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2020.04.27 /
第48回:レジリエンス
最近、住宅の新しい形として「レジリエンス住宅」が各社から提案され、渡邊工務店においてもその取り組みに注力しており、この機会にご紹介したいと思います。 レジリエンスという言葉は私たちの本業である住宅だけでなく、心理学や、経営学・組織災害論などの分野において、広く使われるようになりました。 今般の新型コロナウィルス感染症対策における国や地方行政の対応、渡邊工務店も含めた企業の対応、家族や個人の対応においてレジリエンスの思想は考えさせられるところがあり、商品の紹介を超えてお伝えさせていただきたく存じます。 レジリエンスとは、跳ね返り、弾力、回復力、復元力という意味を持つ言葉です。 ストレスと共に、物理学の分野で使われていた言葉でしたが、近年では個人・組織ともに通用する「さまざまな環境・状況に対しても適応し、生き延びる力」として使われるようになりました。心理学の分野だけでなく、組織論や社会システム論、さらにはリスク対応能力、危機管理能力としても広く注目される用語だそうです。 第二次世界大戦の、ある戦争孤児達の追跡調査において、レジリエンスの思想が広く知られるようになりました。過去のトラウマで生きる気力も萎え経済的にも精神的にも不幸な人生を送る人達がいる一方、それらの苦しみを乗り越え幸せで豊かな人生を送っている人達がいることが調査結果で明らかになりました。苦しみを乗り越えた人達には、どんな困難や逆境もそれに押しつぶされることなく「それらの状況に応じて生き抜く回復力」という共通の傾向があったそうです。 同じような観点で日本が世界中から注目されたのは、2011年の東日本大震災での出来事でした。 大地震による建物倒壊、津波、福島原発事故の災害に見舞われた後も暴動やヒステリックな行動は見られず、落ち着いて、整然と復興に取り組む日本人の姿は世界の人たちを驚かせました。 この様な予期せぬ天変地異や大災害に立ち向かうには国家としてのレジリエンスが必要不可欠だと考えられています。 現在、国際会議であるダボス会議等でもレジリエンスはメインテーマとして採択され、グローバル化が進む現代社会では、今回の新型コロナウィルス感染症のパンデミックだけでなく、かつてのリーマンショックのような経済や金融危機が起きれば、被害が瞬く間に世界中に広がってしまいます。 そんな悪状況の中でも困難を乗り越えて元に回復させる国こそ、強力なレジリエンスという国力を持っていると考えられます。 日本は新型コロナウィルス感染症対策で非常事態宣言が発令されており、個人の活動は様々な不便があり、企業の活動も制限されていて先々の不安は増すばかりです。 しかしながら、日本人にはどんな困難や逆境もそれに押しつぶされることなく「それらの状況に応じて生き抜く回復力」を持っていると考えられています。 今回を乗り越えれば国家、企業、個人のそれぞれのレジリエンス力は更に向上し将来の糧となると思います。 そうなることを信じてもう少し頑張ってみようと思います。 住宅の場合の「それらの状況に応じて生き抜く回復力」の意味でのレジリエンスとは、普段は省エネで快適な暮らしを楽しむことができるが、万が一災害に遭遇してライフラインを断たれても数日間は家で暮らせて災害復旧後も速やかに以前の暮らしに戻ることができる回復力のあることだと思います。 しかしながら、現在の様にステイホームとして自宅に家族で留まり、リモートワークで社会の回復を待っている状態が明けたとき、家族や、会社、社会との関わり方の価値観や行動様式に大きな変化があるように思います。 普段から家に家族といることを大切にし、リモートで仕事や社会とのかかわりもある程度できるようになると災害対策だけでなく、住宅のプランや通勤時間の対応等の心理的なレジリエンス力の高い家が求められるような気がしてなりません。(ご参考コラム:大きなダイニングテーブル) 渡邊工務店のレジリエンス住宅のご紹介 まず、先導事業取組事業として先週完成した、愛知県飛島村のお客様の建物です。 その時のチラシの裏面です。 (ご参考コラム:先導事業の取組) 次は、現在北名古屋エリアで建築中の街角モデルハウスです。 その建物は、上記先導モデル事業に準じた仕様に加えて建物基礎高を通常より高くし、給湯器などの設備機器もその高さに合わせて万が一、水の被害にも対応できるようにしてあります。 建物オープンの折にはお知らせさせて頂きます。 そして、新商品「マッハ空間」です。 全館空調マッハシステムを搭載し、日々の暮らしは快適です。太陽光パネルを屋根貸しスタイルで搭載していますので万が一のライフライン対策の非常用電源として安心して頂けると思います。 現在は世の中の価値観が大きく変化する時期のように思います。 レジリエンスという思想を、住宅を通して少しでも皆様にお伝えできれば幸いです。 ■エアコン一台で快適空間「マッハシステム」について詳しくはこちら ■最寄りの展示場について詳しくはこちら -
