2018.08.07 /
第19回:デザインについて
デザインというと「意匠」の意味に理解されることが多いと思います。
また、多くのデザイナーズ住宅は、綺麗なだけのファッション住宅が多いと思います。
デザインの語源はデッサン(dessin)と同じく、“計画を記号に表す”という意味のラテン語designareで、ある問題を解決するために思考・概念の組み立てを行い、それを様々な媒体に応じて表現することといわれています。
私たちの住宅の仕事に置き換えると、「ある問題を解決するため」の部分は「ヒアリングによる問題の顕在化」に、「その解決のための思考・概念の組み立て」が「設計」、「様々な媒体に応じて表現」が「住宅建築」に当てはめられると思います。
数寄屋の本格木造やシンプルモダンの住宅も、キチンとデザインされた住宅は、住まい手の新しい暮らしを始めるための様々な課題を解決した価値のある家になると思います。
同じように、個人の生き方としてのライフデザイン、都市や国家の在り方を示すグランドデザインも同様なアプローチだと思います。
渡邊工務店の会社としてのデザインはこんな捉え方になるように思います。
木の生命力を感じられる住まいづくりを通して、木材の需要を喚起し、山の守り手の暮らしと環境を守り、木の良さを活かした住宅により、住まい手としての豊かな暮らしに貢献。
①山の守り手から、太くて材質の良い木を直接買うことにより、売り手にとっては良い価格
住まい手になる買い手にとってはリーズナブルな価格を実現。
②柱の部位以外の木部も家具、天井材、壁材、木格子などの化粧材に活用し、ムダを無くします。
③規格外の柱も適材適所で様々なところに活用します。
④太い柱は天然木の生命力を感じ、木の香りが暮らしに彩りを添えます。
⑤この地域に多かった民家型架構フレームをベースに、作り手として木の良さを最大限活かせるように技能研鑽に励み、住まい手に豊かな暮らしを感じて頂ける家を造ります。
⑥住まい手に木材の故郷の木曽三川 川上を感じて頂ける取り組み(植樹活動等)により、地域循環型の経済を育んでいく当事者意識が育まれることに努めています。
このような取り組みが木曽三川地域の治山・治水に役立ち、地域の土砂災害や水害の抑止に少しでも貢献できれば嬉しく思います。