暮らしに平和を

2020.08.11 /

第54回:窓と断熱材と適材適所

 

8月に入って毎日暑い日が続いています。
マスクで出歩くには厳しい暑さで、熱中症対策も気にかかるところです。

高気密・高断熱の住宅は室内の快適な暮らしには欠かせないことですね。
高気密とは隙間を無くして建物の気密性を高めることで主に窓サッシや玄関の対応であり、高断熱とは断熱材の性能を良くして建物の断熱性を高めることです。

北海道に行くと、窓はトリプルサッシやFIX窓、押出窓が多くみられ大開口の掃き出し窓は少ないように思います。
玄関を2重にした風除室の設置も愛知県では見られない設計です。
建物外観が北欧のようなイメージの街並みが見られます。

北海道内の主要都市と世界の都市の緯度の比較(緯度が高いほうが北極に近い)
ミラノ:45.47、稚内市:45.40サラエボ:43.85、旭川市:43.77モナコ:43.73
マルセイユ:43.29小樽市:43.19ウラジオストク:43.12、札幌市:43.05
ローマ:41.89、函館市:41.78バルセロナ:41.38

ちなみに、ベルリン52.31、ロンドン51.50、パリ48.51はずっと北方にあります。北欧スェーデンのストックホルムに至っては59.35です。

名古屋の緯度は35.10なので上記の都市に比べて随分南方です。
イラクのバクダッドが33.20、シドニーが33.52で名古屋に近いと思います。

愛知県に適合した快適な室内環境を造るには名古屋の緯度35.10にあった設計が必要です。

日本の家は“夏をもって旨とすべし”と言われていますが、本州の東京以南を前提にしていて北海道では“冬をもって旨とすべし”です。

ヨーロッパの都市も北海道より高緯度エリアが多く、昔の住まいは石造りで小さな窓の家が多かったと思います。

ちなみに緯度的に縦に長い日本の国土(37.7万㌔㎡)がもしヨーロッパにあると、ドイツ(35.5万㌔㎡)、イタリア(30.1万㌔㎡)、イギリス(24.2万㌔㎡)に比べで人口・国土面積とも凌駕している大国になると思います。

そんな地理的条件により、日本では快適な家造りの指標となるUA値は地域ごとに求められる数値が異なることとなりました。

UA値とは外皮平均熱貫流率といい家の中から外へ逃げる熱の値です。
下記表は平成25年省エネ基準の中のUA値省エネ基準

表UA値を別の角度から説明すると温度を1度上げたり下げたりするときに1㎡当りにかかる外皮貫流熱量のことです。
W数で表すと1㎡当りの1度の温度変化には1W熱量が必要であり、それがUA値=1.0です。

一般的な2階建て40坪(外皮面積350㎡の場合)で検討してみましょう。
UA値=1.0の場合
350㎡×UA値1.0=350W(温度が1度上下変化するに必要な熱量)
温度を20度上げたいとすると20度×350W=7000Wのエネルギーが必要です。
UA値が=0.5の場合
同様の計算式なので3500Wの熱量で足ります。
よってUA値を1.0から0.5に小さくすればエネルギー(電気代)も半分になります。

先般見学会を開催した街角モデルハウスはUA値0.46なので3220Wになります。

家庭用ルームエアコン14帖タイプは4.000Wなので熱量的にはこのエアコン一台で下記名古屋市の気象データであれば真冬の最低低気温にも対応できると思います。

居住室内全体の空気環境を満遍なく室内温度20度に設定・維持すれば高原リゾートで暮らす別荘生活と同様に快適な暮らしが実現できると思います。

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新芽時の高原の小川に流れる梅花藻ですが、マッハシステムで建物内にこんな気候を実現したいと考えています。

名古屋市 年平均気温:15.8 ℃  年降水量:1535.3 mm  統計期間:1981~2010(気象庁データより)

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よって、快適な居住空間を得るには断熱材や窓の性能アップの競争ではなくそのエリアの気象環境と建物のUA値、空調機や換気システムなどの室内空気環境を維持するための設備の投資を含めたバランスが重要になると思います。

その窓と断熱材によって、愛知県で建てる建物空気環境の何をどのようにしたいのかを問いたいと思います。
マッハシステムのような全館空調システムと組み合わせて初めて良質な空気環境は実現すると思います。
良質な空気環境の実現を窓や断熱材のスペック競争でごまかしてはいけないと思います。

渡邊工務店は木材の適材適所と同様な価値観でマッハシステムを取り入れて室内の快適な空気環境の実現を追求しています。

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