2020.04.14 /
第47回:マッハシステムのマッハとは
マッハというと、超音速とかジェット機をイメージしてしまいますがマッハシステムのマッハは少し異なります。渡邊工務店のマッハの正式名称はある頭文字の造語で「MaHAt」です。 フルワードで表すと“Multi air Healthy Air treatment” マルチ エアー ヘルシー エアー トリートメントとなります。マルチとは複数の接頭語で何が複数かというと、建物の各エリアにあるそれぞれの換気グリルとそれに対応する複数のDCモーターのことです。 空調室で管理された空気はその複数の換気グリルとDCモーターにより小温度差・大風量で建物内の空気の流れを維持管理できることとなり、建物の健康的な空気環境そのものを整えていくシステムを実現できることとなりました。 一般的にはエアコン、いわゆるエアーコンディショナーのコンディショナーをあえてトリートメントと表現したのは、ヘアケア製品の違いと同様で、表層的な空気の体感温度の管理だけでなく、室内全体の空気環境そのものの快適な性質を維持しようとするところに大きなこだわりを持っているからだと考えています。 エアコン1台で熱量の管理はするが、空気環境の管理はマッハシステムで対応しています。 温度の管理とともに、空気の質の管理、そしてその空気の流れの管理をしないと室内の隅々までの健康的な空気環境は維持できないと思います。そのことにトライしている全館空調がマッハシステムです。 このことは依然のコラムで紹介させていただいた空気の性質によるところが大きくかかわっています。 また、咳やくしゃみ等で飛散する1㎜程度の通常の飛沫は1分位で落下するそうですが、1㎜の100分の1以下のマイクロ飛沫(NHK NEWS WEBより)は空気がよどんでいるといつまでも室内に漂うそうです。 その対策には室内の換気が大切とのことですが、小温度差・大風量で室内全体の空気を入れ替えてゆくマッハシステムは室内全体換気にも大きく貢献できると思います。 最寄りの展示場や現場見学会のマッハシステムの建物で体感頂ければ幸いです。 ■エアコン一台で快適空間「マッハシステム」について詳しくはこちら ■最寄りの展示場について詳しくはこちら -
2020.03.16 /
第46回:変わらないものと変わっていく物
今世は新型コロナウイルス感染被害拡大により健康被害だけでなく社会のシステムにも影響を及ぼし、大変な状況になっており一日も早い終息を願うばかりです。 私は齢64歳となり住宅の業界で40年近く住宅営業の仕事をしており、家を建てられるお客様と接する仕事をしておりました。 振り返るとバブルの頃やリーマンショックの頃など様々な好況不況の時期を経験してきました。 今思えば山あり谷ありでしたが、それぞれの時に建てて頂いたお客様の現在の暮らしや住宅の寿命という長期的な時間軸で見てみますと今回も乗り切れると信じております。 渡邊工務店は業歴113年となり一貫して天然木にこだわり、天然木の建物の素晴らしさを実現する為、 90余名の自社専属大工による高い技術に裏打ちされた施工体制を守っています。 また地域密着工務店として東濃桧の産地とも連携し、天然木の生産地を守りながら、天然木の建物素晴らしさを愛知県のお客様にお届けできるような持続可能な社会の実現の為のサスティナブルなビジネスモデルを大切にしています。 (蟹江住宅展示場リビング吹き抜け) しかしながら昔から続く伝統にとらわれることなく、天然木の良さを活かすような新しい取り組みにチャレンジしています。 最近の事例を2つご紹介いたします。 まず一つ目は『マッハ空間』という新商品を発売いたします。 お求めやすい価格にこだわりながらも国産桧の良さや、渡邊工務店が推奨する全館空調のマッハシステムを搭載し、国産桧にも、その建物内で暮らす方にも優しい空気環境を実現する建物です。 