムな杉です。
屋久島は雨が多く高地の自生地は厳しい環境の為、通常の杉に比べ半分の成長率しかありませんが、年輪の目が詰まった油脂分の多い質の高い杉に成長し建築材として珍重されました。
中には2,000年以上の樹齢のある屋久杉もあるそうです。ちなみに現在の屋久杉は新規で切り出せないので、より貴重な建築材の建物です。
こちらのカフェの建物で屋久杉の良さ、大工の仕事の良さ、そしてオーナーの趣味の良さを感じました。
(店内情景)
一般の住宅のインテリア空間に当たるところですが、床の間とのマッチ、欄間の設え、昔に先代がお願いして近くのお寺のご住職に揮毫(きごう)いただいた襖、そして様々な小物や什器などが雰囲気のある空間を作っています。
120年も経っているのに隙間や狂いのない屋久杉の柱や造作の収まりはキッチリとしていて、その柱は構造躯体としても化粧材としても存在感と風合いがあります。
良質な木材と120年経っても寸分の狂いもない高い技能と丁寧な大工の仕事は時を経て証明され、古民家が新しい世代に生まれ変わり受け継がれていくことが嬉しく思いました。
渡邊工務店の東濃桧や長良杉等の地域産材を活かした天然木の家も、時代にマッチして何代にも渡って暮していただけたらいいなと感じました。
2020.06.11
2020.06.26