暮らしに平和を

2021.10.07 /

第80回:緑化の効用

緑化(緑がない場所に植物を植え、植物の持つ機能を利用しようとするもの)による建物の省エネ効果は、緑のカーテン(屋上や壁面)により、室温が3度以上低下する為、冷房電力の20%~40%が節約できると言われています。

緑化は街づくりにも、個人の家造りにも大切なことだと思います。

緑化を都市で考えるとヒートアイランド現象の緩和(緑の役割は天然のラジエータ<加熱や冷却を行う機器>)として真夏日や熱帯夜の発生を抑えたり、オープンスペースの確保による防災効果があります。

愛知県や県下の各市町村において街の緑は、人々に潤いと安らぎを与えてくれるとともに、環境の改善に資する(しする:役立つ)身近で貴重な自然であり、街の安全性を高め、美しい街づくりを進める上でも重要な役割を果たしているとし、公園緑地の整備や緑地保全・都市緑化の推進を図ってきました。

しかしながら、市街地の多くの部分を占める民有地の緑の減少により緑の全体量は減少しています。そのため街の緑の保全・創出・活用を一層推進したいと考えられています。

そのような背景から交付金対象事業として「あいち森と緑づくり都市緑化推進事業により、愛知県内の市町村等が行う民有地の緑の活用のための取り組みが行われています。

これは、個人の住宅も同様に考えられると思います。

緑化のもたらす心理的・生理的な癒し効果やテクノストレス(デジタルデバイスが原因で生じるストレス)の解消はもちろんの事、ご年配の方にとっては日々の健康増進だけでなく、かつての会社生活から距離を置き、ご近所との触れ合いを深めるきっかけとして、ガーデニングや家庭菜園を嗜むことが役に立つように思います。

緑化の効用は、これからのアフターコロナの暮らしに大切になってくると思います。
それぞれお気に入りの樹木や草花の緑化を楽しんで、四季の暮らしのプラスαになればいいですね。

木
手前がジューンベリーで奥がハナミズキ

9月中旬のある庭です。手前に大きく写っている樹木は落葉樹のジューンベリーです。
春になると新芽が芽吹き、白い花を咲かせて6月に小さな赤い果実が実ります。
その頃は、様々な野鳥が朝早く訪れて赤い実を啄んで(ついばんで:鳥がくちばしでつついて食べる)います。

奥の樹木は落葉樹のハナミズキで、春に葉が出ると同時に開花し秋まで広葉を付けています。
10月になると秋の落葉前の紅葉が綺麗で季節を感じさせてくれます。
冬は葉が落ちた後なので日が差して明るく感じます。

木2
シマトネリコ

こちらのシマトネリコは株立ち(一本の茎の根本から茎が分かれて立ち上がっている様子)で、初夏に小さな白い花を咲かせます。
常緑樹で葉も小さく、葉の裏表に濃淡があり、自然の風に揺らぐ姿がひらひらして風情があります。
庭先に植えると木陰を作ってくれて日中は涼しく風も感じ、そして道路や隣家からの視線を遮ってくれます。

木3
サンパチェンス(パッションオレンジとオーキッド)

花の季節が残り少ないサンパチェンスですが、春から秋まで長く花を楽しめます。
季節感を豊かにするために花を咲かせることにもトライしています。
庭植えだけでなく、植木鉢やハンギングバスケットでの栽培も楽しいですね。

次に何を育ててみようかなと考えてホームセンターのガーデニングコーナーに行くと、時間が経つのを忘れてしまいます。
家は建てた時から古くなっていきますが、緑化はその逆で時が経つほど育っていき、手入れを怠らないといつも新鮮で瑞々しいですね。

住宅新築の計画は新居の完成入居で終わりますが、家族の暮らしと緑化活動は新居に入居した時から始まります。
古くなっていく家での暮らしと、家族の成長と育っていく樹木や庭を見守ることは、貴重な体験として思い出の中に残ってゆくと思います。

かつて家を建てたばかりのお客様が、ご自身の子供の頃にカブト虫捕りで遊んだ里山で幼い息子様といっしょに採ってきたドングリを庭に植えて「このドングリの樹が大きくなって、いつかカブト虫が来るような庭になるといいな。」と仰っていました。

ドングリを植えてから大きな樹に育つまで家族で楽しめそうなお話ですし、息子様が結婚していずれお孫様をつれてその家に帰ってきた時、大きく育ったドングリの樹の下で「じいじ」の子供の頃の話や、息子様と一緒に遊んだカブト虫捕りやドングリ拾いをした里山の話などをお孫様と楽しく語れそうですね。

家を考える時に、ご自身の想いを込めたストーリーの緑化を取り入れてご検討いただけたら嬉しく思います。

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