また、太陽光パネルを10年間の屋根貸しスタイルで搭載している為、太陽光パネル投資資金をほとんどかけないで将来手に入れることができることや、万が一の災害時の非常用電源として対応させるメリットも付加させています。 二つ目はハウスオブザイヤー3年連続受賞の栄誉にあずかったことです。 今回は「ハウス・オブ・ザ・イヤー・イン・エナジー2019」において、優秀企業賞、特別優秀賞、優秀賞、審査委員賞を受賞いたしました。 渡邊工務店は他の住宅会社に譲らない特色として113年の業歴、天然木へのこだわり、自社専属大工による技術・技能の伝承があります。 しかしながら、それらの良さを時代にマッチしてさらに高めるためのチャレンジもしています。 渡邊工務店の代表が常々申していることに「不易流行」があります。 俳句の世界の言葉らしいのですが「不易という永遠に変わらないこと(もの)を忘れず、流行という新しみや変化も同様に取り入れて行くこと」でその新らしみや変化もいずれ不易になっていくという、不易も流行もともに大切なことであり渡邊工務店の仕事にも通ずることであると理解させていただいています。 今回ご紹介した二つの事がまさに不易流行となればいいなと思いました。 エアコン一台で快適空間「マッハシステム」について詳しくはこちら -
2020.01.17 /
第45回:マッハシステムが家庭用エアコン1台で全館空調のできる理由
第45回は、マッハシステムが家庭用エアコン1台で全館空調のできる理由についてお話できればと思います。 まず高気密高断熱の建物でないとできません。 その基準は現在UA値で客観的科学的に表せます。 UA値とは、正確には外皮平均熱貫流率といい家の中から外へ逃げる熱の値です。 (上記表は平成25年省エネ基準の中のUA値省エネ基準) 渡邊工務店の展示場や標準的な街角モデルのマッハシステム対応建物は北海道のUA値0.46相当で対応しています。 別の角度から説明すると温度を1度上げたり下げたりするときに1㎡当りにかかる熱量のことです。 W数で表すと1㎡当りの1度の温度変化には1W熱量が必要であり、それがUA値=1.0です。 一般的な2階建て40坪(外皮面積350㎡の場合)で検討してみましょう。 UA値=1.0の場合 350㎡×UA値1.0=350W(温度が1度上下変化するのに必要な熱量) 温度を20度上げたいとすると20度×350W=7,000Wのエネルギーが必要です。 UA値が=0.5の場合 同様の計算式なので3,500Wの熱量で足ります。 よってUA値を1.0から0.5に小さくすればエネルギー(電気代)も半分になります。 UA値0.46にすると3,220Wになります。 家庭用ルームエアコン14帖タイプは4,000W、18帖タイプは5,600Wの能力です。 よって、熱量計算だけならクリアできますね。 しかしながら、一般の家ではUA値のみの数値設定だけではエアコン一台で家全体の快適な暮らしは難しいと思います。 家の中には玄関、トイレ、洗面所、廊下、階段、寝室、子供部屋等など区切られたスペースが随所にあります。 空気そのものも我儘なところがあり、一か所の吹出口から強制的に風を送っても空気の性質のみでは熱を各部屋の隅々まで万遍なく伝えにくい性質を持っています。 また、熱を伝えにくい性質そのものが羽毛布団、ダウンジャケットのような快適性に繋がるのですが、建物の中の空気の流れを管理しないと快適空間を作るには障害となります。 そこをクリアする仕組がマッハシステムの全館空調で、空調室でブレンドした空気を各部屋に取り付けられた複数のDCモーターファンの吹出グリルで小温度差、大風量でゆっくり建物の中を大河の流れる水のように管理するシステムです。 家の中が高原の避暑地のようなさわやかな空間を醸し出すようです。 実は上記の話は先日のマッハシステム社内勉強会の一部抜粋です。 講師は渡邊工務店マッハシステムの達人齊藤常務で、過日バスにての展示場見学会ツアーにおいてモデルハウスでのマッハシステムのセミナーもお客様より大変好評を得ました。 1月19日(日) 22:48~22:54のテレビ愛知「ナゴヤビジネスレポート」の番組内で齊藤常務よりマッハシステムに関連する放送があると思いますので御覧頂ければ幸いです。 (春日井展示場でテレビインタビュー中の斎藤常務) エアコン一台で快適空間「マッハシステム」について詳しくはこちら 「天然木の家・快適エコライフ」春日井展示場について詳しくはこちら トピックス「ナゴヤビジネスレポート」について詳しくはこちら -
2019.12.26 /
第44回:着工式
令和元年も残りわずかとなりました。本年はご拝読を賜わり厚くお礼申し上げます。 来年も本年同様のご愛顧をよろしくお願い申し上げます。 ところで、渡邊工務店の建築の実質的な建築工事のスタートは着工式となります。 弊社は注文建築が基本ですので、数カ月間の設計・営業担当とお客様と打ち合わせてきた内容を、いよいよ現場の着工に入る前に改めて確認する作業が必要となります。 過日、着工式で冒頭のご挨拶をさせて頂いたお客様の打合せ風景です。 着工前の確認が必要な理由は注文住宅が請負契約だからです。 一般にモノを買うときは完成品の買うべきモノが有り、代金と引き換えに取引します。 その行為は売買契約の部類で車やマンション、建売住宅はここに入ります。日常生活のコンビニやスーパーの買い物も同様です。 しかしながら注文住宅の請負契約は契約を結んだときに受け取るべきモノがありません。 希望する住宅(モノ)の完成を約束し、お客様と造り手の信頼関係の中で、建物完成に向かって造り込んでゆく契約です。 希望する住宅(モノ)の完成の為の様々な打合せを数カ月にわたって行い、その打合せの内容を改めて確認し、確定して施工現場に受け渡す為の大切な行事です。 これから着工し完成する建物と、着工に至るまで打ち合わせてきた計画内容との齟齬を無くし、想いを反映した建物を造る為、弊社では責任者が立会う儀式として着工式を大切に執り行っています。 もう一つ大きな意味があります。 見積書や図面には記載反映できない棟梁や大工、職人の技量を最大限に活かすことです。 渡邊工務店は図面のプランや見積書・仕様書にある材料だけでなく、それを現実の建物に造りこんでゆく112年の業歴に裏打ちされた棟梁や大工、職人の技量に自信があります。 彼らの仕事が気持ちよくスムースに進められると、建物の出来映えも良いものが出来ると思います。 この時に阻害要因となる問題が2つあります。 まず一つ目は仕事の手待ちです。 現場の作業において、段取りが不明確で現場で戸惑うことが生じること、材料搬入の段取りが悪くて仕事の手が止まってしまうことです。 もう一つは手戻りです。 打合せしたことと工事の内容に違いが生じてやり直しになる場合です。 どちらも費用と手間と時間がかかり気持ちも前向きにならないので勿体ない話です。 そんなリスクも最小にする為に儀式としての着工式を行っています。 改めて申し上げます。 渡邊工務店の直営システムや木材の直接仕入れと品質管理、そして90余名の自社専属の棟梁や大工の技量が最大限建物に反映されるためにも、着工式の意義を私達は大切にしています。 お客様によっては本社での着工式の折に、木材センターで実際に使う柱や、天然木のカウンター材の手触りを体感されてご覧になることもあります。 (第一木材センターの柱等に使用する東濃桧等の木材) (第二木材センターのテーブルやカウンターに加工する前の木材) 家造りの流れについて詳しくはこちら 徹底した木材管理について詳しくはこちら -
2019.12.10 /
第43回:木視率
先日、ウッドビレッジ内の「天然木の家・快適エコライフ」大府平屋展示場に来場されたご夫婦が、「こんな木の香りと、木に囲まれた家にあこがれていました。」との感想を頂き嬉しく思いました。 しかしながら木の使い方によっては落ち着かなくて不安を感じることもあるそうです。 例えばログハウスは100%に近い木の存在感を感じます。 好みの問題なのでどちらが良いかはさておいて、おそらく来場されたご夫婦の嗜好とはテイストが異なるように思います。 (健康木の住まい ウッドビレッジ総合住宅展示場内大府平屋展示場の玄関) 日本家屋や和室が落ち着きを醸し出すポイントは木視率45%という数値にあると言われています。 木視率とは室内を見渡した時、木が見える割合のことです。 日本家屋や和室に落ち着きを感じる人達は、その木視率が50%を超えると木部が多くてクドイ、うっとうしい、落ち着かないと不安を感じてしまう人が多くなるようです。 もし、渡邊工務店の展示場をご覧になって落ち着きを感じられたらその要因は木視率かもしれません。 新築住宅を検討されるときにプランだけでなく木視率も念頭に置いて考えて頂ければ嬉しく存じます。 「天然木の家・快適エコライフ」蟹江展示場のリビングと和室で木視率を計算してみます。 リビングと和室の木視率はどちらも45%で、落ち着きや安らぎを感じられる理想的な数値になっています。 住宅展示場や名所旧跡の日本家屋をご覧になるときに、木視率45%を気に留めて頂ければ幸いに存じます。 「天然木の家・快適エコライフ」大府平屋展示場情報はこちら 「天然木の家・快適エコライフ」蟹江展示場情報はこちら -
2019.11.13 /
第42回:賃貸入居から注文住宅を希望する方へ(間取りプラン編)
第41回:賃貸入居から注文住宅を希望する方へ(資金プラン編)の続編です。 ご夫婦のお住まいの賃貸マンションの概要をあらためてご説明します。 間取りは3LDK 18坪(60㎡) JR弥富駅まで徒歩8分 電車で名古屋駅まで20分位です。 家賃は管理費、駐車場込で8万円 ◆現在ご入居賃貸のマンションプラン 家の規模や間取りプランをお聞きしても、住宅展示場は素敵な空間で憧れるけれど生活感もなく豪華で大きすぎて、今までのマンション暮らしとの比較では具体的なイメージが湧かないとのことでした。 そのままプランのお話を進めてもどうかと思い、新しい希望を大切にしながらも、今お住まいのマンションをベースにして考えてみませんかとお話致しました。 その時に、現状と比べてどうしたいのか、間取りや住宅設備だけでなく土地形状・大きさ・道路付け、価格、公園施設、自然環境、通学・通園環境、通勤交通環境、ショッピング環境、周辺の居住世代環境、行政・銀行・病院のサービス環境等のご希望の優先順位と、どうしても優先順位では決めきれない場合の為に、視点を変えてあきらめの優先リストの順位を具体的に検討してほしいとお伝えしました。 後日打合せ: 今後の打合せの指針となるボリューム感をつかむ為のプランです。 建物規模は延床面積(坪)32.5坪です。 仮にプラン配置を土地の南北長さ13.5m、東西長さ10mの長方形で面積41坪(135㎡)で検討すると、建物の南北が芯々寸法7.28m、南面側7.28m、北面側8.19mなので、南側の庭先は4m以上、車は2台駐車することができると思います。 道路付けは南道路、東道路、西道路(反転プラン)、北道路は玄関北側動線変更対応。 今住んでいるスペースをベースに考えたので、思ったよりコンパクトに出来たとのことでした。 下記のようなプランで今後の打合せのスタートと致しました。 プラン1階平面図 ⇒プラン[A]2階平面図⇒プラン[B]2階平面図(二人目の子供に個室が必要になったら) (プラン[A]2階平面図) (プラン[B]2階平面図) ◆“街角モデルハウス弥富”にあるような全館空調マッハシステム搭載型にする場合は、2階北側4.5帖をマッハシステムの空調スペースと洋室3帖に設定します。 2階トイレは洋室3帖を2帖に変更して設定可能です。 (マッハシステム搭載空調室設定プラン) (初回プラン打合せの内容) 1階LDKは16帖で現在のマンションより空間的にも余裕が持てて、希望する大きなダイニングテーブルを置けると思う。 大きなダイニングテーブルがあると食事は勿論、子供の勉強や、読書や趣味の編み物など常に家族の気配が感じられる空間ができると思う。 友達も気の置けない人達なので、ワイワイガヤガヤ大きなテーブルで楽しく過ごしたい。 だから応接セットはいらない。 小さな子供たちの遊ぶ場、アイロン掛けや洗濯物の整理、来客の宿泊スペースとして4.5帖の和室を多目的スペースとしてLDKに隣接して用意したい。 夫婦の部屋は二人になれる空間として大切にしたいので12畳くらい欲しい。 ベットルームとしてだけでなく音楽を鑑賞し、ナイトキャップのお酒を嗜むことのできるセカンドリビングとしても寛げる空間にしたい。 今は1才の長男ひとりですが、将来子供は2人くらいいるといいなと思う。 子供部屋は6帖を一室用意して将来に備える、もし2人目ができて子供部屋が2つ必要になる場合は12.5帖の夫婦の部屋を、8帖と6帖に分割して対応する。 かなり先の話になると思うのでそれまでは現在の間取りで楽しく暮らしたい。 建物ボリュームと土地の大きさや希望条件のイメージがつかめたので、これから正式に、土地情報と細かいプランの希望を入れた、オンリーワンの注文住宅を考えていきます。 当初のイメージでは漠然と40坪位の家になるのかなと思っていらしたようです。 土地も大きさも今回の打合せで40坪くらいの大きさがあれば希望の庭やカーポートスペースが取れると理解できて安心されたようです。 限られた土地購入予算の重点は土地そのものの大きさよりも、利便性や就学環境に重きを置きたいとのことでした。 プランがシンプルでコンパクトにまとまれば建物が使いやすく、維持管理も楽になり総建築コストも抑えることができ、暮らしに余裕が生まれていくと思います。 昨今は平屋建ての家が若い世代にも人気があるのはそんな時代の流れかもしれません。 上記検討プランは、建物延べ床面積(坪)がおよそ33.4坪と、土地の大きさ(坪)がおよそ44.7坪の街角モデルハウス弥富(分譲モデル)と同規模のシンプルな建物なので、実際にご覧いただくとイメージがよりつかみやすいと思います。 また、渡邊工務店は高断熱、高気密住宅にマッチする全館空調マッハシステムの搭載をお勧めしていますので、住んでから暮らしの質を高める為にもマッハシステム搭載の予算化を頂ければ有難く存じます。 その為に今回の街角モデルハウス弥富キャンペーンとして建物外周5寸の柱と120mm吹付断熱仕様のキャンペーン価格ご提供を限定5棟で実施しています。 ご検討いただければ幸いです。 ご参考 第41回:賃貸入居から注文住宅を希望する方へ(資金プラン編)はこちら 第10回:美人になる家はこちら(プランづくりのご紹介) 街角モデルハウス弥富はこちら -
2019.10.30 /
第41回:賃貸入居から注文住宅を希望する方へ(資金プラン編)
以前、展示場に若いカップルが来場されました。 お話を聞くと、これから結婚式を挙げられるそうです。 しかしながら、ご入籍も済ましてアパートに同棲中とのことでビックリしました。 ご来場のきっかけは、いつかは庭付き一戸建を実現し、子供たちと幸せな暮らしを送りたい。 そんな漠然とした夢を話しているうちに、住宅展示場へ行こうと盛り上がり、初めて展示場にやってきましたとのことでした。 11/2(土)に街角モデルハウス弥富(分譲モデル)をオープンしますので、こちらの建物で当時のやり取りを、ライフプラン資金編、間取りプラン編の2部構成にて、ある仮想のご夫婦のストーリーとして再現したいと思います。 まずは資金プラン編です。 若いご夫婦がその当時住まわれていたのは、オシャレな賃貸マンションでした。 間取りは3LDK 18坪(60㎡) JR弥富駅まで徒歩8分、電車で名古屋駅まで20分位です。 家賃は管理費、駐車場込で8万円 持ち家取得の時に、ファイナンシャルプランの打合せをされると思います。 8万円の毎月家賃負担額を35年返済のローン月々返済額に置き換えると、借入金利0.47%の試算でおよそ3090万円まで借入できます。 街角モデルハウス弥富(分譲モデル)の場合は、分譲額が3380万円なので差額290万円と諸費用を加えると購入できることとなります。 上記ローン条件の1000万円借り入れでは25,826円のローン月々返済額となります。 その他の希望購入土地にご希望の注文住宅にてセットした場合は、土地と建物の概算総額を25,826円で割り戻して計算頂ければ、月々返済額の見込が分かりやすいと思います。 資金計画とファイナンシャルプランの目的: 若くて元気な現在の家族から、老後、介護、そして亡くなるまで様々な不安や課題を明らかにして、予めその対策を立てて、安心して人生を全うすることだと思います。 1.これから経験するライフステージをグラフでまとめてみました。このライフプランは25歳スタートです。 様々なライフイベントがありますね。皆様の人生のライフイベントに置き換えたり、新たなライフイベント付け加えたりしながら考えて頂ければ幸いです。 このグラフで私が感じること。 ・お子様と一緒に暮らす時間は意外と少ない。 ・それぞれのライフイベントで少しお金を準備する必要があるかもしれない。 ・35年ローン完済後の人生は意外と長く、マラソンで例えると折り返し地点をすこし回った辺りで、人生は意外と長い。 皆様は如何お考えですか? 2.次に人生のお金の話を所得と費用そして家賃の関係でまとめてみました。 ご夫婦の60歳までの世帯合計所得を35年で年間平均所得500万円、総所得1億7500万円としました。 ※退職金は算入していません。 普段の暮らしでの費用は35年間で1憶500万円掛かることとしました。 それぞれのご家族の状況に当てはめて再計算頂ければ幸いです。 これから判ることは、家賃の出どころは総所得の中にあり、ライフプランとして将来家を持つなら早くした方が良いと思われることです。 3.ご家族には様々なリスクが満ちています。まさかの時の対応をまとめてみました。 最近は年金問題等の長生きのリスクが話題となっていますが、家を建てる時こそまさかの時のリスクを検討すべきだと思います。 最初に掲げたライフプランの中で、夫が30歳で亡くなることが最も大変そうなのでシュミレーションしてみました。 ここで検討したいのは生命保険の話です。 家を建てるとローン返済分について団体信用生命保険に加入します。通常はローン返済の中に含まれています。 制度上の背景があるのか、その負担は極めて低く設定されていると思います。ローン設定者である夫が死亡した場合、その返済が0円になります。 リスクを見える化して組むべき生命保険金額を具体的に把握し、不必要な生命保険を組まずに、場合によっては現在加入中の生命保険を減額し、その負担部分をローン返済や貯蓄に回し、ファイナンシャルプランの再検討を行うことで、将来を見通せるライフプラン作成に役立つこととなります。 月々4,000円の生命保険料以上を支払っている皆様なら、一度検討してみる価値があると思います。 次回コラムは第42回:賃貸から注文住宅に希望する方へ(間取りプラン編)をお届けします。 ■11/2OPEN!街角モデルハウス弥富「天然木の家・快適エコライフ」【事前予約制】について詳しくはこちら -
2019.10.25 /
第40回:東濃桧の間伐材活用
前回は、先導モデル事業プロジェクトの一員として持続可能な社会の為の省エネルギーチャレンジモデルのご紹介をいたしました。 今回は渡邊工務店独自で取り組むプロジェクトをご紹介いたします。 そのプロジェクトの見える化として、11月2日(土曜日)に“街角モデルハウス弥富”(事前予約制)をグランドオープンしますので、ご覧いただければ有難く存じます。 それは東濃桧の間伐作業にスポットを当てて森を守り、省CO₂対策や治水などの環境保護に渡邊工務店のビジネスモデルが貢献していくこと、そして結果的にお客様の暮らしにもお役に立てることを目的としています。 その見どころをご紹介いたします。 1.東濃桧の間伐材(五寸角の隅柱と五寸×四寸の管柱)を建物外周壁に使用。 森林資源としての森は、植樹してから100年の森に育つまで間伐の作業を要します。 良質な東濃桧が育つには十分な日光と栄養が必要です。間伐作業は植樹して間もない小径木の頃から、70年くらいたった中径木に至るまで継続される作業です。 小径木は土木工事の杭やバイオマスの材料にも活用されます。中径木の良質な間伐材は建築材料の柱として活用できます。渡邊工務店は、東濃桧を東白川製材協同組合から直接仕入れ、その品質管理は自社責任体制で行っています。 直接東白川製材協同組合と情報交換をしながら東濃桧間伐材の活用を進めています。 プレカット工場から入る木材を見ているだけの会社では、中々判りづらいストーリーかも知れません。ここで東白川製材協同組合工場長からお聞きした東濃桧中径木の間伐材を紹介いたします。 写真は直径30㎝の間伐材です。 写真では判りにくいですが、1年に直径5mmほど成長し、年輪が出来ていきます。 60年位の樹齢だそうですが、年輪の数を数えると樹齢が分かると思います。 “街角モデルハウス弥富”のグランドオープン会場に、下記写真の木材を設置しますので実物でお確かめ頂ければ嬉しく存じます。 (左から3.5寸角、4寸角、5寸4寸角2本、5寸角の柱) 天然木なので、山の傾斜、水の状況、日の当たり具合で場所によって差が出ます。 但し、東濃桧の森があるエリアの環境は厳しく結果的に目の細かい年輪となり、良質な桧ブランド東濃桧に育っていくとのことです。 同じ桧でも暖かい地方では年輪幅が1㎝位になり、30年で30㎝の直径の桧が育つところもあるとのことでした。 2.5寸の柱で建物外周壁の厚みを増し、断熱材を厚く吹いて高断熱の建物とする。 断熱材を現場発泡硬質ウレタン120mm厚にすることにより、“街角モデルハウス弥富”では北海道のUA値基準以下を実現しました。 ちなみに愛知県のUA値基準0.87以下、北海道のUA値基準0.46以下です。 ※UA値とは: 「UA値」とは、「外皮平均熱貫流率」のことで、家全体の断熱性を表す数値です。 断熱性と言っても、家の中の熱量がどれだけ多いかを測るものではありません。 壁を伝わって家の中の熱量がどのくらい外に逃げるのかを表す数値で、住宅の気温差が1℃のとき逃げていく熱量を、壁や窓、屋根、床などの外部に触れているところの全体の面積(外皮面積)で割った物が、「UA値」なのです。 「UA値」の数値が低いほど、断熱の高い住宅となります。 3.エアコン1台で全館空調「マッハシステム」搭載。 高気密、高断熱のメリットを最大限生かす省エネタイプの全館空調システムがマッチ。 “街角モデルハウス弥富”は完成していますが、現地ではVRにて完成前の構造体を見ることができ、5寸の柱もご理解いただけると思います。 11月2日(土)、3日(日)、4日(祝)、9日(土)10(日)に、“街角モデルハウス弥富”ではオープンイベント開催中です。 皆さまお誘い合わせの上ご来場頂き、是非ご体感下さいませ。 スタッフ一同、心よりお待ちしております。 尚、前回のコラムにて先導モデル補助対象について165棟と記述しておりましたが60棟の誤りでした。訂正してお詫び申し上げます。(※前回コラム記事は訂正しております。) 街角モデルハウス弥富「天然木の家・快適エコライフ」【事前予約制】オープンのお知らせはこちら 街角モデルハウス弥富「天然木の家・快適エコライフ」【事前予約制】への来場予約と詳細はこちら -
2019.10.08 /
第39回:先導事業の取組み
国土交通省の主管する令和元年度(第1回)サステナブル建築物等先導事業(省CO₂先導型)について渡邊工務店も参加するプロジェクトが採択されました。 プロジェクト名は戸建住宅新築区分ハイブリッド太陽エネルギー利用住宅先導プロジェクトです。(詳細は下部にて) プロジェクトの体制とそれぞれ役割をご説明します。 マッハシステムで渡邊工務店がお世話になっている株式会社FHアライアンスが本提案の取りまとめと検証、そして今後の普及について住宅会社と省CO₂技術の展開を担います。その検証については九州大学、立命館大学、湘南工科大学が全国のデータの収集、分析、効果検証をFHアライアンスと共同で行います。 そのデータを実際に取得する住宅の供給を北陸エリア、九州エリア、中部エリアの3社の住宅会社が担います。 中部エリア担当の住宅会社が渡邊工務店となります。 これから、4年間にわたって60棟の住宅を、未来のあるべき姿となる先導的な住宅として渡邊工務店も含めた3社で供給し、各大学と共同した4年間のデータ検証により先導的な効果の見える化をして、さらに世の中に多くの住宅を水平展開しようとするものです。 このプロジェクト推進の一環として国土交通省より上記60棟について、工事の一部補助として1棟当たり135万円の補助金を受けることとなりました。 135万円の補助金に付きましては、お客様の建物の価値に還元できることとなります。 (※コラム公開時には、165棟と記載しておりましたが、60棟の誤りでした。訂正してお詫び申し上げます。) 渡邊工務店としましても、国交省の補助金、お客様と当社の負担を併せ持ちましてサステナブルな世の中に貢献できる先導的な住宅を供給していきたいと存じます。 それでは建物の説明を簡単にいたします。 今回の先導事業採択のベースとなったのは元々渡邊工務店も含めて3社の住宅性能が高レベルであり、本プロジェクトで提案する全館空調システム(マッハシステム等)が取り入れられている為、事業の水平展開が容易であることが理由の一つです。 (マッハシステムの仕組) 現在渡邊工務店の建物においてマッハシステム搭載率は50%を超えています。 先導的な住宅実現の為にはかなりの投資も必要とされています。 渡邊工務店でご検討の多いマッハシステム+4キロ前後の太陽光発電パネル搭載をベースにしてご検討頂ければ、国交省の補助金、お客様の投資、当社の負担を併せ持ちましてサステナブルな世の中に貢献できる先導的な住宅を実現していけるのではないかと考えています。 先導モデルで住宅をご検討頂けるお客様がいらっしゃいましたら有り難く存じます。 本プロジェクトは省CO₂だけでなく、非常時エネルギー自立の実現に対する取り組みを認められたことも大きな特徴です。 非常時において電力、ガス等のインフラが麻痺していても、2日間自立でき、且つ太陽熱エネルギーを利用する。また貯水機能付き非常時給水タンクシステムを採用することで、数日間の水の確保を可能とすることなどです。 (FHアライアンスホームページより) 実は現在本プロジェクトで新築の打合せ進行中のお客様がいらっしゃいまして、プロパンガス対応なのですが、普段のガス代の負担が少ないことで、プロパンガスであれば独立型のガス供給元として災害に強い住宅として再評価できたように思います。 これからの気候変動を考えると、地震のみならず台風や豪雨などから家族を守る家として今回の先導モデルは評価できると思います。 渡邊工務店の本業である住宅事業が省CO₂としてお客様の家計だけでなく地球環境にも貢献できる本プロジェクトに参加できることを誇らしく思います。 本プロジェクトにご興味頂ければ幸いに存じます。 マッハシステムについてはこちら